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恋愛失敗-中学生編- vol.9(ランちゃん)

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ランちゃんのちょっかい

筆者は勉強ができました。ランちゃんは少しおバカでした。
なので、わからないことがあると、振り返ってきて「よしお~~これわかる?」ときいてきました。

僕は内心ドキドキしながら、「これはね~~」となんでもない感じで教えてあげます。

ランちゃんは、授業の度に聞いてきます。筆者は次第に意識していくのでした。

『かわいい\\\』

ランちゃんがじゃありません、筆者がです。

「かわいい」という言葉をかけられた男性はいるでしょうか?
そして、それはうれしかったですか?

筆者は、、、うれしかったのです・・・

少々時を戻すと、筆者は当時、とんでもない極太・極濃な眉毛をしていました。そのせいで、こじまよしおから「よしお」というあだ名をつけられたのです。(※振り返れば、こじまよしおは眉毛太くも濃くもないと思いますが)
詳細はこちら→恋愛失敗-中学生編- vol.2(卓球部のあの子)|丸ノ-maruno- (note.com)

なので、かけられる言葉といえば、「眉毛太いな」「眉毛濃いな」「へーい、ゲジ眉」で、挙句の果てには「キモイ」も言われました。

なので、純粋に誉め言葉がすごくすごくうれしかったのです。

ある日、ランちゃんが筆者に質問をしてきました。
👧「よしお、これ教えて~」

筆者はとっさの質問に口が回らず
👨「こ、これはめ・・・あ、これはね・・・」
👧「え、まって(笑) かわいい」

みたいなことになりました。

これから、何度か「よしおってかわいいね」とランちゃんから言われるようになりました。これは、単にマスコット的なあれだったと思うのですが、筆者はそれで一気に心がもっていかれるのでした。

スクールカースト的にも絶対にありえないのに、筆者は、なんかの間違いでランちゃんと付き合ってしまう妄想を膨らませました。

エスカレート

3年生も後半に差し掛かったある日、妄想が暴走します。

筆者は気づけばランちゃんを目で追ってしまうのでした。

そして不幸なことに、その視線はランちゃんに気付かれてしまいます。さらにその視線が好意からくるものだとバレてしまい、嫌悪感を示されます。

非モテの皆さんは経験あるかもしれませんが、そういうもんです。

目が合いすぎたある日、ついにランちゃんが舌打ちするようになりました。挙句の果てには、周りのひとに「あいつこっち見すぎじゃね??(怒)」「かわいいって言ってほしいんかな」と言っているのも聞こえてきました。筆者は見なければいいのに、視線がそっちにいってしまいます。途方に暮れながら受験期を過ごしていました。

中学校では、学期ごとに係を決めていました。筆者はこの時期は保健委員でした。保健委員は、週に1回、皆の爪がきちんと切ってあるか、ハンカチを持ってきているかを教室を巡回してチェックします。

はんかち

保健委員会の活動は、毎週水曜朝の会と決まっていました。前日から憂鬱でした。

先生は「はい、じゃあ保健委員は清潔検査の日だね」と呑気に呼びかけます。筆者はランちゃんになんて声をかけうようかとおどおどしながら立ちあがりました。

筆者は前に立ち、クラスメイトに呼びかけます。
「せ、清潔検査を始めます。回るので爪を見せてください。また、ハンカチを持ってきているかも確認するので机のうえに出してください。」

ここで、少し解説すると、保健委員は2人います。相方は地味な女の子、(以下、「地味子ちゃん」)でした。ですが、筆者はランちゃんを担当しないといけません。フォーメーションは以下の通りです。

清潔検査フォーメーション

そう!!!!筆者と地味子ちゃんは(なんと不幸なことに)ちょうどいい感じに等分できる位置に自席があったのです。筆者側にはランちゃんがいます。

と解説はここまでにして、筆者は前から順番にみんなのチェックをしていきます。

ランちゃんの番がきました。

👦「つ、、爪をみせてください・・・」

ランちゃんの顔はもうまともに見れません。

👧「・・・(手を差し出す)」
👦「・・・はい、、大丈夫ですね。」

大丈夫じゃなかったけどそう言いました。

👦「ハンカチは・・・?」
👧「・・・あっち」

そう言って、教室の外を指差します。

これは、「教室の外のカバンの中にある」という意味です。
本来は、持ってこさせないといけないのですが、筆者は「あ、、おっけ、、、」と言って終了させました。

こうして、2.3週はこんな感じのドキドキの対応が続きました。

終わりのほうには、ランちゃんから業務連絡くらいはくれるようになりました。でも、決して前みたいに「かわいい」とは言ってくれませんでした。

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