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映画「モービウス」を見て

映画「モービウス」見てというタイトルだが、映画の話ではない。
映画そのものは、マーベルの新しい作品なのでぜひ見て欲しい。
簡単に言うと、主人公のマイケル•モービウスが吸血鬼(みたい)になってしまうという話。
吸血鬼といっても、十字架に弱かったり、ニンニクが嫌いだったりする、棺に入ったあれではない。
もちろん、青春を謳歌するやつでもない。

さて、映画「モービウス」を見て考えたのは、こういうことだ。
この映画にも出てくる吸血コウモリは、果たして実在するのだろうか。
いつも、吸血鬼の話になると呼んでもいないのにお約束のように出てくるあいつは、本当にいるのだろうか。
日本にもコウモリはたくさんいる。実際に何度も見たことはある。
しかし、あいつに血を吸われたという話は聞いたことがない。
都市伝説ではないのか。

そこで、ざっと調べてみた。
ざっとというのは、ネットでざっとで、裏付けは一切ない。

世界には約960種類のコウモリがいる。
日本ではそのうちの35種類が確認されている。
その約960種類のコウモリの中で、血を吸うコウモリは確認されているのか。

それが、いるのだ。
3週類のコウモリが血液を餌にしている。
ナミチスイコウモリ。
シロチスイコウモリ。
ケアシチスイコウモリ。
ただし、この3種類が生息しているのは、南北アメリカ大陸。
映画の中でも、コスタリカにコウモリを採集しに行くシーンが出てくる。
日本には生息していないので、まずはひと安心。

これらのコウモリが血を吸うのは、主に鳥類や家畜からとされている。
吸血といってはいるが、実際には血をチュウチュウと吸う訳ではない。
鋭い歯で噛み付いた後、そこから流れ出る血液を舐めるように飲むらしい。
唾液に血液の凝固作用を妨げる物質が含まれていることも、映画の中で触れられている。
犬が水を飲むような感じだろうか。
いや、化け猫に近いかも。
こちらの方が恐ろしい。

この吸血コウモリが人間を襲うことはないのか。
あるのだ。
現在、人間の血を吸うことが確認されているのは、ナミチスイコウモリとケアシチスイコウモリの2種類とのこと。
ただし、死に至るまでの大量の血を奪われるようなことはなさそうだ。
それよりも恐ろしいのは、そこから狂犬病に感染するケースは多くあるらしい。

では、ヨーロッパには生息していない吸血コウモリがドラキュらのような吸血鬼とどのようにして結びついたのか。

吸血鬼伝説は世界各地に存在している。
主には、死者が蘇り、生きている者の血を求めて襲いかかる。
襲われた者も、吸血鬼と化していく。
ほとんど、ゾンビに近い。
それが、コウモリと関連づけられたのは大航海時代というから、15世紀から17世紀のこと。
南米にたどり着いたスペイン人が血を吸うコウモリを発見して、ヴアンパイアと名付けたことに由来するらしい。

ヨーロッパではその後、いくつかの吸血鬼を題材にした小説が発表された。中には、女性の吸血鬼の物語も登場した。
そして、1897年にブラム•ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」が発表されて、ほぼ現在の吸血鬼のイメージが確定された。

「モービウス」でも、主人公は吸血鬼化するが、こちらはどうやら次々と感染していくタイプではなさそうだ。
まだ、1作目なので、はっきりはわからないが。

今のところ、日本には吸血コウモリもモービウスもいない。
しかし、油断は禁物。
夜道は気をつけたほうが無難だ。

なお、今回も重要なおまけ映像があるのでお見逃しなく。
あれを見ると、次の作品を見ずにはいられなくなるし、また前の作品も見直したくなる。
マーベルは、ずるい。



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