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今さら聞けないカーボンニュートラルとか脱炭素のざっくり話

1,カーボンニュートラルとは何だろう

「温室効果ガスの排出量とその吸収量が均衡する状態」を指します。
この状態を簡潔明瞭に示したイラストが環境省にありましたので、下記に紹介します。

出典:脱炭素ポータル(https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/)

左側が現在の状態を示しています。化石燃料を燃焼して経済を回すモデルですね。温室効果ガスをガンガン排出するタイプです。

それを右側のイラストのように太陽光や風力、EVに移行して温室効果ガスを削減します。

ですが、削減してもしきれない部分があります。

それを森林由来のクレジット購入によってオフセット(相殺)してプラマイゼロに持っていくんですね。

これが「温室効果ガスの排出量とその吸収量が均衡する状態」すなわち「カーボンニュートラル」ということです。

2,なぜカーボンニュートラルが必要なのか

単純に言えば地球温暖化が、最近の気象災害の激甚化を招いていると結論付けられているからです。(細かい話はまた今度の機会にということで、今回は単純化して説明します)

地球の温暖化は温室効果ガスの排出によって進行していると言われています。その仕組みを理解するにはダイキン工業様の「地球温暖化って何?」コンテンツが白眉です。
ぜひご覧ください。

ということは
温室効果ガスを削減しないと気候変動は進んでしまう。
ここでカーボンニュートラルが必要だということになるんですね。

3,どうやってカーボンニュートラルを実現するのか

カーボンニュートラル実現は温室効果ガスの削減しか方法はありません。
じゃあどうやって減らすのでしょうか。

Chat-GPTさんに聞いてみました。答えは以下の通りです。

  1. エネルギーの使用を効率化する:省エネルギー機器やLED照明などを使用して、家庭や企業のエネルギー使用を効率化し、温室効果ガスの排出を削減することができます。

  2. 再生可能エネルギーの利用:太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを利用することで、化石燃料による温室効果ガスの排出を削減することができます。

  3. 交通手段の見直し:公共交通機関や自転車、徒歩などを利用することで、個人の車の使用量を削減することができます。また、電気自動車などの低排出ガス車の普及も有効です。

  4. 持続可能な食生活の実践:肉や乳製品などの畜産物の消費を減らし、植物性食品の消費を増やすことで、畜産業による温室効果ガスの排出を減らすことができます。

  5. 森林保護や森林の再生:森林は二酸化炭素を吸収するため、森林保護や森林の再生に取り組むことで、温室効果ガスの削減につながります。

さすが今話題のAIツール。4番の回答は盲点でした…(汗

これらは具体的な削減方法です。
すぐにでもできそうなものもあります。
とっとと取り組みましょう。

いやちょっと待ってください。

節約して家計の財務状況を改善しようとしたとき、現在の家計状況を知らずにそれはできるでしょうか。

できるとしても現状の把握がなされていないと、あっちに行ったりこっちに行ったりと非効率な取り組みになるかもしれません。

できることなら最短距離で結果を出したいものです。

そこで現在カーボンニュートラル界隈で盛り上がりつつあるのが、自分がどれだけ温室効果ガスを排出しているかを「知る」サービスです。

一年前までは片手で数える程度の事業者数だったこの温室効果ガス可視化業界。今ではかなりの数の事業者が参入し、乱世の様相を呈しています。
この可視化についてはまたの機会にお知らせできればと思います。

まずは自分の現在地を知る。
そしてどうするのが自分にとってベターなのか考える。
削減を実行する。
で、どうにもこうにもできない部分は「ごめんなさい」でオフセットする。

大事なことなので2回言いました。
現状これしか方法はなさそうです。

4,カーボンニュートラルのメリット

はい。一番大事なことです。
エコノミックアニマルですので、やはり何かしら旨味がないと世界は動きません。

どういったメリットがあるんでしょうか。考えられるのは以下のものになります。

  1. コスト削減:省エネや再生可能エネルギーなど、カーボンニュートラルに向けた取り組みは、経済的なメリットもあります。省エネルギー機器やLED照明の導入など、エネルギー効率を上げることで、エネルギー使用コストを削減することができます。

  2. 技術開発促進:再生可能エネルギーや二酸化炭素の吸収・貯蔵技術など、カーボンニュートラルに向けた取り組みには、新たな技術開発が必要です。そのため、技術革新を促進することができます。

  3. イメージアップ:環境保全に取り組む姿勢は、企業や地域のイメージアップにつながります。特に、カーボンニュートラルを実現した企業や地域は、環境に配慮した取り組みをしているとのイメージが広がります。企業CSRなんかにも利用できますね。

  4. サプライチェーンで優位的立場を得られる:温室効果ガスの削減は社会全体の課題です。その課題に早期に取り組むことは先行者利得を得られる機会を得ることと同じことです。

前半のコスト削減と技術開発促進はまさに経済的メリットそのもの。後半のCSRで企業イメージアップを図り、さらに優位的立場に立ってビジネスチャンスを窺う感じです。

むう。隙がない。
バラ色の未来しか無いような感じを受けます。

しかしカーボンニュートラルに取り組むことで被るデメリットはないのでしょうか?

あります。
コストがかかることです。

「あれ?さっきコスト削減って言ってたよ。」

こう思った読者の方、鋭い。
私はこのNoteではカーボンニュートラルの良い面ばかりに光を当てるつもりはありません。
ときには負の部分にもちゃんと言及します。

そうじゃないとニュートラルではありませんからね。

5,カーボンニュートラルのデメリット

投資があるからリターンがある。
リスクを取るからリターンがある。

これは経済活動の鉄則です。
カーボンニュートラルもその鉄則には逆らえません。

カーボンニュートラルの手順をおさらいします。

(3回目の登場 大事なことなので)

「知る」には温室効果ガス排出量可視化サービスを利用するという方法がありますね。まずここで費用が発生します。
(もちろん自力で算定する方法もあります)

続いて「減らす」ためにEV導入。太陽光発電設備導入。省エネ投資。
これにはすべてお金がかかりますね。
(ただこちらも気合で使用する電力を減らすとか、水を減らすなどお金をかけずにできることはあります)

最後の「オフセット」。これはお金でしか解決できません。

金、金、金…。

何でも金です。

出る一方だったらそりゃ取り組む意味ないです。カーボンニュートラル。

ですが前述の通りカーボンニュートラルにはメリットもあります。

メリットとデメリットを天秤にかけてどうするか。
これがビジネスです。当たり前のことでしたね…。

6,まとめ

カーボンニュートラルという言葉は正直まだ実生活にまで降りていない感じを受けます。

これからの分野です。

どこの何者かもよくわからないものには、疑念がつきまといます。
あらぬ評判を立てられることもあります。
それはリスクです。

しかしリスクを取らないとリターンは得られない。
これは経済の鉄則。

現在、地球上の全人類は気候変動というリスクを負わされています。
好むと好まざるとにかかわらず。

となればカーボンニュートラルに取り組むのは経済の鉄則において当たり前のことになるのではないでしょうか。

要は取り組みが早いか遅いか。
的を射ているか的を外しているか。

何れにせよ取り組まない理由は無いような気がします。

弊社は「よし、いっちょカーボンニュートラルやってみるか。」というちょっとだけチャレンジングな方と一緒に仕事をしたいと思います。