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公式ホワイトペーパーからわかるワールドコインのポイント:グローバル規模での本人確認、政治、金融への新たな可能性

OpenAIのCEOのサム・アムトマンが率いるワールドコインですが、一体なんなのか全然わからなかったので、ホワイトペーパーからわかる大まかなポイントをまとめてみました。

(引用元はhttps://whitepaper.worldcoin.org/で翻訳箇所はDeepLです。)

ワールドコインとは?

ワールドコインは新たなデジタル通貨です。ChatGPTを開発したOpenAIのCEO、サム・アルトマンが創業者です。

このプロジェクトが成功すれば、主に3つの重要な分野、すなわち身元証明、金融、政治に対してグローバル規模で大きな影響を及ぼすことが予想されます。大変なプロジェクトなので、実現までにはさまざまな問題が発生し、議論が引き起こされると思いますが。

成功すれば、ワールドコインは経済機会を大幅に拡大し、プライバシーを守りながらオンライン上で人間とAIを区別する信頼できるソリューションを拡大し、グローバルな民主的プロセスを可能にし、AIが資金を提供するUBIへの潜在的な道筋を示すことができる

If successful, Worldcoin could considerably increase economic opportunity, scale a reliable solution for distinguishing humans from AI online while preserving privacy, enable global democratic processes, and show a potential path to AI-funded UBI.

https://whitepaper.worldcoin.org/

* UBIとはUniversal Basic Income(ユニバーサルベーシックインカム)のことで、すべての個人に対して最低限の額を国が預金口座に支給する制度のこと

World IDによるグローバル規模の身元証明

ワールドコインを持つ人にはワールドIDが付与されます。これは、グローバル規模で身元を証明する新しい方法です。

「個人であることの証明」とは、ワールドコインのコアとなるアイデアのひとつ

“Proof of personhood” is one of the core ideas behind Worldcoin

https://whitepaper.worldcoin.org/

人間であることを確認する最も信頼性の高い手段として、ワールドコインはOrbという虹彩の生体認証を使用します。虹彩認識については以下のnoteに書きました。


認証が完了したら、ユーザーが同意しない限り虹彩の画像は保存されないようです。

Orbはマルチスペクトルセンサーを使って人間性と独自性を確認し、Orbで検証されたワールドIDを発行します。すべての画像はデフォルトでデバイス上で速やかに削除されます(データ保管に対する明確な同意がない場合)。

The Orb uses multispectral sensors to verify humanness and uniqueness to issue an Orb-verified World ID, with all images being promptly deleted on-device per default (absent explicit consent to Data Custody).

https://whitepaper.worldcoin.org/

これにより、特にオンライン上でAIと人間を区別がしやすくなります。

今日、個人であることの証明は世界規模では未解決の問題であり、オンラインでの投票や大規模な価値の流通を困難にしている。ますます強力になるAIモデルが、人間とボットを区別することの難しさをさらに増幅させるため、問題はさらに切迫している。Worldcoinの一部として成功すれば、World IDは世界的な人物証明の標準になるかもしれない。

Today, proof of personhood is an unsolved problem on a global scale, making it difficult to vote online or distribute value on a large scale.The problem is even more pressing as increasingly powerful AI models will further amplify the difficulty of distinguishing humans from bots. If successful as part of Worldcoin, World ID could become a global proof of personhood standard.

https://whitepaper.worldcoin.org/

ワールドコインと金融

ビットコインやイーサリアムと同じく、ワールドコインも仮想通貨です。くわしいところは読めてませんが、イーサリアムのシステムを活用しているようです。

ビットコインはビットコインネットワークを保護するために発行される。WorldcoinはWorldcoinネットワークを成長させるために発行され、セキュリティはイーサリアムから継承される。

Bitcoin is issued to secure the Bitcoin network. Worldcoin is issued to grow the Worldcoin network, with security inherited from Ethereum.

https://whitepaper.worldcoin.org/

仮想通貨には、緊急事態に対する国際的な送金に強いという特徴があります。例えば、COVID-19救済基金では、世界中の個人から短期間で4億ドル以上がインドへ送金された例が挙げられています。

インドを支援するために世界中の個人から短期間に4億ドル以上が集まったCOVID救済基金は、何が可能かを示唆するものだ。

The COVID relief fund for India, where over $400 million were raised in a short period of time by individuals around the world to support the country as a hint at what can be possible.

https://whitepaper.worldcoin.org/

ワールドコインの最終的な目標はベーシックインカム(UBI:Universal Basic Income)の実現です。これを達成するためにワールドIDが活用され、一人が2回以上の請求を行うのを防ぐことが可能となります。例としてインドで助成金の不正受給を50億ドル減らしたことが紹介されています。

助成金や社会福祉を含む現代社会の重要な要素は、本人であることの証明を採用することで、 より公平に提供することができる。これは特に発展途上国において適切であり、社会給付プログラムでは、資源の捕捉(その人の公平な取り分以上の資源を獲得するために使用される偽の身分証明)の問題に直面する。2021年、インドは生体認証に基づくシステムを導入し、不正を減らすことで、補助金プログラムにおいて50億ドルを節約した

Crucial elements of modern society, including subsidies and social welfare, can be rendered more equitably by employing proof of personhood. This is particularly pertinent in developing economies, where social benefit programs confront the issue of resource capture—fake identities employed to acquire more than a person’s fair share of resources. In 2021, India saved $5 billion in subsidy programs by implementing a biometric-based system that reduced fraud.

https://whitepaper.worldcoin.org/

ワールドコインと政治

ワールドコインは、グローバルな民主的プロセスを可能にします。特に、オンラインでの世界規模の投票の言及が多いです。

World IDはグローバルな民主主義プロセスや新しい統治形態(二次投票など)を可能にし、最終的にはAIが資金を提供するUBIへの道をサポートするかもしれない。

Furthermore, World ID can also enable global democratic processes and novel forms of governance (e.g., via quadratic voting), and it may eventually support a path to AI-funded UBI.

https://whitepaper.worldcoin.org/


現在のweb3の「1トークン1票」のシステムでは、経済力のある人々が優遇されるためそうならないようにしたいようです。全人類に最大の利益をもたらすためには、すべての人々が参加することが重要となる、と強調されています。

現在、web3における集団的意思決定は、主にトークンベースのガバナンス(1トークン、1票)に依存しており、これは一部の人々を参加から排除し、より経済力のある人々を大きく優遇している。World IDのような信頼性の高いシビルレジスタントの証明は、web3だけでなく、インターネットにおけるグローバルな民主的ガバナンスメカニズムのデザイン空間を開く。さらに、AIが選ばれたグループだけでなく、全人類に最大限の利益をもたらすためには、そのガバナンスにすべての人を参加させることがますます重要になるだろう。

Currently, collective decision making in web3 largely relies on token-based governance (one token, one vote), which excludes some people from participating and heavily favors those with more economic power. A reliable sybil-resistant proof of personhood like World ID opens up the design space for global democratic governance mechanisms not just in web3 but for the internet. Additionally, for AI to maximally benefit all humans, rather than just a select group, it will become increasingly important to include everyone in its governance.

https://whitepaper.worldcoin.org/

おわりに

ホワイトペーパーは全体を読むとめちゃくちゃ長いので、今回は導入部分しか読めませんでした。ほかにもOrbの仕組みなど興味深い内容が多く書かれています。

追記:招待コードがあったので載せておきます。5人限定らしいです。

設定29VICE5でコードを入力する。
https://worldcoin.org/join/29VICE5


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