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【宇宙杯】勝手に、まるやれい賞。

ただいま、宇宙杯は予選投票開催中であります。
今回もみんなの俳句大会にはたくさんの素敵な句が集まっておりましたね。
きっと、自分の好きな句が見つかるはず。
まだ投票してないよって方は、
どうぞ、こちらからいってらっしゃいませ。

さて、
タイトルにあるように
本大会とは全く関係のない私設賞を作ってみた。
私の独断と偏見で選んだ句たち。

……迷ったんよね。
私が選んでよいものかと。
やけど、感じる作品があることは確か。

なので、
まるやれい賞を出してみよう思う。

もし、不愉快な表現、こんな気持ちで俳句作っとらんわ、などなど的外れなことが表記されておりましたら、コメント欄にてお申し付けくださいませ。

それでは、発表します。


ママがすきいちごほっぺのキミがすき

うん。
可愛い。響きも可愛い。字面も可愛い。
私の大好きな『可愛い』が詰まった句。
見てるだけで、
文字がピンク色とか赤色に染まったように見える(病気じゃありません笑)
『いちごほっぺ』
この言葉で子供の頬がいっきに愛らしくなる。
ほんのり赤くなっている子供のほっぺた。
もしかしたら、苺をたくさん食べて苺の果汁がついてしもたんかな(笑)
ほっぺたいっぱいにいちごを詰め込みすぎて膨らんどるんかな(笑)
なんて、想像も膨らむ。
どストレートに、『すき』の言葉で
この句の可愛らしさが爆発しとるね。
のりこさんとお子さんの気持ちが通っているのが伝わってくる一句。
素直な言葉、素直な気持ちにこちらの頬も心も緩みました。



チューリップ小さき夢の祈りかな

小さき祈り。
チューリップの花びらがまるで手を合わせて、
空に祈りを捧げているような情景が浮かんだ。
麗らかな春の光が、希望に見えた。
柔らかなチューリップの花びら。
ピンク、黄色、白……春色に染まる花びらたち。
そんな、
あたたかな花びらの中にある、優しい祈り。
ひとひとりができることは限られている。
だけど、
世界中の人々が祈りを捧げることで、
その祈りは空で繋がり世界を包み込むほど大きくなっていく。
未来は希望に満ち溢れていると思わせてくれました。



不登校旅立つ朝に春の虹

雨に濡れた世界に架かる虹。
きらきらと春の光に照らされて、
新緑色の木々もコンクリートも煌めいている。
祝福の朝。
なんて、晴れやかな気持ちになる句なんだろう。
riraさんとお嬢さんが二人並んで空を見上げる姿、
お二人の瞳の中に映っているだろう春の虹を想像した。
みなさまもご存知の通り、
条件がそろわなければ虹は現れない。
それは、きっと人生も同じ。
楽しいこと、幸せだなって思うこともあれば、
思い悩み、苦しみ、後悔することだってある。
そうやって紆余曲折しながら、
ひとつひとつ気付きを得て人生を歩んでいく。
ここでいいのかな。
これであってるのかな。
大丈夫だよね。
違うのかな。
時には、投げ出したくなるときだってあるだろう。
だけれど、
地道に自分と向き合ってきた人だけが
見ることのできる景色があると私は思う。
泣きたくなるような、誇らしいような、
安心するような……様々な思いが――色が重なり合う景色。
riraさんが自分自身と、お嬢さんと真正面から向き合ってきたからこそ見えた美しい世界を俳句を通して感じ、私まで勇気をいただいた。



春めいて羊水に浮くきみの鼓動おと

生命の神秘という言葉がぴったりで、
我が子を愛おしく想う気持ちが伝わってくる一句。
新たな生命が息吹く春。
厳しく寒い冬を耐え忍んだ生き物たちが待ちわびたあたたかな春。
それは、十月十日、
お腹の中で育つ子供の誕生を待ちわびる母親の心情と通じるものがある。
妊娠期間中、母親になろうとしている女性はわくわく、どきどき――楽しい気持ちだけで過ごしているわけではない。
悪阻との戦い。
何気ない他人の言葉に一喜一憂する日々。
会社勤めならば、無理して働いている妊婦さんもいることだろう。
無理を重ねてストレスをためれば、
切迫早産する可能性だって出てくる。
多くの妊婦さんは自分の身体、というより、子供のことが心配になる。
子供は元気に育っているだろうか、
無事に生まれてきてくれるだろうか、と。
楽しいこともあるけれど、やはり不安はつきもの。
そんな、様々なことがある妊娠期間を経ることによって
母親は強くなり、我が子の存在がさらに愛おしくなる。
愛が拡大していくのだ。
目には見えない母親の愛。
ひろみんの句をよんだあなたも、
目に見えぬ偉大なものを感じて、
幸福感に包まれた感覚になるのではないだろうか。



