スキャンダル

女性の性的搾取に真っ向から立ち向かった『スキャンダル』

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:7/35
⠀ ⠀ かっこいい✨:★★★★★
ウーマンパワー🤩:★★★★★
⠀ ⠀ 社会的意義🧐:★★★★★

これ実話なんだってことを考えると、本当にえげつない会社だなと思いました。日本でもまだこういう会社はあるのでしょうか。。。

【どんな映画?】

FOXニュースの創設者で元CEOだったロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)のセクハラに対する女性社員の告発を描いた物語です。

【感想】

とにかく、セクハラがえげつない。男性の目から見ても腹立たしいことこの上なし。ロジャーの女性を軽視した舐め腐ったスタンスは本当に許せないですね。
言葉を選ばずに言えば、「仕事やるからヤラせろ」ってことなんですが、そんな直接的なことは言わず、「仕事を与える見返りが必要だ」とか「キミの忠誠心を見たい」など、遠回しに言うのが非常に小賢しい。

しかも、性的関係の強要だけでなく、「誰も脂ぎった中年女性の顔なんか見たくない」という外見への罵倒や、「もっと短い服を着てこい」といった性を売り物にするような指示など、歩行器具を付けないと歩けないようなデブのクソジジイがよくそんなこと言えるなと思いました。

言われた人の気持ちを考えていないというか、女性という存在を人として見ていないというのが信じられないです。一体どういう人生を歩んできたらそんな価値観になるのでしょうか。。。

そんな中、グレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)が先陣を切ってロジャーを告発するのですが、仕事をもらって有名になった人がいるのも事実なので、みんな後に続かないんですね。
中には、「男なんだから求めるのは当たり前でしょ」と割り切っている人もいたり、同じ女性なのにロジャーに新しい女の子を献上するような人もいて、倫理というか本当に頭のネジ飛んでるなって思いました。これがアメリカのテレビ業界なのかと。特殊な業界にいると、感覚がマヒしてくるというのはよく聞く話ではありますが、とにかくすべてが驚きです。

でも、グレッチェンに続いてメーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)も告発に賛同し、だんだん広がっていくのですが、自らのキャリアを犠牲にしてでも、自分が受けた性的屈辱と向き合い、女性の社会的地位を守るために戦う勇気と行動力は圧巻です。

僕は、マーゴット・ロビーのセリフがとても印象的でした。
「セクハラに遭うと、あのときの自分の発言が行けなかったのか、着ていて服が行けなかったのか、あらゆることを猛省します」みたいな内容だったのですが、ものすごく自己肯定感が低くなっていく様子が痛いほど伝わってきました。

日本でもまだセクハラに悩む女性はいると思いますが、この映画を観て何かを感じ取ってもらえたらうれしいです。


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