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ハンバーガーの商品画像と実物がまったく別物ってのと同じぐらい予告の面白さと中身に乖離があった『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』

【個人的な満足度】

2024年日本公開映画で面白かった順位:14/14
  ストーリー:★★★☆☆
 キャラクター:★★★☆☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆

【作品情報】

   原題:Five Nights at Freddy's
  製作年:2023年
  製作国:アメリカ
   配給:東宝東和
 上映時間:109分
 ジャンル:ホラー
元ネタなど:ゲーム『Five Nights at Freddy's』(2014)

【あらすじ】

※公式サイトより引用。
過去に行方不明となった弟の未解決事件に未だ苦悩しながら、ともに暮らす妹アビー(パイパー・ルビオ)のために必死に仕事を探していたマイク(ジョシュ・ハッチャーソン)は、ある日、夜間警備の依頼を引き受ける。

かつては機械仕掛けのマスコットたちが人気を呼んだレストラン<フレディ・ファズベアーズ・ピザ>は、80年代に子供たちが謎の失踪を遂げ、現在は廃墟化していた。

マイクはここで夜を過ごすうち、説明のつかない出来事に遭遇し、この夜勤がそう簡単に終わらない事に気づく――。

【感想】

原作ゲームは未プレイですが、映画を観た後にゲームをやりたくなるかと言ったら「ノー」と言ってしまうぐらいにはよくわからない映画でした。。。(笑)とにかくツッコミどころがありすぎなんですよね。

<作ったのはあのブラムハウスだが……>

予告を観たとき、設定自体は面白いと思ったんですよ。80年代に起きた子供たちの誘拐事件。どうやら当時人気だったレストランのマスコットたちが怪しいってんで、どんな話なのかとてもワクワクしたのを覚えています。で、作っているのがブラムハウス・プロダクションズですよ。主に低予算のホラー映画を得意とする制作会社で、過去には『パラノーマル・アクティビティ』シリーズ(2007-2015)や『ゲット・アウト』(2017)、『透明人間』(2020)などを手掛けています。ただ、個人的にはここの作る映画はけっこう当たり外れが大きいので、どっちに転ぶかわからない賭けみたいなのもあって観たんですが、、、今回は悪い方に転びましたね(笑)

そもそも世界観がどっちつかずな印象でした。現実的でスプラッターな感じなのか、それとも霊的な要素のあるオカルトチックな感じなのか。今回、この映画でメインとなるマスコットたちはアニマトロニクスという、まあいわゆるロボットなんだけど、意志を持っているんですよ。てっきり裏で誰かが操作してるかと思いきや、実はかつて誘拐されて殺された子供たちの霊が乗り移ってるってことで、ロボットの現実感と霊のオカルト感というハイブリッドになっていたわけです。ハイブリッドというと聞こえはいいですけど、先にも書いたようにそのどっちつかずな感じが、個人的には怖いのか怖くないのかよくわからない感じになってしまって。。。顔が笑顔のまま固定されている無機質な表情に多少の恐怖を覚えつつ、こいつら動きがメチャクチャ遅いんでね、普通に逃げるか対抗する手段いくらでも練れそうという冷静な考えもよぎってしまい(笑)普通に飛び蹴りしたら倒れそうですし、一度倒れたら起き上がれなそうな感じはするので。

<ツッコミの嵐>

最初でも触れましたが、この映画、とにかくツッコミポイントが多いです(笑)ネタバレは避けるので詳細は割愛しますが、子供たちを誘拐して殺した犯人ってのは別にいます。いるんですが、そいつだけは人間で着ぐるみを被っており、しかもその着ぐるみってのが諸刃の剣のような欠陥品で、下手したら自分が致命傷のダメージを負ってしまうんですよ。「なんでそんなのわざわざ着るんだよ!」って(笑)まだ、ミッキーマウスの着ぐるみの方が動きやすそうだなって。しかも、子供を誘拐する動機については触れられず、一体何がしたかったのかがわからないままっていうのも、「おまえ何したいんだよ!」って。

あと、マイクのやり方は都合よすぎるなと感じる部分がありました。彼は、人間が見聞きしたことは全部覚えていて、単純に記憶の蓄積から引っ張り出さないだけって考えを持っています。だから、もしかしたら自分は弟を誘拐した犯人を見ていたかもしれないってんで、それを突き止めるために、睡眠薬を服用して誘拐した当日の状況を夢に見て、犯人の顔を探ろうとするんですが、そんなピンポイントで同じ夢を見るのかって(笑)例えば、悪霊が獲物に夢を見させているという設定ならまだわかるんですけど、自主的な行動でそうなってしまうのはけっこう都合よすぎるのでは。

<アビーに救われる>

唯一よかったところは、マイクの妹アビーです。彼女は絵が好きなんですけど、彼女の描く絵にいろんなヒントが含まれていて、子供にとっての絵はすごく重要な意味を持つっていうのが、親目線からして共感しやすい設定でした。もはやホラーとは何の関係もないんですけど(笑)彼女が今回の事件解決のキーを握るので、ぜひ注目してあげてください。

<そんなわけで>

期待した割にはあまり刺さらない内容でしたね、個人的には。スプラッターシーンもほぼなく、視覚的な刺激も少なかったですし。原作がゲームってことで、まずはそのファンに満足してもらうよう作ったらしいので、ゲームをやっていない層には刺さりづらいのかもしれません。さて、『Dead by Daylight』の映画はどうなるでしょうか、、、?(笑)


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