「天城山からの手紙」1回目
まだ見ぬ姿を求めて今日も暗闇に一歩踏み出す。その場所は伊豆に鎮座する天城連山。あまり知られていないが、全国でも珍しい橅(ブナ)が生き残っている貴重な森である。今回からそんな天城山にスポットをあて、たくさんの物語を写真と一緒にお伝えして行きたい。
この日は風速7m気温-15℃という伊豆では信じられない冬の日。天城連山越しから見える、朝日を求めて、達磨山に向かっていた。山頂に着くと、吹き付ける猛烈な風は急速に体温を奪っていき、バックから三脚すべての物を氷に包んでいく。そして闇夜が