認知症の背をなぜるごと桜散る

認知症のお父様への想いが込められた句です。
お父様の背中を撫ぜるように散る桜。
春のあたたかさだけではなく、
お父様の背中から体温も感じる一句。
生きている温もり。
生きているからこそ感じられる温もり。
そして、消えゆく記憶と散りゆく桜も重なって、
優しさの中に切なさも、じわりと滲んでくる。
人間は忘れているように思えても、
すべて記憶に刻まれているそうです。
目で見たもの、聴いたもの、何気ない言葉も、すべて。
持って生まれた身体が記憶しているのではなく、
魂に記憶が刻まれているのだと。
「今日を覚えていてほしい」
そう綴っていたチズさん。
チズさんと過ごした日々、
チズさんと交わした言葉、
チズさんの優しい温もり、
すべての思い出をお父様は覚えていると私は信じます。



サイレンの街路千年知る桜

かっちーさんのこの句は、私に気付きを与えてくれた一句。
戦争という暗い世界から光を見出す作品に私はハッとした。
胸にくる、作品である。
句から伝わる安定感はやはり、桜の存在だろう。
儚げに花びらを散らす桜は淡々とそこに在るだけ。
じっと移り行く世界を見つめてきた。
どっしりと地に根を張って。
ただただ現世を見つめている桜は、
どんなときも春になれば惜しげもなく花を盛大に咲かせ、
人々に感情を与えてくれる。
心の奥底から泉のように湧き出してくる感情は、
どのような感情でしょう。
喜び? 切なさ? 悲しみ? 憎しみ? 
ただただ綺麗、と感嘆を漏らすでしょうか。
いいんです。
どんな感情でも。
生きているのだから。
世の中に善も悪もないのだから。
そう、桜の木はこれからも世界の移ろいを見守り続けるのでしょう。



次は、短歌を発表いたします。


棄てられし砂上の詩人の肉叢は
薔薇星雲の迸るごと

すてられしさじょうのしじんのししむらはばらせいうんのほとばしるごと

犬柴さんの短歌をよんだ私は衝撃を受けた。
脳裏に浮かんだのは、
無惨に棄てられた遺体。
遺体から溢れる夥しい量の赤い血。
想像すればするほど
残酷である。
しかし、薔薇星雲という言葉の力のすごさよ。
薔薇星雲という言葉の力によって、
生臭い血に煌びやかな星が瞬き、
血の色も赤色だけではなく深みのある紫色や紺色が滲んでいく。
こんなにも悲惨な状況であるのにもかかわらず、
美を彷彿させる短歌に圧倒された。
今でも私の脳裏には
薔薇星雲に横たわる遺体が焼き付いたままである。



以上、まるやれい賞と致します。
長くなって申し訳ない~(これでも削った……笑)
感じたことすべてを私なりに綴りました。
もっとたくさんの俳句、短歌を選びたかったんやけど、
私の脳みその体力が持たんかった……(無念です)

本当に、
宇宙杯にご参加いただいたみなさまの作品は素敵なものばかりでした。
ありがとうございました。
参加されたみなさま、宇宙杯運営クルーより参加賞が用意されております。
お持ち帰りくださいませ。
私は、マサイキリン味をお持ち帰りしとります(笑)

作:しろくまきりんさん。
アイディア素敵すぎ。

そして、最後に。
賞というわけではないけれど、
宇宙杯運営チームのみなさまへ。

私とは、はじめましての方が多かったのにもかかわらず、
あたたかく交流してくれて嬉しかった。

ほんまに、
みんなの底なしの優しさに驚いたんよね。
『なんで、そんなに優しいん』
って心の中で何度思ったことか(笑)
ほんでさ、
ついこの間トラブルあったやん?
そのときのみんなの素早いフォローに、
ただただすげぇって感動しよったん。
すごすぎるやろって(笑)
あったかい言葉も次々と飛び交いよって、
あの空気感は中々感じることはできんやろうなぁって思う。
こんな素敵なチームに携わらせてもらえて、
本当によかったって心の底から思うん。

感謝の気持ちでいっぱい。
溢れてしまう……(笑)

ほんだけん、
宇宙杯運営チームのみなさまに、
私から特大の花束を贈りたい……(笑)

みんな、ありがとう。


*最後まで読んでいただきありがとうございました*

以上、丸家れいでした。



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