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【ネタバレあり】妊婦さん鑑賞注意(笑)SFホラーという原点回帰を果たしつつ、過去作のハイブリッドのような作風でファンにはうれしい要素たっぷりだった『エイリアン:ロムルス』

【個人的な満足度】

2024年日本公開映画で面白かった順位:14/102
  ストーリー:★★★★★
 キャラクター:★★★★★
     映像:★★★★★
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★★★

【作品情報】

   原題:Alien: Romulus
  製作年:2024年
  製作国:アメリカ
   配給:ディズニー
 上映時間:119分
 ジャンル:SF、ホラー
元ネタなど:映画『エイリアン』シリーズ(1979-)
公式サイト:https://www.20thcenturystudios.jp/movies/alien-romulus

【感想】

※映画.comより引用。
人生の行き場を失った6人の若者たちが、生きる希望を求めて足を踏み入れた宇宙ステーション“ロムルス”。

だが、そこで彼らを待っていたのは、恐怖と言う名の絶望──寄生した人間の胸を突き破り、異常な速さで進化する“エイリアン”だった。しかも、その血液はすべての物質を溶かすほどの酸性のため、攻撃は不可能。

宇宙最強にして最恐の生命体から、彼らは逃げ切れるのか?

【感想】

※以下、ネタバレ。
エイリアン』シリーズにおけるスピンオフ作品ですが、通算でいうと第9作目。時系列としては『エイリアン』(1979)と『エイリアン2』(1986)の間の出来事であり、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)のような位置付けでしたね。なお、妊婦さんにはなかなかにショッキングな内容かもしれません(詳細は後述)。

<45年ぶりの原点回帰>

今回の映画は原点回帰をしたと言ってもいいと思います。というのも、作風が1作目に近いからなんですよね。1作目の『エイリアン』は、宇宙船のクルーに寄生したフェイスハガーからエイリアンが生まれ、船内の人間を次々に殺していくというSFホラー映画の金字塔となる名作でした。エイリアンの姿はほぼ見せず、人が死ぬ瞬間も匂わせ程度で、とにかく視覚的な情報があまりないんですよ。だから、「いつ殺されるか」というスリルと恐怖がより際立っていました。2作目以降は、ホラーテイストが減り、人間とエイリアンのバトルがメインのアクション映画の要素が増えていきます。だから、今回は1作目の公開から実に45年ぶりに、あのスリルと恐怖を味わうことができるんです。誰もエイリアンという存在を知らず、戦闘訓練を受けていない一般人が、いつどこから来るかもわからない未知の生物と戦うのは1作目に近い作りだなと感じました。

<バトル部分は2作目の要素も受け継いでいる>

ところが、この映画が受け継いだのは1作目だけではないんです。途中からエイリアンの数も増え、それに対して武器で応戦するシーンもふんだんに盛り込まれるので、まさに2作目の要素もバッチリ入っているんですよ。あのパルスマシンガンの「バリバリバリバリ」という効果音には懐かしさを覚えました(笑)また、今回は無重力バトルといった今までにない戦い方もあって新鮮でしたし、過去の要素を取り入れつつも新しい工夫もあってとても見ごたえがありましたね。

<ラスボスに驚愕>

そして、びっくりしたのが終盤です。もともと、このシリーズでは人類が宇宙の他の惑星へ入植するという設定のもとに描かれているのですが、それがあんまりうまくいっていないんですよ。すぐ病気になって死んじゃったりして。そりゃ地球とは環境が違いますからね、十分に理解できる話です。それを解決しようと、シリーズに登場する悪徳企業ウェイランド・ユタニ社は、人間そのものをパワーアップしようと目論んでいました。その流れで、なんとエイリアンのDNAを人間に打ち込んで強化人間を作ろうとしてたんですよ。その化合物はすでに完成していて、今回、仲間のひとりが妊婦なんですが、彼女はエイリアンに襲われて負傷していたこともあって、それを自ら打っちゃいます。そうしたらお腹が急速に膨れ上がり、卵を産み落とし、中から人間とエイリアンのハーフのようなクリーチャーが誕生してしまいます。ここの出産シーンはなかなかエグいので要注意。。。これが妊婦さん要注意と書いたゆえんです。

実は、4作目でも似たようなことがありました。1作目から3作目までの主人公であるリプリーのクローンであるリプリー8号(シガニー・ウィーバー)がその4作目の主人公なんですが、彼女のDNAを宿したエイリアンが、エイリアン・クイーンから生まれたのです。これは母体がエイリアンで、そこに人間のDNAが入ったため、人間の骨をモチーフにしたエイリアンという何ともグロテスクなクリーチャーが出てきたんですよね。今作では、母体が人間でそこにエイリアンのDNAが入ったこともあってか、その逆の姿です。ほぼ人間のような姿形ではありますが、体長は3m近くあり、動きはエイリアンっぽいうこれまた気持ち悪いクリーチャーです。どちらを母体にするかで、人間かエイリアンか、どちらに寄るのかっていう違いが興味深かったですね。

<過去作は観ていなくてもまったく問題なし!>

他にも、シリーズを通して重要な役まわりであるアンドロイドにまつわる部分にもサプライズがあったり、ラストバトル直前のレイン(ケイリー・スピーニー)の置かれた状況がが1作目のリプリーまんまだったりと、これでもかってぐらい過去作を意識する作りになっていました。振り返ってみると、今回の映画は確かに過去作からの踏襲が多い作品ではありましたが、あくまでも表現がそうなだけであって、ストーリー的な部分でのリンクはほとんどないので、過去作を観ていなくても問題なく楽しめますのでご安心ください。とはいえ、時間があれば、1作目だけでも観ておくことをオススメします。

<そんなわけで>

宇宙船という限られたスペースと、小惑星に衝突するというタイムリミットがある中で、人類をはるかに凌ぐ生命体と戦わなければならない無理ゲーな設定がとても面白い映画でした。スリルと恐怖を味わい人はぜひ劇場へ!僕はビビリなので、何回も「ビクッ」って体が動いてしまいました(隣の席の人、ごめんなさいw)。

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