日本アニメのあるあるを詰め込んだ『HUMAN LOST 人間失格』

2019年公開映画195本中107位。

あの太宰治の『人間失格』を、
中二感たっぷりにリメイクした作品です。

昭和111年、医療技術の進歩により、
爆発的に寿命が延びた無病長寿大国・日本。
ある日、主人公の大庭葉蔵は暴走集団と共に、
特権階級の住まう"インサイド"と呼ばれる地域へ突入した際、
自身の不思議な力に目覚め、戦いに身を投じていくという話。

原作とは程遠い内容ではあるけれど、
近未来的な世界観に、中二病が喜びそうな設定は、
個人的には好きでした。

が、どうも読後感がよろしくない(笑)

理由は2つ。
まず、いろんなアニメやゲームの要素が入り過ぎていること。
『新世紀エヴァンゲリオン』の人類補完計画を始め、
『AKIRA』、『GANTZ』、『攻殻機動隊』、『進撃の巨人』、
ゲームの『ニーア・レプリカント』など、
よくも悪くもこれまでに観た作品の要素が強かったのと、
敵対勢力の動機も「結局そこかーい」というあるあるなものだったので、
『人間失格』のリメイクということに対する期待の割には、
新鮮さはあまりなかったかなという印象でした。

もうひとつはわかりづらさ。
人はある条件の下で"ロスト体"と呼ばれる異形の形に変貌するのだけど、
その理由が作中だけだといまいちわかりづらかったのと、
葉蔵と美子が仲が深まるような関りがなかった割には、
お互い惹かれ合っているのがちょっと解せなかった(笑)

若干、映画の内容を先取りしてしまうことにはなるけれど、
公式ホームページでキャラクターやキーワードなどは
予習しておいてもいいかもしれない。

ただ、登場人物の名前や細かな設定などは、
原作のままなので、小説の内容を覚えている人は、
親近感がわくかもしれない。
とはいえ、太宰治本人がこれを観たら苦笑いしそうだけどwww

悪くはなかったんだけど、、、
そうね、個人的にはもうちょっとグロテスクなのを期待してたかな。
しかし、「全人間、失格」というぐらいなのだから。
『AKIRA』ぐらいショッキングなものがあってもよかったな。

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