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テレビとは訳が違う!映画館で観ることの崇高さを味わえる『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』

【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:4/17
  ストーリー:★★★★★
 キャラクター:★★★★★
     映像:★★★★★★★★★★
     音楽:★★★★★
映画館で観たい:★★★★★

【作品情報】

  製作年:2023年
  製作国:日本
   配給:東宝、アニプレックス
 上映時間:110分
 ジャンル:アニメ、アクション
元ネタなど:漫画『鬼滅の刃』(2016-2020)

【あらすじ】

第2期「遊郭編」の第10、11話と第3期「刀鍛冶の里編」の第1話を特別劇場上映。
「遊郭編」では妓夫太郎と堕姫との死闘が描かれ、「刀鍛冶の里編」ではついに上弦が集結するシーンをその目に焼きつけることができる。

【感想】

2020年公開の『無限列車編』で日本歴代興行収入第1位を記録した『鬼滅の刃』。今日観た映画も相変わらず面白かったですけど、なかなかにチャレンジングな公開だったなと思います。

<異例ともいえる公開スタイル>

多くの人が新作映画かと思ったんじゃないでしょうか。ところが実際はそうではありません。3年ぶりの劇場公開作品とはいうものの、今回の作品はテレビアニメで放映した第2期『遊郭編』の10話と11話、そして第3期『刀鍛冶の里編』の1話(これは初披露)を劇場で流すのみなんですよ。冒頭にこれまでのダイジェストみたいな演出はあるんですが、それ以外はテレビアニメ版とまったく同じです。劇場用にちょっと手を加えたなんてこともなく、オープンニングやエンディングまでそのまんま。なので、漫画もアニメも観ていない人がいきなりこれを観たら『無限列車編』以上によくわからないんじゃないかなと思います。映画というより、むしろ第3期に向けた壮大なプロモーションという印象が強く、それでよく劇場公開に踏み切ったなと思いました。僕はちょうど昨日、テレビアニメ版の『遊郭編』を観終わったばかりなので、同じものを2回連続で観たことになりましたが(笑)

<如実にわかるテレビと映画の違い>

正直、この作品単体だとかなりぶつ切りな感じはします。だって、第2期の10話、11話といったら鬼との戦いも終盤に差し掛かっていますし、続く第3期も1話だけ見せるという中途半端さですから。ただ、原作漫画もテレビアニメも観ている身からしたらやっぱり面白いんですよ。しかも、テレビアニメ版とまったく同じものを流しているので、正確にテレビと映画のどちらがいいかのABテストができるんですよね。今回、僕はIMAXで鑑賞したんですが、断然映画館で観る方がいいです!後ほど書きますが、『遊郭編』ってド派手なバトルがウリのひとつなんですよ。それが巨大なスクリーンで迫力ある映像とサウンドで見せられたら、そりゃもうテレビとは比較になりません。お金を払ってでも映画館で観る価値があると思いましたね。ファン向けに、テレビアニメを映画館で一挙上映してもいいんじゃないかって思いますよ。

<『遊郭編』の推しポイント>

これは今回の映画だけでは伝わりづらい部分もあるかもしれませんが、『遊郭編』全般を通じて僕が推したいところは2つあります。まずは、炭治郎の"あきらめなさ"ですね。上弦を相手に繰り広げられる死闘の数々。正直、戦闘能力的には敵の方が上だと思います。でも、炭治郎は常に自分にできることを考え、考え、考え、そして実行に移すということを愚直にやり遂げます。ただ体を動かして戦うだけじゃないんですよ。自分がどうしたいのか、どうしなければならないのか、頭をフル回転させて思考し続けています。それが心の声となってセリフとして発せられるから、観ている方も炭治郎の必死さが伝わってくるんですよね。彼はどんなに瀕死の状態になっても、最後まであきらめずに粘って粘って粘って勝利を手にします。普通だったらあきらめてしまいそうなところも、死に物狂いで食らいつきます。その執念のハンパなさには心を突き動かされます。

そして、もうひとつはバトルの派手さ。宇髄天元が派手好きっていうのもあるかもしれませんが、豪快なエフェクトとアクションはメチャクチャかっこいいんですよ!最後、宇髄は片腕になってしまうのですが、それでも妓夫太郎とシュバババババってハイスピードバトルを繰り広げちゃうんだから、柱の戦闘スキルの高さに圧倒されました。ufotableが作っているだけあって、『Fate』シリーズばりのバトルは『遊郭編』の一番の見どころだと言っても過言ではありません。

『刀鍛冶の里編』の推しポイント

続く『刀鍛冶の里編』は、2023年4月から放送開始予定ですが、今回の映画で一足お先にお披露目という感じでしょうか。戦いがひと段落して派手さはありませんでしたが、のほほんとした牧歌的な雰囲気にほっこりする一方で、上弦が一堂に会するシーンは圧巻でしたね。中でも一番すごいなと思ったのは無限城です。どこまでも吸い込まれそうなカメラワークはアニメならではだし、漫画ではなかなか感じにくい奥行きが出たことで、まさに「無限」の空間を肌で感じることができるリアルさがありました。これも映画館で観たからこその迫力だと思います。

<そんなわけで>

鬼滅の刃』が好きで、これまで原作漫画かテレビアニメを観てきた人にはオススメです!逆に、何も観てない人にはよくわからないと思うので、気になるなら漫画かアニメを先に観た方がよいかと思います。

それにしても、こう言ってはなんですが、最初にこの漫画を読んだときは、『るろうに剣心』や『彼岸島』、『NARUTO』、『BLEACH』の要素が強く出ているなって感じたんですよ。特に『るろうに剣心』と『彼岸島』に関しては、原作漫画にも似たようなシーンがあったので、以前いくつか見比べたりもしたんですが。。。(笑)あ、否定しているわけではまったくないです!ただ似ているなと思っただけの話なので。

『彼岸島』との比較
『るろうに剣心』との比較①
『るろうに剣心』との比較②
『るろうに剣心』との比較③

そういうこともあって、そこまでハマりはしなかったんですが、テレビアニメを観始めてから変わりましたね。アニメの方が過去の漫画の要素が薄れてオリジナル感が強くなったように感じられますし、なんといっても画がとても綺麗なんですよ!もう本当によくできているなと思って、『鬼滅の刃』という作品がだんだん好きになっていってるんです。おそらく、このまま最後までアニメはやるでしょうし、ラストはまた映画化するんじゃないかなーって思っていますが、何にせよこれからも楽しみですね!


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