見出し画像

ハンガリー

ハンガリーの首都ブタペスト。宿泊していた安宿で韓国人と仲良くなり、僕を含めた日本人2人と韓国人2人で、公平にみんな英語で会話をしていました。日本人に「ホント?」「今日はどこに行ったの?」「君の肌は黒いね」と、日本人に英語で会話するのがこんなに恥ずかしいとは思わなかったし、最終的に「Yes」しか言わなくなりました。

『朝、バスをキセルしたら、おばさんに捕まる。知らなかったと言っても通じなかったが、バスが急ブレーキをかけて、おばさんがすっころんだところを助けたら、逃がしてくれた』

ハンガリーにいた時の日記を読み返してみました。内容はバスの切符の買い方がよく分からず、バスに乗り込んでから注意書きを見ていると、キセルをした者は罰金として切符の値段の10倍を払うと書かれていました。それを読んでいたタイミングで、制服を来たスタッフのおばさんが「あんた、切符は?」と言ってくきます。

「うーん。持ってないというか知らなかったんだ」と言っても「はい、パスポート見せて。あと、罰金も払ってもらうからね」と事務的なおばさん。「今はパスポート持ってないし、本当に切符の買い方が分からなかったんだよ」と、パスポートも持ってるし、切符の買い方も調べないで罰金だけは払うまいと粘る僕。

その時、バスの突然の急ブレーキで、親の敵みたいな顔して僕をにらんでいたおばさんが思いっきりケツからコケました。その様子を見て、バスのドアも開いていたから逃げようかなと思ったけど、コケているおばさんがみじめに見えたので、もっとみじめにしてやろうと思い「大丈夫?大丈夫?けがはない?本当に大丈夫!?」と、これみよがしに大声で言いました。全然、心配してないのに。

恥ずかしさで顔が真っ赤なおばさんは「大丈夫だから、あんた、早く出てってよ!」と言われたので堂々とバスを降りて行きました。こんなこと言いたくないけど、本当に嫌なやつだな、僕。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?