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噛み合わない会話と、ある過去について

噛み合わない会話と、ある過去について

辻村深月の小説を初めて読んだ。

共感性羞恥心を逆撫でされながら、苦しみながら読んだ。

特に「パッとしない子」を読んだときは何度も本を閉じた。

他人との会話や行動が過去になった時、思ってもみないところで嫌われていることを知った衝撃は重く重くのしかかる。

この本は噛み合わない他人同士が交差することなく終わる。

これからも交差しないであろう形で後味悪く終わる。

私にもあるだろうなと思うととて

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そして、バトンは渡された 瀬尾まいこ

そして、バトンは渡された 瀬尾まいこ

さて、1つ前の投稿で書いた言葉について、話したい。

優しい本だった。
最後は優しさのあまりに泣いてしまった。

2章だてのこの本は、1章目は高校生の主人公の家族の話。そして2章目は、結婚を決めた主人公の親たちの話。

今度映画化されるらしく、帯には3人の俳優が載っていた。何役とはわからずとも、石原さとみは梨花さんだと分かった。

何人もの親から愛されて育った主人公。
どんな形でも主人公の親として

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東京タワー 江國香織

東京タワー 江國香織

この小説を電車で読むのが好きだった。
スマホではなくて、本を読んでる自分も好きだ。

作者の後書きから引用すると、
"あらまあ"
としか言いようがなかった。

どこかが主人公の青年たちと似ていて、(年齢もそうだが)価値観だったり、年上の人に惹かれるところだったり、少しだけ自分と重なっていた。

同世代を子供染みて感じることで、
自分は大人になろうとしているところとか。

2001年に書かれていて、

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平成くんさようなら

平成くんさようなら

「平成くんさようなら」
一時期話題になった本を今頃読んでみた。
著者は古市憲寿。
著者本人が辛辣というか、
歯に衣着せない性格が話題にもなり、
一時期メディアによく登場していた。

そんな人が描いたのは、
安楽死が合法化した世界。
平成とともに誕生したことから「平成」(ひとなり)と名付けられ、
いかにも平成を代表するような主人公の彼氏は少し著者と似ている。
平成が終わるとともに新しい時代が始まろう

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