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二極化している業種を分析すると「地の時代」と「風の時代」に分けることができる。そして勝者は「風」である!

 二極化している業種(カテゴリー)を分析すると「地の時代的ビジネス」と「風の時代的ビジネス」に分けることができます。

 例えば、自動車業界なら「電気自動車」と「ガソリン車」です。それを分析すると、「電気自動車には将来性があり、ガソリン車の将来性は低い」と考えることができますね。電気自動車もガソリン車もどちらも車です。同じ「車」なら、双方に同じように将来性があっていいと感じるものです。しかし、現実はそうではありません。その理由を探ると「地の時代的ビジネス」と「風の時代的ビジネス」で分析することができます。(自動車業界については後述)

 自動車業界のみならず、二極化している業界を見ていくと興味深い結果が得られます。共通して言えることは、好調な方は「風の時代的ビジネス」不調な方は「地の時代的ビジネス」という特徴があるという点です。

 それでは見ていきましょう。

車:電気自動車VSガソリン車

→「電気自動車とガソリン車と風の時代」で解説
日本ではまだ原発ですが、新時代の電気自動車のエネルギー(電気)は、風や太陽(空気を通してくるので風に乗ってくるようなイメージ?)です。つまり、エネルギーが「風の時代的ビジネス」なのです。それに対しガソリンは「地」から取り出すものです。まさに「地の時代的ビジネス」です。そして今、期待されているのは電気自動車なのです。

宿泊:民泊VSホテル

→「Airbnbとホテル経営を時価総額から考える」で解説
インターネット上で、民泊のための施設と宿泊する顧客を引き合わせているAirbnbは「風の時代的ビジネス」ですね。一方、ホテル業界は「ホテル」という建物・施設を保有しないと営業できません。後者はまさに「地の時代的ビジネス」です。そして今、時価総額で勝利しているのはAirbnbなのです。

食:レストラン・居酒屋VSテイクアウト・フードデリバリー

人間が食事をしないと生きていけない以上、「食」に関するビジネスが衰退することはないでしょう。しかし飲食業は、新型コロナウイルスの蔓延により特に影響を受けた業界の一つです。レストランや居酒屋などの営業は厳しく制限を受けていますね。一方、テイクアウトに関する制約は大きくありませんでした。さらにいうなら、外出自粛期間中も、フードデリバリーにおいては大盛況でした。米国では、なんと2020年12月にフードデリバリーの会社「Door Dash」が上場しました。飲食業が特に厳しい時代に上場したのですから、フードデリバリーがどれほど好調なのかよくわかります。レストランや居酒屋もホテルなどと同様の「地」の上にある店で営業しなければならないため「地の時代的ビジネス」と考えられます。その店を丸々移動するのは容易ではありません。お客様もそのお店の外に食事を持ち出して食べることはできません。それに対し、テイクアウト・フードデリバリーは、いつも食べ物が移動しているため「風の時代的ビジネス」と考えることができる。

学習:留学VSオンラインでの語学学習

新型コロナウイルスの蔓延により、留学が難しくなりました。だからといって、世界中の語学学校が廃校になっているかというとそうではありません。代わりにオンラインでの語学学習が主流になりました。「留学」には移動が欠かせません。現地に行かずに留学するのは難しいものです。まさに留学とは「地の時代的な活動」でしょう。それが「移動することなくオンラインでネイティブから語学が学べる」のです。「風の時代的な活動」です。なんて便利なのでしょう! もちろん、留学の楽しみの1つである「現地での楽しみ」は体験できません。しかしオンラインで容易かつ安価に学習できるため、より多くの人がネイティブと会話をするチャンスが増えたといえます。つまり、風の時代になりますますグローバル化が進むという意味なのかもしれませんね。

空を飛ぶ:飛行機VSロケット

→「飛行機✈️とロケット🚀と風の時代」で解説
やや強引な考え方かもしれませんが、2020年を振り返ると、「地上と地上を結ぶ輸送機」である「地の時代的ビジネス」の飛行機は厳しい状況に置かれましたが、「地上と宇宙空間を結ぶ輸送機」である「風の時代的ビジネス」のロケットは、民間宇宙会社の有人飛行が成功し、新たな時代の一歩を踏み出しました。今年は、国際宇宙ステーションでの映画撮影も予定されているそうです。宇宙ビジネスが成功している象徴ですね。

お金:法定通貨VS仮想通貨

→「地の時代の法定通貨、風の時代の仮想通貨(暗号資産)」で解説
法定通貨は、その国が作り、その国で使われるものです。まさに「地の時代の通貨」といえるでしょう。それに対し仮想通貨(暗号資産)は、実態のあるものではなく、インターネット上でやり取りするものです。「風の時代の通貨」と考えることができる。そして、今、ニュースで話題の通貨、それは仮想通貨です。

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 ここからは少し視点が異なりますが、実に興味深い企業の事例です。誰もが知るウォルト・ディズニーです。遊園地は今なお緊急事態宣言などが発令すると「誰が行っているの?」とマスコミに注目されやすい施設の一つです。しかし単純に「新型コロナウイルスの蔓延=遊園地の危機」と見ていると、大きく見誤ることになります。

ウォルト・ディズニー:遊園地VS動画配信

私たちにとって「ディズニー」といえば、遊園地ですね。新型コロナウイルスの影響を大きく受けたビジネスの一つです。遊園地といえば、簡単に移動できるものではありません。「舞浜からそのまま大阪に引っ越そう」はできません。まさに「地の時代的ビジネス」です。新型コロナウイルスの影響を受け、米国のディズニーも休園になりました。従業員削減のニュースも日本で大々的に報じられました。ですが、ウォルト・ディズニーにはもう一つ大きなビジネスがあります。それは動画配信です。今、こちらが躍進しています。ネット経由で配信する動画なので「風の時代的ビジネス」といえるでしょう。昨年4月、ウォルト・ディズニーの時価総額はNetflixに抜かれました。しかし現在ではまたウォルト・ディズニーの方が上位にランキングされています。一つの会社で明暗が分かれた事例です。

 いろいろな業種をご紹介しました。このように分析してみると非常に興味深いものではないでしょうか。

 以前、「「風の時代」のビジネス」でも書きましたが、「これからビジネスを行う上で迷うことがあったら(例:マーケティングなど)、「地」の手法ではなく「風」の手法を選べばいいということかもしれませんね!」は正しいのかもしれませんね😊

* 最新情報を追加 *

 以前は面白い話題があったら随時書いていた「風の時代のマーケティング」ですが、順序立てて理論的に執筆していこうと思い、2021年2月から連載にしました。ご興味のある方はぜひお読みくださいね。


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