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ブラジル

南米に上陸し、ブラジルのマナウスに到着。このマナウスはアマゾン河の玄関口になっています。今まで、ユーフラテス河、ガンジス河、多摩川といろいろな河を見てきましたが、この河はスケールが大きいです。でかくて、長いので、乗ってきた飛行機からもばっちりと形が見えました。

宿に着いて荷物を出すと、シャンプーの容器が気圧で破裂して漏れていました。前は歯磨き粉が漏れて、石けんとコラボレーション。その前はムヒと風邪薬がいい感じに混ざりあっていたので、かゆみと頭痛に効くかもしれないです。

さっそく、翌日にアマゾン河の1泊2日ツアー(ピラニア釣ったり、ワニを捕まえたり)を申し込みます。このマナウスという街は、移動手段が船なので(車やバスなども、でかいイカダに乗せて運んでいます。見た目は駐車場が河に浮かんでる感じです)、アマゾン河には船上ガソリンスタンドがいくつか浮いています。ツアーの参加中にそんな風景を何度も見て「これはココでしか撮れないな」と、ビデオ撮影していたら、ツアーの船に置いてきぼりになりそうでした。ブラジル人はノリがいいから、1人ぐらいいなくても平気そうだから怖いです。

アマゾン河では2つの河が合流して1つの河になり、2つの色がはっきりと分かれているのが船の上から見えます。なんでも河の速度が違うので、混じり合わないらしいです。20分ほど船で移動して、そのあと、車で1時間移動。そこから更に井の頭公園の池にありそうなボートで、乗船者の体重の移動で右や左に曲がり、テクノロジーを完全に無視した1時間を過ごします。

風景はアマゾン河とジャングルなので、飽きそうなものだけど、これがなかなか面白かったです。河は小さくなったり大きくなったり、時期も雨期なので、ジャングルも河に浸かっていたり浸かっていなかったりと、同じ素材からいくつもの発見がありました。ただ、たまに急ブレーキをかけるので、カメラを何回か落としそうになり、うかうかしてられないです。

そんな移動を経て、やっと宿泊所に到着します。宿泊所の近くではピラニア釣り。ピラニアをおびき寄せるのに、河の上をばしゃばしゃと竿でかき混ぜます。こうすることで、ピラニアは獲物が溺れていると思いやってくきます。普通の釣りではまずありえない。

他のツアー参加者がどんどん釣れている所で、何も釣れない僕。久しぶりにかかったと思ったら、ピラニアじゃないよくわからない魚でした。ピラニア発生率95パーセントの中で、それを釣れたことは逆にすごいことなのかもしれません。そうやって自分を励ましながら、なんとかピラニアを一匹ゲットします。

釣られたくせに、なんとも凶暴そうな顔しているピラニア。「負けを認めろ、負けを」とつぶやく僕。そういえば、他の参加者がピラニアを針から外そうとした時に噛まれて、血を流していました。釣った後も、緊張感が走るピラニア釣り。その河でノリノリに泳いでいるブラジル人。

昼食を終えて、またボートで移動。ジャングルに向かいます。アマゾン河は流れがあまりないので、湖に浮かんでいる気分になります。また河の水もきれいに空を反射するので、シンメトリーな世界がそこにあります。

ジャングルでは、ボートの上から野生の猿を見ました。ガイドが口笛を吹いたりして、猿を誘き寄せているのだけれど、ピラニアの刺激に比べて退屈になり、気づいたら睡魔が襲ってきます。眠くて、眠くて、ボートの上で何回か落ちそうになりました。途中でイルカが見えてきて、なんとか起きだします。遠目からだけど、イルカはとてもとても優しそうに泳いでいて、そして、なぜかピンク色でした。

宿泊所に戻り、陽も暮れだしたころ、ワニを捕まえに行きます。ワニの目は光に反射するので、懐中電灯で反射した所をガイドが素手で捕まえるようです。暗闇の中、ボートの上から懐中電灯を照らして、ワニを探すガイド。「本当にこんな事で見つかるの?」と、半信半疑でしたが、茂みの方で目がキラキラと反射しているものを見て、黙ることにしました。

ガイドが光を照らし「ココだ、ココだ!」と合図を出すと、もう1人のブラジル人がモーターで向きを変え、そちらのほうに進みます。ボートの先端で、手と頭を前に出して、一直線でワニに向かうガイド。ワニもそこまで馬鹿じゃないので、すぐに逃げ出します。

