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すぐに上達しない方が当たり前。なぜすぐに上達すると思ったのか。

ジャズピアノの元になったスタイルにラグタイムというのがある。19世紀後半に大人気になった音楽だ。僕はこのピアノの弾き方がなかなかできなくて良く練習していた。どれだけやってもできなかった。

「僕には才能がない。そもそも19歳からピアノを始めている。他の人に勝てるわけがない。」そう思ったのは初めてではない。その度胸の内にしまい、軽い、時には重いストレスと向き合い練習を重ねてた。

アレキサンダース・ラグタイムバンドという曲↓

振り返ると少しだけ始めた頃より上達している。少しだけだが…。そもそもたかだか3ヶ月・半年の毎日の練習でものになるようなものなら悩まない。もし3ヶ月〜半年でマスターできるならなんて世の中はなんてイージーモードなんだろう。

スマホを使えるからといって自慢する人はいない。テレビのリモコンを使えるからといって得意げにする人はいない。簡単に使えるものほどその時代にはそれだけでは価値がない。

世の中に自分なりの価値を作りたいなら時間かけなければ習得できないのはあたりまえだ。だからやる価値がある。つまりなかなか上手くならないことというのはそれだけ価値が高いことだ。今日はこの上手くならないのが当たり前、ということについて頭の整理をしようと思う。

なんでも始めやすい世の中になってる

「絵を描きたい」と思えばすぐにかけるし、スマホで撮ってSNSにアップというアウトプットもすぐにできるようになった。ピアノも五万円も出せばピアノタッチの良い音が手に入る。すぐに始めれる。

何かを始めるハードルというのは確実下がった。YouTubeなどを見れば簡単に学べるしなんでもやれるようになった。これによって「簡単にできるなら自分もやってみようかな」そう思って始める人は多くなる。

ただし下がったのは何かを始めるハードルだけで、自分の習得のハードルが下がることはない。 

環境が良くなっても腹筋はやっぱり100回必要

トレーニングジムが近くにできて、とても安い。どこに行ってもジムがあるのでトレーニングに困らなくなる。昔はなかなかジムがなかったのでトレーニングも簡単にできなかった。今はトレーナーさんがプログラムまで作ってくれる。良い時代だ。

確かにそうだ。周りを取り巻く環境は良くなった。45分かかるコンビニなら自炊するが、3分でいければ毎日買いに行く。

しかし環境は良くなっても、最適なトレーニングプログラムがあっても腹筋は100回しないと筋肉はつかない。環境が良くなったから腹筋は20回でつくようになった。そんなことはない。人間の身体はそんなアップデートはしない。

確かに筋肉が付きやすい人もいるが世の中の環境がどれだけ何かを始めやすく整っても100回の腹筋のハードルは変わらない。「何かを始めやすくなった」からといって「何かを習得しやすくなった」とは違う。

「簡単に始めれる」けど簡単には習得できない。

何かを始めて壁に当たり「才能がないんじゃないか」と思うことはある。簡単に始めれる世の中になったから、簡単に習得できると思ってしまう。しかし、これは違う。

器具やテクノロジーの発達によって簡単に始めれるような環境は整った。しかし上達するためのハードルは昔の高さのままだ。

環境が整い誰でも簡単に手軽に始めれるようになったからといって、その簡単に始めれるようになったものを簡単に習得まではできない、ということはしっかり理解する必要がある。

かかる費用も安くなって、近所にもオンラインにもあって簡単にできる。プログラムも何をすればある程度までうまくなる、という流れも用意してある。だけど、そのうちやってくる壁の高さは変わらない。

この壁の超え方はとても大事なので以前に記事に書いたので興味があればぜひぜひ。

環境が整ったことによって「昔は腹筋は100回してついたけど、今は10回でつく」ということはどんなに時代が進んでも変わらないので「上達するには時間がかかる」というのは当たり前と理解するのは大切。

簡単だと勘違いした瞬間に結果がでないことにすぐに挫折をすることになる。

僕は何かを手軽に始めたけど、習得には時間がかかる、ということは自分で認識してる。だからアイキャッチの絵が上手くなくても気にしない。一年描き続けても仕事できるレベルにはならないと思う。プロってそれ以上毎日やってる人たちの集まりだもんなぁ。

たかだか3ヶ月〜半年、一年、毎日やってもなかなか上手くならないのは「才能がない」からではなくそもそも物事は「すぐには上手くならない」というのを認識したこの3ヶ月〜半年だった。

簡単に習得できないから価値がある

だれにでも簡単にできること、それ自体には価値はない。例えばスマホの使い方を知ってるからといってそこには価値はない。知らなくても誰でも使えるし、わざわざお金を出して習うことでもない。「使っていくうちに慣れる」誰でも知ってることだ。

テレビのリモコンの使い方を教えることで飯を食っている人はいない。いたら知りたい。

昔は本に書いてある情報など大量に知っている物知りさんは価値があった。今のようにググればでてくる世の中ではないため、それだけの情報を知るのは簡単にはできなかった。だから価値があった。だけど、今はググればでる。ググればでる情報・物知り自体には価値はない。

これから大事なのは「その情報を使って何をするか?」という新しい価値を作り出せること。昔はその情報をそのまま伝えるか価値があった。答えがはっきりしている本に変えてあることをそのまま言うだけで良かった。

今は違う。答えがあることには価値はなく、答えを自分で出せることに価値がある。そのためのトレーニングともいえる、意識の持ち方をどれだけしているかはとても大事だと思っている。

僕は毎日22時にジャズの演奏動画にテキスト解説をつけたものを投稿している。僕の「情報を使って何をするか?」の僕なりの答えはこれ。もちろん正解かどうかはわからない。情報をただテキスト解説に載せてるだけでは意味がない。

昨日の更新の動画↓1954年の名曲All of You

だから僕なりに考えてそれ自体をイメージの一貫として使っている。この辺りはまだ手探りのところでもあるのでまだ詳しく書けないが、いつか何を考えてやっていたか、書ける日がくると良いなぁと思う。今はこのような使い方をしていくことで新たな価値の作り方になるのでは、と思っている。

そしてそんな新しい価値を作り出すやり方は3ヶ月〜半年、一年でできるような簡単なことではない、ということも認識している。いつだって何かをやるときは地道なことの繰り返し。すぐに結果のでない「やる意味あるの?」の繰り返しだと思っている。

ただやってることを楽しみながら自信を信じて今日も投稿する。僕の腹筋は10回ではつかないから。

毎日ジャズピアニスト。毎朝6:30〜コーヒーとジャズと演奏生配信。演奏動画にテキスト解説。みてるだけで音楽教養かも。かねこのジャズチャンネル。チャンネル登録よろしくね(✿︎´ ꒳ ` )↓

日々のつぶやきは、

毎日ジャズピアニストかねこ

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