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自衛官一家がハワイで実弾射撃をしてみたら、幹部自衛官の父が圧勝だった話

はじめましての記事に書いているが、我が家は、父・母・私・兄弟全員が陸上自衛官という自衛官一家である。

そんな自衛官一家が、私を訪れて初めてハワイへ来た時に、実弾射撃へ行こうという話になった。もちろん全員が射撃の経験者であるが、現役時代は皆違う駐屯地での勤務だったため、一緒に射撃をしたことはない。旅行の思い出に、腕を競ってみることにした。

場所は、ワイキキにあるWaikiki Swat Gun Club。
受付でコースを決めるのだが、ゲーム感覚であるため1番安いコースでいいか、ということになった。

すると受付の日本人のお姉さんに『このコースの弾は、火薬量が実弾の半分しかない弱い弾ですけどよろしいですか?』と、3回くらい聞かれた。しかし、実弾を飽きるほど撃ってきた私たちは、逆にその「弱い弾」の方に惹かれた。弱い弾とは、どれくらいの弱さなのだろう…?
話し合った結果、満場一致で『いや、弱い方がいいです。逆に!』『弱い弾を撃ってみたいです。逆に!』と、1番安いライフルのコースを選んだ。お姉さんからすれば、一体何が逆なのかは分からないであろう。

射撃はA3サイズほどの紙に印刷された的を撃つのだが、的が印刷されたTシャツを購入して撃つこともでき、射撃後は記念に持ち帰ることができる。

支払いを終え、射撃場へ向かう。到着すると恰幅の良いアメリカ人のおっさんがやって来て、片言の日本語を交え、銃の操作方法、銃の持ち方や構え方などの説明をしてくれた。射撃の基本中の基本だったのだが、『知ってます。』と言うと説明が色々と面倒なので、皆で『OK』『OK』を連呼し、流すように聞いた。

鼓膜が破れないようにヘッドホンをし、いざ、射撃開始。


ターン、ターン、タターン


ヘッドホンの向こうから、みんながリズム良く撃つ音が聞こえてくる。
訓練ではないが、やはり銃を撃つ緊張感を伴いつつ引き金を引く。


…あたった。

あたりまくった。


それはそうだ。実弾より火薬量が少ない弱い弾なので、撃った時の反動が少なく銃芯がブレない。楽勝である。火薬量が半分だと、こんなに射撃は簡単なものなのか…!自衛隊の訓練も、火薬量半分でしてくれればいいのに。

恰幅の良いアメリカ人のおっさんも、私たち一家の当たり具合を見て、何度も『Oh my god!』『Oh, my, goodness.』と言っていた。

そしてこちらが、射撃後に持ち帰った的である。

父の的は穴数がやたらと少なく、てっきりはずしまくったのかと思ったら、同じ部分に弾が当たりすぎていただけであった。自衛隊歴も数十年になるとそんなことが起こるのか。やはり父にはかなわない。

そういうわけで、自衛官一家がハワイで実弾射撃をしてみたら、幹部自衛官の父が圧勝であった。


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