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子供の自尊感情を支える

メンタルの不調をきたす要因となる自己肯定感について取り上げたいと思います。
その中でも自尊感情について、参考になる学びがありましたので、その内容をまとめたいと思います。

自尊感情について知ることで言葉かけに対する意識も随分と変わります。

〇自己肯定感は6つの感でできている

①自尊感情 
自分には価値がある

②自己受容感 
ありのままの自分を認める

③自己効力感 
自分にはできる

④自己信頼感 
自分を信じられる

⑤自己決定感 
自分で決めている。

⑥自己有用感 
自分は何かに役に立っている。


〇自尊感情


自分を尊ぶ感覚
①社会的自尊感情
認められたり、褒められたり、優れていると実感できたり、価値があると思うことで向上
状況依存的

②基本的自尊感情
あるがままの自分を受け入れて、自分をかけがえのない存在として、丸ごとそのまま認める感情
非状況依存的

社会的自尊感情は根拠がある自尊感情です。評価を受けたから自分には価値がある。という風に自尊感情の背景に根拠があります。

自尊感情とは 近藤 2013




基本的自尊感情を聞いたときに明石家さんまさんの座右の銘「生きてるだけで丸儲け」を思い出しました。ありのままの自分の存在を受け入れられる感情であり、根拠がない自尊感情です。

一方で社会的自尊感情は根拠がある自尊感情になります。『スポーツができる私は素晴らしい。』『勉強ができる私は良い。』などです。
評価や状況に依存的です。
逆にいうと評価を得られないと存在価値を見出せない可能性が高いのです。従って、土台となる基本的自尊感情が低いが、社会的自尊感情が高い場合はミスや失敗を恐れます。また、何かのきっかけで不登校になったり心身の不調を招く危険性もあります。しかし、普段の生活ではとても良い子なので、その我慢に気づきにくいのです。
逆に基本的自尊感情も社会的自尊感情も育っている場合は、失敗を恐れずにチャレンジすることができます。チャレンジして失敗し、評価を得られなかったことで存在価値を見出せないわけではないからです。

〇社会的自尊感情が高めるほめ方

言葉と感情をセットで伝えることが大切です。
すでに基本的自尊感情が高く、社会的自尊感情が育っていないケースでは、著しい成長が期待できます。



1. ポジティブなフィードバックを与える
〇方法 小さな成果や努力を積極的に認めて、ポジティブなフィードバックを伝える。
【声かけ例】「君の意見は本当に大切だよ。いつも考えてくれてありがとう。」や「そのアイデアは素晴らしいね!チーム全体に良い影響を与えているよ。」

2. 具体的な貢献を強調する
〇方法 その人がどのように社会や集団に貢献していると具体的に伝える。
【声かけ例】「あなたの発言がみんなにとってとても参考になりました。」や「このプロジェクトが成功したのは、あなたがリーダーシップを発揮してくれたおかげだよ。」

3. 他者とのつながりを強調する
〇方法 自分が周囲の人々とつながり、支え合っていることを感じさせる。
【声かけ例】「みんなで協力し合えるのは、君がしっかり周りを見てくれているからだね。」や「君の存在が、私たちにとってどれだけ大きな力になっているか考えてみて。」

4. 個別の強みを認識する
〇方法 その人の強みや特技を認識し、それが社会にどう役立っているかを伝える。
【声かけ例】「あなたのコミュニケーションスキルがあるおかげで、みんながうまく連携できているんだよ。」や「君のクリエイティブなアイデアが、プロジェクトに新しい視点をもたらしているよ。」

5. 自分の価値を自己認識させる
〇方法 自分が社会にとって価値のある存在であることを自己認識できるように促す。
【声かけ例】「君がここにいるだけで、みんなにとってどれだけ安心感を与えているか考えたことある?」や「君の努力が周りにどう影響しているか、自分でも気づいているかな?」

6. 他者の尊重をモデルとして示す

〇方法 他者を尊重する姿勢を示し、尊重される感覚を体験させる。
【声かけ例】「お互いに尊重し合えることが、私たちが一緒に成長できる理由だと思う。」や「君の意見を聞けるのは、本当に嬉しいことだよ。」

これらの方法を使うことで、個人が社会における自分の価値や役割を実感し、社会的自尊感情を高めることができます。

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〇基本的自尊感情の高め方

基本的自尊感情はありのままの自分を受け入れることができているか?が大切です。社会的自尊感情と同じように褒めても『自分なんて褒められるわけがない』と逆効果になってしまいます。

●感情を受容する

「自分が今、感じている感情は間違っていない」
自然な感情を我慢させない。まずは受容することが大切です。「泣くな」「我慢しろ」によって感情を出すことはいけないこととなり、感情に蓋をしてしまう。蓋する癖が染みついてしまうとなかなか抜けない。

ネガティブな感情も受容することは子供本人が自分の感情に気づくことにつながります。気づいて言葉にすることが基本的自尊感情を高めたり心の回復力を高める第一歩なのです。

●ネガティブな感情への対処の仕方は教える

ネガティブな感情を受容しても、そのネガティブな感情に対処するために他害や自傷で対応することはよくありません。感情は受容しても、対処行動は適切に指導が必要です。

●お世辞を言わない

褒めてもネガティブに受け取ってしまいやすいので、この人はお世辞は言わないな。という関係性を築いていく必要があります。
社会的自尊感情の場合は感情と言葉をセットで褒めることが大切です。しかし、基本的自尊感情は淡々と伝えていくことが大切なのです。

●無条件の愛
『何かができる』から、成長したから価値があり、嬉しいことの『前』に、
あなたがいることに価値があり、嬉しいことを伝えることが大切です。

〇まとめ

自尊感情にもさまざまな種類があります。心身の健康を支える土台といえます。自尊感情が崩壊してしまうと体調不良をきたすことになります。
ただ褒めれば良いというわけではありません。
子供の土台の部分を育んでいくためには、自尊感情についても詳しく理解して、アプローチ方法を知る必要があります。

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