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【第9号】直観的な選択と集中を取り入れる

2月某日|やさしさメガネの話

伝え方は伝える人のやさしさに比例すると思う。どう伝えるか、どんな言葉を使うか、結論が先か過程が先か、会って伝えるか文字で伝えるか。

ある程度の配慮は必要だと思う。完璧に相手が受け取れる伝え方は無いとも思うけど、相手が今置かれている状況に合わせて伝える側がどんな心持で伝えるかはつねに気を配りたい。

これを意識しているかどうかで伝わり方やその先の浸透のされ方も変わるんじゃないかな。


2月某日|おにぎりの海苔のはなし

ランチの時間。この日のわたしはおにぎりを作っていった。しゃけとこんぶ。昔から丸い形より三角の方がおいしそうに感じるから三角に作っている。

職場でおにぎりを完成させた。完成させたといっても持参した板海苔を巻いただけ。昔からこうしている。パリパリの海苔でおにぎりを食べたいからだ。それを見ていた同僚から「海苔を別で持ってくるのはこだわってますね」とひとこと。わたしにとってはハテナ。こだわっているのか?

小さい頃の遠足で母の作ったおべんとうでおにぎりが入っていることは10回中5回くらいはある。わたしの母はアルミホイルに包んでいた。海苔といっしょに。当日はこのフニャフニャの海苔もお米となじんでいて好きだった。

年を重ねて今はお米と一緒に包むことはない。必ずおにぎりと海苔は別にしている。パリパリ感をおにぎりには欲しいから。海苔を事前に包むのもこだわり。別で持参して食べる直前に包むのもこだわり。

わたしにとってパリパリ海苔のおにぎりを食べた後は気持ちがいい。
時間の効率化と味の効率化はいっしょのこだわりなのだ。


2月某日|模擬は模擬だけどのはなし

ソーシャルスキルトレーニング。通称、SST。社会生活技能訓練の意味で困難を抱える状況の総体をソーシャルスキル(社会技能)と呼ばれるコミュニケーション技術の側面からとらえ、そのような技術を向上させることによって困難さを解決しようとする心理社会的療法。(ウィキペディアより)

わたしはSSTの行う場を持っている。参加者と困難と思う状況をロールプレイしながらこれまでの行動とこれからどうすればいいかを見つめ直す場を持っている。

この場では配役を決め、場面をつくってロールプレイする。あくまでもロールプレイであって本番の場ではない。

若いとき、進学や就職試験に向けた模擬面接をやったことがある。これがわたしは苦手だった。場面としてはこうだ。面接会場と模した場で、面接を行うようにイスとテーブルが模されて、面接官に模した進路担当の先生と、来るかもしれない想定問答を行う。

わたしはこれが苦手だった。だってすべてが模した空間だから。毎日、顔を合わせていて、背筋のことなどほとんど気にせず、くだけた会話ができる先生にわざわざかしこまった言葉を使って、背筋をピンとさせて、ぎこちない面接会話をしていくのに違和感があるから。

話をSSTのロールプレイに戻す。SSTとはいえロールプレイはロールプレイ。リアルじゃない。だけどどんな場になるかをイメージすることはできる。参加者自らの想像力が乏しくても、進行の仕方でイメージを膨らますきっかけをつくることはできる。

だからこそどんな問いを投げかけるかが進行役には重要なスキルだと思う。過去と今、未来を行ったり来たりできるようひとつずつ問いを投げかけて、時間をかけて思い出してもらう、考えてもらう、比較してもらう。

こうすることでさまざまな気づきが生まれるんじゃないかな。この繰り返しが新しい気づきに気づけるかもしれないし、改善点も見つけやすくなる。選択肢を持つ機会を作ることができる。

とはいってもリアリティを持ってロールプレイしてもらうこともある程度は大切。答えは本人が持っている。持つ機会は本人に備わっている。だからこそ進行役は参加者の表情、姿勢、使う言葉、身振り手振りなどがロールプレイのなかでどう表現しているかを集中して観察することが、気づきにつなげる問いにつながる。


3月某日|身近いる運転上級者のはなし

通勤は車でしている。パートナー企業に出向くときは高速道路を使っている。走る車は比較的ゆっくりな印象。ここは沖縄。

朝8時台と夕方5時台の高速道路は混んでいる。料金所は一般もETCも列になっている。渋滞がひどい時は夏休みのディズニーランドの入り口くらい列になっている。

これは勝手なわたしのイメージだけど、高速道路を走っていて前の方が渋滞していると分かったとき、ハザードを出して後ろの車両に「この先、渋滞で起きてますよ」の合図を出せるドライバーは上級者だと思う。

これは勝手なわたしの調査結果だけど、県外からの観光客ドライバー(若い人)と県内配送トラックのドライバーはハザードを出している。

混む時間帯でハザードを見受けるたびに勝手にキュンとしている。


3月某日|リレーの季節のはなし

「今回のメンバーだけじゃない。歴代のリレーメンバーにも感謝しないといけない」

2008年北京オリンピックの4×100mリレーでアンカーとして出場し、銀メダル獲得した朝原宣治さんの言葉。

仕事はリレーのくり返し。3月のこの時期は配置転換や部署移動などで引き継ぎが行われている会社は多いと思う。わたしも現在、引き継ぎの真っただ中。アンカーではないけどバトンを受け取る側にいる。

渡す側は業務をしながらバトンを渡してくれる。1から順番に教わる機会は少ない。業務をしながらその業務を引き継ぐので流動的で引き継がれるのが現実。1を引き継いだと思ったら5に飛ぶこともある。6に行くかと思いきや3に戻ったりもする。

引き継ぎ書はあったらうれしいけど、わたしの経験上ほとんどそんなことはなかった。横にいながらその場の流れに沿って見たり聞いたりする。だからメモをとことんする。

やることをメモするだけではなく、その時に感じた感情や関連性も書く。わたしのメモには「意味不」とか「Aとリンクしてる」などの言葉がならぶ。

バトンを渡す側といっしょに業務をしながらの引き継ぎをしているからつねに走っている状態。なので雑でもメモを残す。とりあえずとしてわたしだけが読めればいい。まとめや整理は後回しでいい。

雑でもなんでもメモに残すことで過去の自分にアクセスしやすくなる。そこから業務の改善点を見つけることもしやすくなる。

仕事の引き継ぎという名のリレーは、バトンを渡す側も受け取る側も「一緒にする」が大切。時間がないからとどこかに置かれた引き継ぎ書だけを受け取って、業務を引き継ぐのは仕方ないし、仕組み上、起こりやすいこと。

だけど朝原選手の冒頭のことばは、仕事の前任者も後任者も知っておいて損はないと思う。

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