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11/23 RBNZ金融政策決定会合の解説

RBNZは0.75%利上げを決定し、政策金利を3.50%から4.25%へ引き上げました。市場でも0.69%織り込まれていましたのでほぼ予想通りです。次回会合の2月までかなり間があいてしまうため、0.75%の利上げは予想していましたが、0.5%ではなく1.0%の利上げを考慮していたことが明らかになりました。これで主要中銀の中ではFRBの4.0%を抜いて最高となりましたし、他の中銀が利上げペースの減速を示唆する中では、かなりタカ派寄りの印象です。

またRBNZは四半期に一度の政策金利見通しを上方修正しました。利上げの最終到達点(ターミナルレート)は前回8月時点の2023年第2Qの4.1%から2023年第4Qの5.5%に引き上げましたが、これは市場の織り込みの5.2%を超えるものとなりました。
RBNZは事前想定よりも利上げを行わなければならない理由として、短期的な中立金利が上昇していたことを指摘しました。
同時に、インフレ見通しも、2024年後半まで前年比ベースで1-3%ターゲットを上回る状況にて推移するという予想に上方修正しました。

市場の反応
発表直後NZDUSDは0.6140から0.6190まで急騰しましたがすぐに戻されました。その後LDN勢が参入してから再度高値を更新しましたが0.6200目前で力尽きて再び下落しています。
日柄的に明日FOMC議事録が控えていること、その後サンクスギビングのロングウィークエンドとなることなどからNZDを買う余力はなかったということだと思います。
ただ、RBNZのタカ派スタンスは主要国だけでなく新興国含めても目立ちます。市場が落ち着いたら再びNZD買い圧力は再開すると考えます。ただ、年末・決算期末を控えて、既に利益を確定して投資家は参入してこないでしょうから、そこまで一方的に上がることは難しいかもしれません。また次回米CPIに向けて再びUSD買いトレンドが強まることも考えると、USDリスクを排除してNZDクロスのロングが安心でしょう。
一旦AUDNZDの短期ロングはタイミングを見計らって脱出する予定です。ただ、AUDNZDに関しては10月から既にRBAとRBNZの中銀の方向性の違いにベットした材料で相当売られていますので、ここから更に下がることもなく、一旦1.1000程度までの反発なら十分にあると考えています。

余談ですが、ニュージーランドのおよそ90%近いモーゲージは固定金利となっているため、金融引き締めの影響が家計に与える影響は遅れ気味になる可能性が高く、見た目上経済指標にもそのように表れるとRBNZとしては、引き締めの効果を実感できずに、引き締め期間が延びてくるという風になりがちなので、中長期的に見てNZDは来年の相場に向けてロングを仕込むタイミングを図りたいと考えています。

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