『強すぎる数え歌』 # 毎週ショートショートnote
京都の数え歌と言えば、碁盤の目の通り名を歌にした「通り唄」だ。
御所の南、丸太町通りから始まる「まるたけえびすにおしおいけ」
この東西の通りの「通り唄」は有名だ。
だから、これを知っているからと言って、京都人になりきれるわけではない。
しかし、南北の通り歌となると、あまり知られていない。
お教えしよう。
「てらごこふやとみやなぎさかい
たかあいひがしくるまやちょう
からすりょうがえむらごろも
しんまちかまんざにしおがわ
あぶらさめがいでほりかわのみず
よしやいのくろおおみやへ
まつひぐらしにちえこういん
じょうふくせんぼんさてはにしじん」
こうして書くとお経のようだが、でも、これを完璧に歌うと、強すぎてかえって疑われる。
さてどうしたものか。
「千本三条から四条大宮を結ぶ後院通りは、市内で唯一の斜めの通りなんだよ」
これくらいにしておけば、京都人のふりをしても怪しまれることはない。
「後院通りは市電のためにできた通りなんだ」
これは欲張りすぎだ。
※ためになるショートショート、と言うのは嘘です。
今回は思い浮かばずに、歌詞で字数を稼ぎました。
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