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ヨーロッパ旅行記1〜出発〜

2年前の夏、僕は1ヶ月間ドイツに留学していた。8月に行われるサマースクールに参加していたのだ。
僕は留学期間が終わってから2週間後の9月中旬に日本へ帰ってくる航空券を予約していた。なぜなら、サマースクールが終わった後にヨーロッパを旅行しようと思っていたからだ。ヨーロッパなんて次いつ行けるか分からないし、1年前にサマースクールに参加していた先輩もそのくらい旅行していたと聞いていたのでなんの迷いもなく航空券を取った。確か9月15日関西空港着の航空券だったと思う。



サマースクールも終わり退寮日を迎えた僕は、大学へスーツケースを預けに来ていた。同じ大学からサマースクールに参加していた友人たちとはこの日に別れ、サマースクールのボスにスーツケースを預けしばしの別れを告げる。
大学を出て3人で駅へ向かう。1人はサマースクールで知り合った日本人大学生マサさん。もう1人はドイツ人大学生ウルスラ。マサさんはサマースクールを終えてこれから1年間ドイツのハイデルベルクというところで留学することが決まっていた。ウルスラはマサさんのチューターで大学へ一緒についてきてくれていた。

これからどうするのかという話になり、僕はヨーロッパを旅すると告げた。切符は取ってるの?とウルスラ。まだ取ってないことを告げたら駅まで一緒に来てくれることになった。
最寄駅の窓口へ行く。僕が欲しいのはヨーロッパの主要鉄道会社の乗り放題切符であるユーレイルパスだった。窓口で聞くが、ユーレイルパスは中央駅でないと扱ってないとのことだった。電車に乗り中央駅へ行く。窓口で僕の欲しかったユーレイルパスを頼む。15日間ほぼすべてのヨーロッパの国の電車に乗れる切符。現金で支払う。


ようやく切符を手にした僕は、最後まで世話になったウルスラに感謝を告げ、マサさんにはハイデルベルクに行くときには連絡するのでその時はお願いしますという旨を告げ、別れた。

1カ国目に選んだのはチェコである。チェコの首都プラハが最初の目的地だ。ハンブルクからチェコへはICEが出ていた。ICEとは日本で言うところの新幹線である。追加課金なしで高速鉄道に乗れるなんてDB(ドイツ鉄道)はほんとにいい会社である。定刻に電車が来た試しはないが。

はっきりとしたこの旅のルートは当日まで決まっていなかった。とりあえず電車を使ってドイツの東側からヨーロッパを一周して西側から帰ってこようかなということだけが決まっていた。だから1カ国目もチェコにするかポーランドにするか前日まで悩んでいた。なんとなくしかルートが決まっていなかったので、泊まる場所や行く場所は前日に決めたりその日に決めたりという感じだった。これが出発日に決めた予定である。

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ホームに電車が入ってくる。
ユーレイルパスを手にしている僕は、念のためこれでこの電車に乗れますか、と車掌さんに聞く。女の車掌さんだった。チケットを持っている人間は誰でも乗れるみたいなことを言われた気がする。まあ大丈夫なんやろなと思い車内に入る。

2へ続く。


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