「デニムは何にでも合う」のウソとホント
最近はデニムにハマってめちゃくちゃ買っている。
leeの70sパンツを買い。
おなじく70s後期のGジャンを買い。
classのGジャンもnicenessのGジャンも買った。
デニムを身につけていない日のほうが少ないくらいだ。
で、ふと「デニムは何にでも合う」という言葉に感じた違和感があったのを思い出した。
今は考えが変わってきた部分もあるが、いい機会なので記事に残すことにした。
「デニムは何にでも合う」ってほんと?
服好きな人がたまに言うセリフに「デニムは何にでも合う」がある。
服を1000着買ってきたおれもデニムは好きだけど、これはウソだと思う。
デニム、何にも合わない。
だって固くて着心地悪いし。
モノトーンじゃなくて色ついてるし。
着てるうちに色変わってくるし。
とくにインディゴの濃紺デニム。
あいつは本当に上下デニムにしか合わない。
例を挙げてみよう。
白シャツにテーラードジャケットに細身のインディゴデニム。
合っているという人もいるだろう。
だが待ってほしい。
ジャケットと同じ生地同じ色のスラックスのほうがもっと合うと思わないだろうか。
グレーのスウェットにデニムだってそうだ。
スウェットは本来同じ生地の上下で運動用に着るものだろう。
そもそもテーラードジャケットもタキシードは堅苦しいという意見から生まれた一種の部屋着で現代でいうジャージ的なもので〜みたいなウンチクもあるのだがそれは置いといて。
デニムって作業着なのだ。
アメリカの鉱山で働く男たちが着ていた泥臭い服なのだ。
それをフォーマルやスポーツウェアに合わせるのは意外性があっておもしろい着こなしなのは確かだけど、ベストマッチはしないはずなんだ。
訴えたいことは伝わっただろうか。
「本来の用途から見ると合ってないよね?」ということだ。
色の濃いインディゴデニムをはいたことはあるだろうか。
こすれたり濡れたりすると他の服に色移りがするようなやつ。
おろしたての白シャツにインディゴデニムなんか着た日には悲惨だ。
色濃く紺が写ってしまう。
グレースウェットだってそうだ。
なんでこうなるかといえば本来の用途ではないからだ。
色が写って困る服に合わせることを想定された服ではないのだ。デニムは。
それを無視して白シャツに合わせるのが定着しただけなのだ。
本来の用途ではなく意外性をもたらすための着こなしなのだ。
じゃあなんで合って見えるのかといえば、みんなやってて見慣れているだけなのだ。
だってデニムって青だぞ。
白黒グレーに比べたら相性をめちゃくちゃ選ぶ色だろう。
デニムじゃない生地の青いパンツってめっちゃ合わせるものを選ぶと思わないか。
デニムみたいなブルーのウールスラックスがはたして何にでも合うだろうか。
はたしてデニムと同じ感覚で赤いニットにグレーのコートとか合わせるだろうか。
デニムは何にもベストマッチしない。
同じ生地・同じ色落ちのデニムセットアップ以外何にも合わない。
だから何に合わせても同じ。
何に合わせても同じなら、何に合わせても別にいい。
「何にでも合う」のではなく「何に合わせてもいっしょ」。
これが真相だ。
合わないから着るなという意味ではない
さて。
この記事で主張したいのは「何にも合わないから着てはいけない」という意味ではない。
現におれは赤のニットに紫のデニムを履いてライトグリーンのベルトを締めて白のジャケットを着る男である。
これで足元がライトグリーンだったりレザーサンダルだったりする。
これを色が合ってるっていう人はそんなに多くない。
違和感ある色合わせを経験でねじ伏せているだけだ。
NEATの西野さんも色をぶつけるのが好きだと言っている。
セオリーを知ってあえて無視する楽しさを大事にしているんだろう。
赤に青を着てるのが西野さん。素敵な大人である。
で、おれはそういう着方をする人を応援している。
ファッションとして好みかは別として自分のスタイルを貫ける精神性には尊敬の念を持たざるを得ない。
デニムが何にでも合うから着るんじゃなくて、デニムが好きだから何にでも合わせちゃうであってほしい。
デニムが合わないと感じたら素直に直感に従って違うものを着てみてほしい。
合おうが合うまいが、自分がいいと感じるならオレンジに青をぶつけてもいいし全身白を着たっていいし全身紫だっていい。
もちろん総柄でもいい。
鏡を見てしっくりきたのなら。
しっくりこないなら、それはやめたほうがいい。
おれのメッセージは一貫している。
ファッションを楽しんでほしい。
好きなものを好きなように着てほしい。
胸を張ってこれが好きだからって言ってほしい。
デニムが好きならデニムを着たらいい。
「何にでも合うから」なんて、合わせなきゃいけないと思わないでほしい。
閉塞感と息苦しさと同調圧力ばっかりの日本に
せめてファッションからでも風穴を開けてやりたい。
それがおれの願いなのだ。
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