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第十一釜 : お兄様がラーメンよりうどんがすきなはずがない。

お世話になります。Marunouchi Muzik Mag 編集長 Sin でございます。

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全然秋が深まりませんねえ。香川県民は、普段うどんと早明浦ダムの貯水率と貯金残高だけを気にして生きているのですが、今年はこの猛暑にもかかわらず貯水率100%をキープしています。うどんと貯金に集中できますね。

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今日の運転サウドントラックはリッチー・コッツェンの "Mother Head's Family Reunion"。とにかくリッチー・コッツェンが好きなんですよ。顔がいい。声がいい。ギターがいい。一言でいえばもうすべてが "尊い" んですよね。

でもね、この人なかなか本気を出さないんです。ちょっとスカしてるというか、超絶ギター神なのにあえてあんまり弾かないオレとか、テレキャスで勝負するオレとか、売れそうな曲も作れるのにあえて地味目な曲で勝負するオレとか、イケメンなのに小汚い格好でオシャレを超越するオレを演出してしまうんですね。わかります。

そんなリッチーですが、ときどきは本気を出します。例えばグレッグ・ハウとコラボした "Tilt" は歴史に残るレコードでした。世界最高峰のフュージョンギタリスト2人の共演ですからインテンスの極まりは当然なのですが、クールなレガートでスケールの実験を繰り返すグレッグと、コード感にこだわりながらエモーションの高まりを抑えきれないリッチーの対比が実に魅力的でした。

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ガンダムの楽曲を無理筋でカバーした日本企画盤 "哀・戦士 ZxR" も非常に良かったですね。ふだんはロッド・スチュワートとかプリンスに寄りすぎて地味道まっしぐらですが、こういう歌モノを歌わせると歌唱の素晴らしさが世間に伝わりやすいですよね。特に森口博子さんの名曲 "水の星へ愛を込めて" のカバーは必聴。

最新作 "50 for 50" は久々の快作でした。50歳の記念に50曲を収録した3枚組。私、全曲聴きました。ストックしていたマテリアルもあるようですが、弾きまくり歌いまくりのがむしゃらなハードロック魂が蘇り迸っています。

フュージョンインストの最高峰 "The Inner Galactic Fusion Experience"。ただ私がこのアルバムでお気に入りなのは、ボーカル入りの "Tramp" なんです。彼のギターとシンクロするスキャットが大好きなんですよね。リッチーくらいギターと一体化したアーティストってほとんどいないですよ。奔放なスキャットはその証明書。

マザーヘッズはまだあんまりスカしていなかったからこそ名盤なんですが、その中でもモータウンのカバー曲 "Reach Out I'll Be There" にはリッチー・コッツェンのすべてが詰まっています。アトマ・アナーの躍動するグルーヴに乗って、白のロックと黒のファンクが完璧な婚姻を遂げています。3分くらい弾きっぱなしのギターソロも、ベント、スライド、スキャット、パーカッシブなプレイにファストなレガートとアイデアが一向に枯れないんですね。現代のギタリストにはない独特のタイム感が感情の炎に火をくべます。

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本気を出すといえば、うどん王国香川県でラーメン屋が本気を出すことはほぼありません。「どうせうどん食うんだろ?」的ひがみ根性が、負けん気よりも諦めを誘発してしまうんでしょうか。

しかし、三豊市鳥坂峠のふもとに店を構えるはまんどは本気でうどんと対抗する気概、実力を備えています。

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これが讃岐うどん王がうどんに負けないラーメンを目指してこしらえた至高の逸品。澄んだいりこのスープにあぶらが上品に浮かんでいます。まさに香り立つ。コシのある平打ち麺が瀬戸内の風景まで口内へと運びます。まるでローストポークのようなあっさりとしたチャーシューの薔薇も味わい深くシンプルイズベストの哲学を支えています。

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極め付けは讃岐最高の米と卵を使用した温玉ライス。

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麺を完食後、ドボンと投入。世界最高のおじやがここに完成です。

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うどんブログなのにうどんがでてこなかったので、瀬戸晴れさんのうどんおじさんでお別れしましょう。全然ニコレットではありません。シェイクちんぽ!


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