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新しい形の読書会 ABD(アクティブ・ブック・ダイアローグ®) やってみました

 6月14日、自著『楽天IR戦記』で、新しい形の読書会であるABD (アクティブ・ブック・ダイアローグ®)を開催しました。発売日でもあるこの日、社外役員を務めるアライドアーキテクツの会議室で、マザーズ上場企業のIR担当者など、10名が集まりました。

ABDとは

ABD (アクティブ・ブック・ダイアローグ®)とは、一冊の本を

 分担して読み、要約し、プレゼン発表をする。
 それをベースにダイアローグ(対話)する、

という、まったく新しい読書会のスタイルです。ABDが広まったきっかけは、少し前に話題になった『ティール組織』(フレデリック・ラルー著)だそうです。574ページあるこの本を通読するのには時間もかかります。研修等で読ませたいが時間もかかるし、挫折する人も出てくる。ということで、「その場で少しずつ分担して読む」この形式が人気となったそうです。
(詳しくは、公式サイトをご覧ください)

深くてダイナミックな理解方法

 私は著者なので、要約には参加せず、9名が128ページ(11章あるうちの6章)を分担し、45分程で読んでB5の紙にまとめ、壁(写真ではガラス)に張り出しました。順番に3~4分でプレゼンし、その後張り出された紙を見ながら質問をピックアップし、質疑(対話)を重ねる、というやり方です。

 まず、プレゼンされてみて思ったことは、「もう一度本を読んでいるよう」ということでした。著者の私でも、別の人から聞く要約は、新鮮で面白く感じました。
 質疑を行ってみると、皆さん、質問が深い。自分の分担で読んだ部分以外のところでも、「これはどういうことなんだろう」「詳しく聞きたい」という欲求が出てくるようです。これはきっと、通読するには数日(人にも本にもよりますが)掛かってしまうものが、他者の要約を通じて「今聞いた」新しい知識になるからではないでしょうか。ダイナミックな議論になった気がします。
 私の本は、物語をベースにノウハウが埋め込んであるような形式なのですが、物語の臨場感をすっとばしても、それなりに読めることもわかりました。
 さらに、IR担当者という、共通のバックグラウンドを持ち、特にこの本の内容に関心が高い人が集まったことから、参加者間での質疑応答も多く生まれました。これこそ、私の期待していた、「書かれた本の内容をベースに、知恵を積み上げる」ことでした。

次への課題 

 一方で、タイムマネジメントの難しさも感じました。
 当初は30分で行う予定だった読んで要約する時間は、45分以上になってしまいました。読む量が多かったのかと後で聞くと、要約する時間の方が足りないようです。紙とペンという形式が慣れない、という人もいました。
 プレゼン時間も2分の予定が3分から4分になってしまいました。ピッチは短ければ短いほど難しいのは承知ですが、2分はなかなかハードルが高いようです。仕事柄、20分から30分くらいのプレゼンを作る参加者が多かったのですが、最初の2分で投資家の心を掴めるIR担当者になったら格好いいですよね。
 ABDは要約力やプレゼン力を鍛える研修にもなりそうです。採用面接にABD使えるんじゃない?という声も。

 最後に、とっても楽しかったことを申し添えます。またやります。

 

IR(インベスター・リレーションズ)の経験などに基づいたテーマで記事を書いています。幅広い層のビジネスパーソンにも読んでもらえたら嬉しく思います!