「有限会社」で有り続けるということ
兄に用事があり、兄の会社へ行った。
用事のついでに少しだけ雑談をした。
そこで「有限会社を止める」という話を聞いた。
今回は、もはや新たに誕生することはない「有限会社」について書き綴っていく。
有限会社とは?
2006年以前には、会社の形式の主流は「有限会社」と「株式会社」だった。
それ以降、「有限会社」という形式が廃止されたため、新たに登場することはなくなった。
有限会社と株式会社は何が違うのか?
かつては、有限会社には資本金300万円以上、株式会社には資本金1000万円以上という規制があった。
これが段階的に緩和され、2006年に資本金の規制は無くなった。
そして、今となっては、有限も株式も殆ど何も変わらない。
細かい点で少しだけ有限会社の方が免除される点があるくらいだ。
兄の会社の場合、父から受け継いだ会社が有限会社だった。
私も最初に立ち上げた1社目の会社は、有限会社だ。
2社目以降は、有限会社は選択できず、株式会社となっている。
なぜ有限会社のままなのか?
有限でも株式でもどちらでもいい。
こだわりはない。
社名を変更する機会があれば、その時に株式会社へ変える。
そんな経営者が多い。
しかし、もう一つ多いパターンがある。
「有限会社は昔から営業している会社」というイメージを大切にしているパターンだ。
実は、私も兄もこのパターンだった。
ここ最近に起業した若者でもなければ、有限会社は「一定以上の営業年数を持つ」というイメージがあるはずだ。
企業間取引を行う会社にとって、このイメージは重要なこととなる。
だから、あえて株式会社へ変更する必要はない、と判断するわけだ。
なぜ株式会社へ変更するのか?
会社の吸収・合併などを行う場合、株式会社へ変更する必要がある。
しかし、兄の会社の場合、それには当てはまらない。
その理由を聞いたところ、「若い世代の採用のため」だという。
若い世代は「有限会社」に馴染みが薄い。
馴染みが薄いということは、求人広告の結果にも影響があるのではないか?
「有限会社って、何だ?」と疑問が浮かんでしまうかもしれない。
そう考えたらしい。
もちろん「有限会社」というものを理解している若い世代もいる。
しかし、仮に「有限会社」のイメージに以下の点が当てはまらないだろうか?
・家族経営
・ワンマン経営
・考え方が古い
実際は、有限も株式も差など、殆どない。
しかし、この印象を一定数の若い世代が持っているのであれば、株式会社へ変える必要性もあるのかもしれない。
「有限会社」が新しく生まれなくなって、18年になる。
ちょうど高卒が社会へ出ていく年数だ。
そう考えると、今、このタイミングでの「株式会社への変更」は合理的のように思える。
私も、有限会社から株式会社への変更を検討してみようと思う。
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