ゼンデイヤの三角関係というより間接3Pみたいな男女関係にトムホが嫉妬で悶え死んでしまうのでないかと思った『チャレンジャーズ』
【個人的な満足度】
2024年日本公開映画で面白かった順位:55/66
ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆
【作品情報】
原題:Challengers
製作年:2024年
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース映画
上映時間:131分
ジャンル:ラブストーリー
元ネタなど:なし
公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/challengers/
【あらすじ】
※公式サイトより引用。
人気と実力を兼ね備えたタシ・ダンカン(ゼンデイヤ)は、絶対的な存在としてテニス界で大きな注目を集めていた。しかし、試合中の大怪我で、突如、選手生命が断たれてしまう――。
選手としての未来を失ってしまったタシだったが、新たな生きがいを見出す。それは、彼女に惹かれ、虜となった親友同士の2人の男子テニスプレイヤーを愛すること。だが、その“愛”は、10年以上の長きに渡る彼女にとっての新たな<ゲーム>だった。
はたして、彼女がたどり着く結末とは――。
【感想】
3人の男女のすったもんだを描いた映画ですが、いやー、ゼンデイヤすごいね。「本当に『スパイダーマン』でMJやってたんか?」ってぐらい役どころが違いすぎてビビりました(笑)
<着想元は現実のテニスプレーヤーから>
この映画、フィクションではありますが、実在のテニスプレーヤーたちのエピソードに着想を得ている部分もあるようです。詳しくは以下の記事をご参照ください。
とはいえ、あくまでもキャラクターの背景となる部分だけで、さすがに恋愛模様は作り話っぽいですが。さすがに、2人の男性が同じ女性を好きになり、女性もまた2人の男性を愛したってのが実話だったらスキャンダルすぎますよね(笑)
<スキャンダラスな設定が最大の見どころ>
そのスキャンダルっぷりがあるからこそ、この映画は面白いんです。子供の頃のテニススクール時代からいっしょのパトリック(ジョシュ・オコナー)とアート(マイク・フェイスト)。好みの女性のタイプは違ったのに、パーティーで知り合ったタシに2人とも釘付け。それほど、タシというのは美貌とテニスの才能の両方を兼ね備えたスーパースターでした。実際に演じたゼンデイヤも手足が長すぎてスタイルお化けだと思ったほどです。
泊まっているホテルが同じということもあり、パトリックとアートの部屋を訪れたタシ。2人に将来性を感じたのか、それとも単なる好奇心か、タシはパトリックとアートと3人で熱くてエロいキスを交わします。ここは予告にもあるシーンですが、「まさか3P始まっちゃうの?!」ってぐらい入り乱れてて圧倒されますね。でも、うまい具合にタシがお預け。そもそも彼女は類稀なるテニスの才能がありながらも、将来を見据えてすぐにプロにはならずスタンフォード大学に進学するほど地に足のついた生き方をする人物です。そう簡単に体は許しません。なんですが、翌日にパトリックとアートのシングル戦があるので、勝った方に電話番号を教えるという悪どいところもあるんですけどね。まあ、テニスが強くてヴィジュアルもいい2人の男が同時に自分に寄ってきたら、ちょっとはからかいたくはなっちゃうかもしれません(笑)
<嫉妬や喧嘩など常に何かしら起こる恋愛模様>
この3人の出会いが、その後のそれぞれの運命をドラマチックにする最大のきっかけでした(3人からしたら精神が擦り切れそうだとは思いますがw)。最初はパトリックといい感じになっていたタシですが、最終的にはアートと結婚して子供をもうけます。それは序盤で明らかにされていて、過去の回想を挟みながら現在に至る経緯を追っていく形です。なので、時系列が行ったり来たりでちょっとわかりづらい部分はありましたね。
出会ってからの10年は本当にいろいろありましたよ。タシとパトリックの関係性にアートが嫉妬したり。パトリックも奔放なのに女々しいところもあって、些細なことでタシとケンカしたり。そんなときにタシがケガをしてしまい、それがきっかけでアートとの距離が縮まったり。タシとアートが結婚した後も、タシとパトリックはお互いに並々ならぬ想いを抱いていたり。3人それぞれ、いろんなタイミングでいろんなことが起こるんですが、結局のところ、出会ったその日からずっと2人はタシが好きで、タシも2人のことが好きなんですよね~。
<結局はみんなタシのいいようにされてる?!>
個人的にはタシは計算高いところがあるなって思いました。彼女はケガでテニスプレーヤー人生を終えることを余儀なくされて、その後はアートのコーチとしてのキャリアをスタートさせるんですが、タシはアートの実力を伸ばすことで自己実現の手段としているところがあるんですよね。パトリックよりもアートの方がその可能性があると踏んだんでしょうかね。アート自身もそれまではあまりパッとしなかった選手ですが、タシがコーチになってから実力がどんどん伸びていき、輝かしい結果を残すにまで至ります。2人でいっしょにステップアップしてきたから、お互いに必要な存在になっていきました。
一方でパトリックは、最初はアート以上の実力者だったんですが、才能に限界があったのか徐々にその地位が下がっていって、今では下位リーグの賞金で日銭を稼ぐのが精一杯という状況です(その割にラストはアートと互角の戦いを繰り広げているんですがw)。ただ、彼は努力はしないものの、「まだまだ自分はやれる」という謎の自信があります。もともと奔放な性格というのもあるんですが、そういう根拠のない自身というかちょっと危なっかしい感じが魅力に映るんでしょうね、タシもやっぱりパトリックと切れないんですよ。キャリアや生活の面ではアートの方が断然優位なんですけど、パトリックにはまた別の魅力を感じているんだろうなって思いました。まあ、それもアートといっしょにいることである程度の安全や安定が約束されているからこそなのかもしれませんが。なんにせよ、タシはうまいことパトリックとアートと関係を築いていくので、一番うまみを得ている感じがありました(笑)
<そんなわけで>
1人の女性と2人の男性によるすったもんだがドラマチックかつエロチックな映画でした。三角関係、、、っていうんでしょうかね。タシとパトリック・アートはそれぞれ両想いなので、なんかもう間接的な3Pって感じですね(笑)ゼンデイヤの恋人のトム・ホランドが嫉妬しそうなぐらい、彼女の男を転がしてる感がすごかったです(笑)
そういえば、監督が『君の名前で僕を呼んで』(2017)のルカ・グァダニーノってこともあってか、パトリックとアートの関係もなんかちょっと普通の男同士っていう感じではなかったんですよね。ゲイではないんですが、普通の親友よりも距離感が近い印象を受けました。