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制作費はオリジナル版の186倍なのに中身はほぼ同じだった『キャメラを止めるな!』

【個人的な満足度】

2022年日本公開映画で面白かった順位:79/113
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★☆☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆

【作品情報】

   原題:Coupez!
  製作年:2022年
  製作国:フランス
   配給:ギャガ
 上映時間:112分
 ジャンル:コメディ
元ネタなど:『カメラを止めるな!』(2017)

【あらすじ】

とある自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画を撮影していた。
本物を求める監督は中々OKを出さず、テイクは31テイクに達する。

そんな中、撮影隊に本物のゾンビが襲いかかる!大喜びで撮影を続ける監督、次々とゾンビ化していく撮影隊の面々。

“30分ワンシーン・ワンカットで描くノンストップ・ゾンビサバイバル!”
……を撮った「フランスの」ヤツらの話。

【感想】

2018年に日本映画界で一世を風靡した『カメラを止めるな!』。ワンシーン・ワンカットで描くゾンビサバイバル映画、、、かと思いきや、物語の後半でその全貌が明かされるという二重の面白さがウリの映画でしたね。そのリメイク版がフランスからやって来ました!

<よくも悪くも"まんま">

オリジナル版が好きだったので、今回のリメイク版も楽しみにしていたんですけど、ほとんど同じでした(笑)もちろん、多少の違いはありましたけど、オリジナル版に忠実すぎるリメイクですね。少し異なる展開を期待したんですけど、ある意味オリジナル版への愛に溢れた作品だったように思います。

<ほぼ同じならオリジナル版の方が面白い>

個人的には、総じてオリジナル版は超えなかったかなという印象でした。特に2つの点においてイマイチかなと思う部分さえありましたね。まずは尺です。リメイク版の方が20分長いんですけど、追加要素があるわけじゃないので、単純にテンポが悪くなった気がしました。

次に、すでにオチがわかっちゃってるっていうのもハンデです。まあこれは仕方ないっちゃ仕方ないんですけど。なので、最初に『カメ止め』を観たときのような衝撃はもうありません。ありませんが、復習がてらオリジナル版を観返したらやっぱり面白いんですよ。オリジナル版の方がもっとキャラが尖っていて。それは、役者自体が有名でないがゆえに、変に先入観なく観られたのが大きいのかもしれません。あと洋画って、登場人物のオーバーな感情表現が面白かったりしますけど、『カメ止め』はのキャストたちはそれ以上のオーバーさだった上に、今回のリメイク版もやっていることは同じなので、そこでは差がつかなかったように思います。

もしこれが何十年も前の映画だったら、だいぶ映像も変わると思うので、それだけで楽しめたりすると思うんですが、つい4年前の映画ですからね、これ。ほとんど変わらないよって(笑)

<金をかければいいってもんじゃない>

ちなみに、リメイク版もオリジナル版に忠実にするために、6週間で400万ユーロという短期間・低予算で作られたらしいんですよ。400万ユーロってピンと来ないかもしれませんが、日本円にすると約5.6億円です。オリジナル版が大体300万円って話なので、実に186倍近い計算になりますね。。。これだけ金をかけているのに中身はほぼいっしょ、、、むしろオリジナル版を超えられていないっていう。。。まあどこに金をかけているのかって話ですけど、リメイク版はキャストに有名な人を起用しているのでそこのギャラですかね(笑)服に例えるとわかりやすいかもしれません。同じようなコーディネートなのに、片方はユニクロ、もう片方はジョルジオ・アルマーニ。で、ユニクロの方が着やすいっていう(笑)うーん、難しいですね。ジャンルにもよりますが、金をかけたからといって面白くなるわけではないっていう。ただ、これもオリジナル版に忠実にしたからであって、もし新しい解釈を加えたなら、もっと面白くなった可能性もあります。

<そんなわけで>

オリジナル版とほぼいっしょですが、オリジナル版よりも刺さらなかった映画ですね。『カメラを止めるな!』が好きだったら観てもいいと思いますー。


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