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短編小説とエッセイ

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短編小説もどき(断片小説)と日記とエッセイを不定期で書いています。 『だれかが見つけていても、じぶんのことばで』
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2022年10月の記事一覧

感情資本論

子供の頃はよかったなぁと、情けなくも思うことがある。 自販機の下に落ちていた小銭に歓喜し…

まさき
1年前
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ねじまき鳥クロニクルにまつわるクロニクル

村上春樹さんの『ねじまき鳥クロニクル』を知ったのは18歳の頃だった。 当時大学受験を終えて…

まさき
1年前
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ボーディング・ブリッジ

新幹線の駅に降り立つ。終電が迫っている時間ではないが、概ね店舗は閉まっている。 あとはど…

まさき
1年前

Ctrl X

寮の駐車場に車を停める。ドアを開けて外に出る。最近めっきり寒くなった。 西側の空は日が沈…

まさき
1年前

人が選ぶのは入口だけになる?

後ろ向きな気持ちになって 「どうせいつかやめるんだし、意味ないやん」 となることがある。 …

まさき
1年前

一変 異国の地と考える

しばらく運動してないうちに、季節が一変してしまった。 こないだまで少し動けば汗が滝のよう…

まさき
1年前

手段と目的と〜本を積む

棚から本を取り出して、床に積み重ねていく。 本来服を入れるはずの棚にも、いろんな書籍が詰まっている有様だったので、少し整理しよう。 そう思ったのが間違いだった。 出てくる出てくる。買ったけど読んでない本。 その総額は10万円近いんじゃないだろうか。 それが後悔の念や、自分の意志の弱さを思い起こさせてくる。 床が埋まっていき、高さが出てきたところで気がついたのだが、本は服なんかよりもずっと重たい。ヘトヘトになっている自分に気がつく。当たり前だ。衝動的に部屋の本なんて整理する

箪笥の肥やしとコンビニ弁当

コンビニのカゴにいくつもの商品を詰め込む。 その時が幸せのピークかもしれない。 唐揚げ弁当…

まさき
1年前
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花も幹もなく根だけが

食べるよりめんどくさいが勝るときないでしょうか? 時間は溶けるように早く過ぎていくのに、…

まさき
1年前
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3連休の1日目の夜

ずっと先の未来だと思っていたけれど、とうとう30歳が見えてきた。あと1年とちょっとすれば、…

まさき
1年前
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やりたいことが少しずつ

社内の教育用の動画を作成することになった。 会社の中のルールを分かりやすく説明するための…

まさき
1年前

レジャーシート

ひとりでいることは平気なはずなのに、涙が出そうになった。 保育園に通い初めの頃、みんなが…

まさき
1年前
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生姜焼き定食

貧乏性っていうのは変わらないものだ。 先月末から、ジムに通えないようになり 「せっかく月…

まさき
1年前

5リットルの牛乳

何が正しいか分からない時代 先が読めない時代 と言われてから随分経つ。 それでも本屋さんに行けば、「我こそは正解だ」というような体裁の本がいくつも見つかる。 まるで「これさえやっとけば」というような自信満々の本だ。もしこの本が人間だったら、あまり友達になれそうにない。 いつも自分のパターン当てはめて、人のことを洞察して、なんのバリエーションもなく「早くこれやりなよ。僕は先に始めてるけど」みたいな感じで、今までの会話はそっちのけで教えてくれるのだ。早くこの拷問のような時間