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きっとここではないどこか

......2024年1月から2月の終わり、きっとここではないどこかにて。

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どこを見ても静止したままの人生だ

冷たい指先に春が滲む

ふと見上げた青空に公団住宅

ぼんやりした貘の食べる蒸しパン

じわりじわりと染みて大根の色

死ねば皆同じ空の雲

間伸びした青空に慰められる

草臥れた骨を外して三千里

ゴールテープより君を選んだ雲の一筋

強風世界でじっと待っているよ

睡魔は静かに口を湿らせる

寺山修司を見る目が血走る

僕は春のぬるい風だったのです

さみしさにひとりラジオをつけていた

久しぶりと言って眠る夜の月

微笑んで、緩んだ星々に幸せが見えた

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眠れない夜に

自由律俳句

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