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失敗は成功のもと/Failure teaches success.

執筆を依頼された、福島民報「民報サロン」の記事をアーカイブとして、noteにも残すことにしました。2020年7月11日分です。一部段落構成は記事から変更しています。

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私は両親がアメリカに住んでいた影響で、小さい頃から英語が身近にありました。父親が仕事で英語の電話をしたり、海外に行くと両親が外国人と楽しそうに話している姿を見て育ったことで、自然と同じようになりたいと思うようになり、大学では英語をメインに勉強しようと、東京にある国際基督教大学(ICU)への進学を決めました。


大学3年次には念願の交換留学をイギリスで経験しました。旅行や短期留学で海外に行ったことはありましたが、長期で一年間海外に住むのは初めてでした。

日本人であり、アジア人である自分が圧倒的にマイノリティになる環境は、想像以上に負担が大きく、ホームシックにもなりました。さらに自分の英語が全然通じなかったり、相手の発言が理解できなかったりと、特にネイティブと話すと落ち込むことが多く、次第に彼らと話すのが恐くもなっていきました。

英語が嫌いになることは決してありませんでしたが、間違いを恐れて、ネイティブとの会話を避けようとする自分を情けなく感じていました。当時の私は人前で文法や単語、発音を間違える度に、「きっと周りのネイティブに馬鹿にされている」と思い込み、人前でのミスや失敗を恥ずかしいものだと考えていました。


そんな時に仲良くなった、現地の大学で日本語を学ぶ、イギリス人の友人に言われたことが胸に突き刺さりました。「そんなに他人の評価を気にしてどうするの?あなたの英語が上手いかどうかなんて、ほとんど誰も気にしていないよ。」ある程度自信を持って留学に来ていた私は、これを聞いてショックを受けましたが、それ以上にハッとさせられました。

私は他人の目を気にして、恥をかかないための完璧な英語力を求めるあまり、自分の未熟さと傷ついたプライドから目を逸らしていたのです。そして英語を勉強するための最高の機会を、日々台無しにしていました。

旅の恥はかき捨てと言いますが、留学や英語学習も似たようなもので、小さなミスをいちいち気にしていては、成長も何もありません。

その友人はいつも英語で話すと、勉強のために私の間違いを全て指摘してくれました。初めは指摘の数も多く悔しかったですが、間違いを繰り返しながら、徐々に上達してくると英語で話すのが次第に楽しくなっていきました。

私はこの時初めて、周りからの評価を気にするあまり、人前での失敗を恐れていたことに気がつきました。

同時にこれをきっかけに、自分の中で「挑戦」に対するハードルが下がったのを感じました。ここで言う挑戦とは、失敗や間違いを恐れずに自分が正しいと思う行動を起こすことです。


私も岳温泉に来てからの二年間で様々なことにチャレンジしてきましたが、計画通りにミスのない完璧な結果を出せたと言えるものは、恐らくありません。裏で私自身もまた、小さな失敗や悔しい思いをしてきました。

しかし、たとえ失敗をしたとしても、素直に反省して次に活かすことができれば、それは同時にとても貴重な学びになります。

まさに失敗は成功のもとーFailure teaches successーどんな経験も自分の糧になると信じて、これからも自分なりに行動し続けたいと思います。

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