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Co-Design; ツールボックス-創造性へのアクセス

Co-Designアプローチでは、ツールおよびそのテクニックが非常に重要になります。ちなみによく混同される単語の関係性としては、下記のようになります。日本語でよく用いられる「手法」というのは、 Tools(Toolkitsはその集合体)=何をするか +Techniques=どう行うか、を総体として見た"Methods"に相当します。

また下記の図において、重要な部分としてそれぞれのアプローチの根底にあるアティチュードがそのメソッドの取扱いに影響する、というのがこの図から見て取れる重要な学び。つまりメソッドを取り扱うときの変数として、WHY(何のために)やWHEN(コンテクスト)だけでなく、WHO(誰が)を考慮することが重要です。同じメソッドを同じ目的の元、同じ文脈で活用しようとしても、どんなスキルや熟練度およびアティチュードを持った人が使うのかで効果が変わってきますが、この"誰"は見落とされがち。自己を鑑みて、メソッドのあり方に変化をもたせることで効果を最大化できるのだと思います。
ともかく、この記事で取り扱うのはこの図の中のToolkitsのご紹介にあたります。

Co-Designのツールの特徴

Co-Designのツールにおいて特に重要な共通する特性しては、例えばこんな感じ。

・主に言葉でなくビジュアル言語を活用した生成的ツールとなる
・人々に個人の経験やその感情的側面へのアクセスを容易にする
・描いたイメージに潜在的欲求を"投影"することを可能にする

こうしてみるとCo-Designのツールの特性が、Co-Designの根底に流れる思想を具現化するためのもの、というのがよくわかります。全ての人はクリエイティブであり、すべての人は"夢"を持っている、という思想を実装するために、創造性と夢の写実へのScaffold(=足場かけ)として機能することを前提にします。例えば、感情にアクセスしやすくするPhoto/Movieを活用し、ポジティブ感情によるフローリシング状態(雑に言うといきいきとした状態)へ導くダイアログセッションを行ったり、インプロ等により身体的感覚との接続したり、どうしたら人の創造性にアクセスできるか?という問いと切り離せないものです。

では、実際にどんなツールを用いるのかというと、実際には無限にあるっちゃあります。一定の型はあれど常に同じものを毎回用いるというよりは、カスタムメイドする場合も非常に多いゆえですね。例えば同じツールでも、対象が子供なのか老人なのかで120%、ツールメイクの方法が異なってきます。
その無数のツールの中で基礎となるものをフレームにまとめたものが👇になります。

Co-Designのツールと分類

Make, Tell and Enactという3つの主要カテゴリを設けてまとめています。そしてそれぞれのカテゴリは、流れでみたときに、MakeからTellへ、TellからMakeへ、といったように1つのツールを用いたアクティビティから次になめらかに繋がるようにまとめられています。例えば創作が苦手な人がいる場合、TellとEnactを用いて異なる方法で自己の夢を投影してもらうことも可能です。ちなみに、実際にはそれぞれのツールは1つのカテゴリにすっきり当てはまるわけではなく、他のカテゴリにもまたがることはリズ・サンダースも述べています。(参照)

🔨Make (創作)🔨
👉非デザイナーがタンジブルなオブジェクトを作るためのツールキット
Ex:コラージュ、マップ、プロトタイプ(紙やレゴ)
💬Tell (対話)💬
👉ストーリーテリングや対話など言語活動のサポートツールキット
Ex:日記、切り抜き写真、カード
💃Enact (試行)💃
👉身体を用いたプレイフルな活動や演劇から投影を促すツールキット
Ex:インプロ、デザインゲーム、実物大プロトによるロールプレイ

もしくは、大きな目的に依る大別も可能です。
この場合は、認知的生成と感情的生成の2種類に分けられます。

認知的生成ツール
👉人々が物事や出来事をどう認識し理解しているのかを表現してもらい探求を可能にする
感情的生成ツール
👉人々の感情や想い、未来に対する希望を思い起こしコミュニケーションを可能にする

ツール作成時の注意

上部では、文脈だけでなくツールのファシリテーターおよびツールの使用者を考慮する必要があると言いました。さらに、曖昧さ/余白が何よりツール設計時に重要となります。例えばラフな創作を促すツールと精緻な創作を促すツール、どの粒度を目指すのか?粗ければダーティプロトタイプには向くけど、深い投影は促せないかもしれないのではないか?など、常にそのツールがどう作用するのかを想像し、実験しながら進めることが必要です。

どうしたら一番、普段は表出しえない思考や感情を引き起こすことができるのか、もちろんこれも状況的な影響を受けますが、1つのあり方としてはチョムスキーの生成的文法を良いお手本として、限定的な要素から、無限のあり方の表現方法が生まれてくるような設計とあります(参照:Routledge International Handbook of Participatory Design)。これは以前書いた道具を創るための道具を創る余白・解釈・美で述べたことと繋がってくる。ふろしきなんてのが善い例ですこの絶妙なバランス感覚はまさに実験を通した身体知にしていくべきところ。

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