日本人の継続力 〜徳で治める者は民から拝まれる〜

日本には二千年以上継続している皇室があります。世界最古の由緒ある家柄で、ここまで長く続きますと人類の貴重な財産だといえましょう。

大陸の国々では、勝った方が負けた方を根絶やしにするので、その家族は続きません。
中国などでも王朝が代わるたびに「ご破算で願いましては」式に完全消去しますから、その家系は断絶します。
幸いに日本は海に囲まれた島国だったので、惨酷な異民族は二度来ただけでした。

天明三年（1783年）、アイスランドの火山と浅間山がほぼ同時期に大噴火を起こし、日光が遮られ、世界的な飢饉が起きました。

フランスでは「パンよこせ」のデモ行進からフランス革命が始まり、国王は処刑されて王朝は倒されましたが、この世には「やったように、やられる」という法則がありますから「力で治める者は力で倒される」ということになります。

一方、堀も石垣もない京都の御所では、民衆が塀に沿ってぐるぐる回る「千度回り」を始めたそうで、五穀豊穣を祈りながら塀の中にお賽銭を投げ込んだと伝わっています。

いつも贅沢している太った大きな王様と、普段から質素な生活をしている小柄な天皇の違いが目に見えるようですが、「徳で治める者は民から拝まれる」ということになります。

それから、日本には千年以上続いている神社や老舗の会社が世界一多く、飛鳥時代に創業した金剛組は、神社仏閣の建設と補修が専門だそうですが、伝統的な技術の継承に行き詰って、2005年に経営破綻し、高松建設に吸収されたそうです。
グローバリスト勢力が支配している今の世界では、老舗日本も伝統文化の継続がだんだん難しくなってきたようです。

P.S.
高き屋に 登りて見れば煙たつ 民のかまどは賑はいにけり
仁徳天皇

日本には「三方良し」という考えがあり、「人を喜ばせれば喜びがやってくる」と考えますから、世界と比べて日本はずいぶん高貴な国ですね。

日本は皇室というグローバリズムに対するしっかりした抗体を持っていますが、皇室を母系にして抗体を無力化した時、日本は免疫力を失って衰弱していく他ないと思います。

【今日の名言】
「ローマは廃墟をつくって、そこを平和と呼ぶ」
by タキトウス（ローマの歴史家）