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カレーライスかと思ったらハヤシライスだったってぐらい予告と本編の内容が違った『はい、泳げません』

【個人的な評価】

2022年日本公開映画で面白かった順位:71/81
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【ジャンル】

ヒューマンドラマ
スポーツ
水泳

【元になった出来事や原作・過去作など】

・エッセイ
 高橋秀実『はい、泳げません』(2005)

【あらすじ】

大学で哲学を教える小鳥遊雄司(長谷川博己)は、泳げない。水に顔をつけることも怖い。屁理屈ばかりをこねて、人生のほとんどで水を避けてきた雄司はある日、ひょんなことから水泳教室に足を運ぶ。

訪れたプールの受付で、強引に入会を勧めて来たのが水泳コーチの薄原静香(綾瀬はるか)だった。静香が教える賑やかな主婦たちの中に、体をこわばらせた雄司がぎこちなく混ざる。その日から、陸よりも水中の方が生きやすいという静香と、水への恐怖で大騒ぎしながらそれでも続ける雄司の、一進一退の日々が始まる。

泳ぎを覚えていく中で雄司は、元妻の美弥子との過去や、シングルマザーの恋人・奈美恵との未来など、目をそらし続けて来た現実とも向き合うことになる。それは、ある決定的な理由で水をおそれることになった雄司の、苦しい再生への第一歩だった――。

【感想】

原作エッセイは未読です。水泳をテーマにした映画(実写)ってあんまりなくて、パッと思いつくのでも『ラフ ROUGH』(2006)ぐらい。なので、水泳をやっている身としてけっこう楽しみにしていたんですが、予告から得た印象とだいぶ異なる内容で、個人的には「うーん」という感じでした(笑)

<方向性が散らかっている印象>

てっきり、泳げない男と泳ぐことしかできない女の痛快コメディだと思っていましたし、そうであって欲しかったんですよね。『ウォーターボーイズ』(2001)みたいなテンポのよい、ちょっと中年の青春映画みたいなのを期待していたんですよ。

ところが、、、前半はややそういうノリもなきにしもあらずでしたけど、後半からガラッと変わります。小鳥遊が過去のトラウマを克服する展開になっていくものの、これがけっこう重い内容でして。。。途中で「あれ、これ何の映画だったっけ?」って疑問に感じちゃうぐらいには方向性が全然違う方行へ行きますね。

しかも、後半に入らないと、小鳥遊が何で水泳を始めたのかっていう理由がわからないんですよ。前半ではそこが語られないので、「動機は何だ?」ってずっと謎で。てか、ネタバレになるので詳しくは書けませんが、小鳥遊は記憶がないはずなのに、なぜ水泳を習おうと思ったのか。うっすらと頭の中にそのトラウマのことが残っていたのだろうか。こうやって腑に落ちない点もチラホラあるんですよ。

で、ラストはラブコメみたいになってて、なんか全体的にまとまりがないなあと感じてしまいましたね。。。

<水泳指導はよかった>

ただ、唯一の救いが綾瀬はるか演じる静香コーチでした。彼女の教える初心者向けの水泳指導がなかなかよくてですね。僕も小さい頃から水泳を続えkていますが、あのイメージしやすい教え方と、ちょっと強引なやり方は上達しそうだなと思いました。あんなコーチいたらいいですね~。いや別に、綾瀬はるかだからってことではなくてですね(笑)

また、彼女の言っていた「水泳は心のリハビリにもなる」っていうのは、確かにその通りだと思います。水の中にいることでリラックスできる上に、全身運動で気持ちもサッパリするし、かなり疲労感伴うぐらい泳ぐと、その回復に意識が集中して、悩みごととか気にならなくなります(経験者かく語りきw)。

<そんなわけで>

泳げない人が泳げるようになるまでの必死さを描いたコメディ映画だと思って観ると、しっぺ返しを食らう感じになります(笑)むしろ、暗いトラウマを抱えた主人公が、水泳を通じてそれを克服するヒューマンドラマだと思ってもらえればよいかと。題材や設定はよかったんですけど、、、こういうのって構成の問題なんでしょうか。映画作ったことないのでわからないのですが、惜しいなっていう印象です(上からですみません)。作った方たちはそれだけで偉大だといつも思っています。


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