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「見えているのに感じない」

見えるのに

貴女は何処に

いるのだろう?


アルツハイマーを患った

花屋のおばさん

シャキシャキしてて

明るかったのに


仕事が全く出来なくなって

ご主人と息子さんで

介護されてから

もう何十年になるだろう?


最近はたまに見かける

家族で寄り添い歩く姿

健康のためにと

連れ出しているんだろうか


ある日

発病してからウチの店に来られた

のに…

感じない


存在が

どこかぎこちなく

見えているのに

ないような


心ここにあらず

それがしっくり来るような

私は目を

合わせられなかった


一言も話さず

何を感じて見ていたのだろうか

それとも

何も見ず感じていなかったのだろうか


生きるエネルギーは

こんなにも

存在を

左右するのか?


それでも

まだここにいるのは

まだ彼女の意志が

家族との時間を望むのかもしれない

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