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【ブルーオーシャン】に飛び込む意識高い系の人たち

ビジネスの世界では、競合が多い市場のことをレッドオーシャンと呼ぶ。
それに対して、競合が少ない市場のことをブルーオーシャンと呼ぶ。
隣の芝が青く見えるように、ブルーオーシャンでは自分が無双できるような気になる。
特に「意識高い系」と呼ばれる人たちの中には「ブルーオーシャン」という単語を5分に一回くらい口に出す人もいる。
今回は、そんな夢のようなブルーオーシャンが如何に寒過ぎるかについて書き綴っていく。


なぜその海は青いのか?

ブルーオーシャンには、競合がいない。
しかし、過去全てに渡って誰もそこに飛び込んでいないのか?
意識高い系の人の中には、そう考えられない人が多く見られる。

そのブルーオーシャンには、そもそも獲物がいないのかもしれない。
ブルーオーシャンが青いままの状態でいるのには理由がある。
まだ誰も知らないブルーオーシャンなど、なかなか出会えるものではない。
まだ誰も知らなくて、充分な獲物がいるブルーオーシャンなど、稀有な存在だ。
完全な日本地図のある経済が成熟しきった日本国内で探すのは、極めて難しいことと言える。

なぜその海は赤いのか?

レッドオーシャンに流れた赤い液体は、競合のものだ。
決して、狩られた獲物のものではない。

多くの競合が飛び込み、他の競合に負け、赤く染まったのがレッドオーシャンだ。
逆に言えば、レッドオーシャンには、それだけの大きな魅力がある。
充分な獲物がそこにはいる。
市場が既に育っている。
自分で市場を育てる必要がない。

飛び込むのなら、レッドオーシャンへ

資本の少ない挑戦者は、レッドオーシャンへ飛び込むべきだ。
そして、なるべく深く潜る。

所帯の大きい競合は、深い所まで追って来ない。
その深さでは、エサが足りなくなるからだ。

中堅どころの競合も、どこかの深度で諦める。
それでもさらに下の階層を目指す。

そうして気づけば、そこはきっと青い海だ。
安心して泳いでいられるだろう。

ブルーオーシャンはなぜ寒いのか?

ブルーオーシャンは、まだ市場が育っていない。
その中でじっと待っていても、獲物は来ない。
競合はいないが、獲物もいない。
そんな状態であることが殆どだ。

ブルーオーシャンの中に獲物を引き寄せるには、大量のエサが必要だ。
この場合、エサとは資本となる金だ。
エサを狙ったところにピンポイントで投げつける高度なテクニックも必要だ。
これをマーケティングと呼ぶ。

大量の広告費、高度なマーケティング戦略を持って、はじめてブルーオーシャンへ飛び込む準備が整う。
それでいて、エサを引き寄せられる可能性は、かなり低い。
歴戦の経営者は、これを「ベンチャー」と呼ぶ。

多くの歴戦の経営者は、ベンチャービジネスをしない。
ブルーオーシャンの温度を知っている。
自分と自分の会社の能力では、ブルーオーシャンに市場を育てることができないことを熟知している。
仮にブルーオーシャンを育てることができたとしても、その後、すぐに巨大資本の海賊船がやってくることは分かり切っている。

これがブルーオーシャンが青く見え続ける理由だ。


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