教師は脳のことを学ばないと子供の見方を間違える
A・ジーン・エアーズ著「発達統合の発達と支援」を読んで得た知識を勤務している特別支援学校で実践したら、子供の実態把握やアセスメントに大いに役立ちました。
人間が何かアクションをおこしたり、学習したり感情の起伏があるのは脳が起点となります。その起点である脳の機能や構造を教師はよく理解しておくことが大切です。
〇脳に入ってくる情報(感覚)の交通整理ができていないことを理解する
脳には神経回路があります。神経回路を様々な情報(感覚)が行き来しています。
神経回路が道路で情報(感覚)が自動車だとします。道路の本数が少なかったり、うまくつながっていないと自動車は渋滞を起こします。逆に高速道路ができたり、新しい道が開通することで自動車の渋滞は解消されます。
脳の神経回路も同じことが言えます。困っている子供の中には脳に入ってくる情報が渋滞を起こしている子供もいるのです。
〇「ゆっくり」が大切
困っている子供に「早くしろ」といっても脳の中で情報を処理できていないので、行動しようがないのです。
ですから、その脳の機能的な困り感を教師は理解し、「早くしろ」ではなく「どのようにしたら脳の処理がスムーズにいくのか?」を考えなければなりません。
私も関わる生徒の中に身辺自立が難しい子供もいます。靴を履くのにも支援が必要です。現状、靴を履く際に足をあげることはできます。ですが、足を上げることがすぐにできないときもあります。その時も「ゆっくり」待ちます。難しそうであれば、生徒に上げてもらいたい足をこちらが触ったり、少し持ち上げたい方向に私の手で生徒の足に力を加えるて、何とか最終的に自ら足を生徒自身で上げられるようにサポートします。
教師が自分の感覚でことを進めるのではなく生徒のペースを理解することが大切です。生徒のペースを理解するためには、生徒の脳の中でどんな不具合が起きているのか想像を膨らまさないといけません。
〇脳のことをよく知っておくことが必要です。
私も脳のことを理解してから、生徒たちに行動を促してから、即座に行動が起こることを求めなくなりました。
まずは、指示を出してからの生徒の様子を観察し、待つことを心がけます。その観察中には指示は通っているのか?何か困っていないか?つまづいているとしたら、どの段階で躓いているのか?を考えるようにしています。
その観察にも脳の中に入ってくる情報がどのようなプロセスを経て入力されているのか?を知ることが重要です。
脳のことを理解するためにもA・ジーン・エアーズ著「発達統合の発達と支援」は大変学びになりました。
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