ワニのサイズが携帯電話ぐらいの本当に小さいサイズを狙っていると思ったら、どうもガイドは一升瓶ぐらいの大きさを狙っていました。万が一、ガイドが取り損ねて、こちらのボートにワニが乗り込んできたらと思うと、かなりスリリングな展開です。途中、ガイドが「ココだ!」と懐中電灯を照らし、向かおうとしたら、急にボートを止めた時がありました。本気で大きいワニだったみたいです。

結局、ガイドが捕まえたワニはカラーコーンぐらいの大きさでした。口としっぽを抑えられたら、されるがままのワニ。僕も持たせてもらいましたが、案外、かわいいヤツでした。みんなにバトンのようにまわされ続けたワニ。指とかお腹などを触られ、性別までみんなの前で公表され(ちなみに女性)、ガイドの説明が終わると、ようやく河に帰されました。1日目が終了です。

深夜トイレに行きたくなり外に出たら、半端じゃない星空がアマゾン河を照らしていました。さっきまでは曇っていて分からなかったけど、本気のアマゾン河の夜空はとんでもないことになっていました。星が見えすぎて、ちょっと夜空が汚かったです。

次の日はジャングルツアー。ジャングルの中を2時間トレッキングします。ありえない大きさの木や葉っぱがうねっていました。途中、ビデオ撮影していたら、周りに誰もいなくなり本気で焦ります。「やばい、死ぬ」と、木々の中をダッシュしたら、ようやく人影を発見。それからはガイドの後ろを歩くことにしました。

歩いて、20分程で大雨が降り出します。この大雨はずっと止まないで、ツアーに参加してる欧米人や僕は黙々と、大雨のジャングルの中を歩き続けます。途中でガイドが右に行こうか左に行こうかと迷っていたりすると、みんな、かなり複雑な顔になっていました。

ずぶ濡れで宿泊所に戻り、昨日、釣ったピラニアを昼食で食べます。白身魚の味がしておいしいのだけど、するどい骨ばかりで身がなかったです。食べられても、まだ困らせてきます。その後、ボートと車と船で乗り継ぎ、夕方、マナウスの街に戻りました。

マナウスという街しか知りませんが、ブラジル人はいい人が多いです。道を聞いたり、値段を聞いたり、なにか尋ねるたびに、親身に教えてくれます。道を教えるのにもわざわざ付いてきて、場所もわかり、お金でもせびってくるかと構えていると「じゃあーな、アミーゴ!」と最高の笑顔で去っていきます。あんた、格好良すぎだよ。

ポルトガル語が脳みその片隅にも不在なため、よく絵を書いてました。蚊に刺されてかゆみ止めが欲しい時は、腕の絵を書いてそこに蚊がブーンと飛んでチクッと刺した後、蚊はどこかに飛んでいく絵。そして、腕にはかゆみ(これは絵では描けないので、その場でボリボリと自分の腕をかく)が残るジャスチャーをすると、薬局屋のおじさんは「わかった」と言って、虫除けスプレーを持ってきてくれます。

「いや、もう手遅れなんだ」と思いつつ、絵の蚊を指差して「刺した!かゆい!」と、またボリボリ、ボリボリと体全体をかいていたら「おまえはアレルギーか?」と言われます。結局「かゆみ止め」は理解してもらえなかったけど、笑顔で対応してくれました。

アマゾン河にはでかい淡水魚がゴロゴロいるため、マナウスの魚市場には淡水魚が山のように並んでいます。その中でも有名なのはピラルク。全長が2〜3メートルほどで、昔は5メートルぐらいのものもいたらしいですが、捕獲しすぎた為、いなくなったようです。でかすぎるから、そのままの姿では置いておけなく、長方形に切られ、塩漬けにされ、のり巻きのようにたたまれています。どう見ても、元が魚だったとは思えない形になっています。

さまざまな魚を観光客がカメラで撮ろうとすると、市場のおじさんやお兄さんはノリノリでポーズをとってきます。でかい魚をビデオカメラで撮っていたら、近くのおじさんが「これを食わなきゃ、撮ってはダメだ!」と言って、ピラルクの刺身を渡してきます。
 
「いやいや、無理、無理」と言うと、手をレンズにかざして「撮っちゃダメだからね」と、やってきます。仕方がないから、大トロのようなピラルクを口に入れると、なかなか噛み切れません。おじさんは僕が食べたことで、満足して手をどかしてくれます。

逆にその魚を近くのお兄さんに持たせて、ポーズをとれと言っています。撮り終わり「ありがと!」と言い、離れた場所でナマピラルクを吐き出しました。アマゾン河の生魚は100パーセント寄生虫が潜んでるので、このあと、とてつもなくお腹の調子がゆるくなったのは気のせいではないと思います。

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