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これからYoutubeをビジネス活用するためのプライバシールールで気をつける事

昨年末から一部のYoutuberの間では子供向けコンテンツの利用規約に関する話題が数多く発信されていました。

GoogleがFTC(連邦取引委員会)によって保護者の同意なしに子どものプライバシーを違法に収集したとして昨年9月に1億7000万ドルと問題修正を条件に和解した事が今回の発端です。

そして、今年の6日にコンテンツに関する新ルールをグローバルで公表する事になります。

今回は子供のプライバシーにまつわる情報の取り扱いの大きな変化と、これからの対策に関してこれまでの経緯を含めて紹介したいと思います。

子供のプライバシー規制に対する変化

Google、その傘下にあるYoutubeが保護者の同意なしに子供のプライバシーを取得したとして米連邦取引委員会(FTC)、ニューヨーク司法長官から提訴されていた問題に対して和解金が支払われた事に端を発します。

昨年9月に1億7000万ドル(約180億円)を支払い、COPPA(児童オンラインプライバシー保護法)に即したシステム開発及びトレーニングを条件として和解しました。

発端は子供向けのチャンネル(特定のブランドチャンネル)の視聴者に対して親の同意なくCookieを通じて情報を取得し、さらにターゲティング広告で数百万ドルの収益を上げていたとFTCが申し立てた事に始まります。

和解金騒動以来、GoogleはYoutubeでの子供のプライバシーに関するポリシーの変更、及びシステム変更に関して取り組みを行ってきました。

Cookie対策などもその一つで、前回の記事で紹介したGoogleの個人情報戦略の中にも含まれています。

システム変更に伴い多くのクリエイターが全世界で影響を受ける可能性があると発表されています。

Youtubeにおける子供向けコンテンツの視聴状況

子供向けのコンテンツへの規制はこれからも徐々に厳しくなっていくだろうと予測されています。

一方でYoutubeを通じて新しいコンテンツを発見する事に関しては、保護者の間で一定の理解が得られているもの事実です。

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(出典:Many Turn to YouTube for Children’s Content, News, How-To Lessons

Pew Research Centerが公表しているアメリカの保護者のYoutubeに対する意識調査では、81%が子供向けにYoutube視聴機会を設ける事に理解は示してるという結果になりました。

一方で半数以上が視聴するコンテンツが子供向けに最適化されていないと感じている事も事実で適切なコンテンツを視聴できる環境作りが求められます。

韓国では子供向けのコンテンツを配信するYoutuberがトップ10に4人もランクインしており、アメリカだけでなくコンテンツの最適化は各国で議論が広がっていくと考えられます。

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(出典:Kids are Korea's YouTube Stars

日本でも男子中学生の将来なりたい職業にYoutuberがソニー生命の調査でトップに上がるなど子供の将来に与える影響も年々大きくなりつつあります。

影響が広がれば広がるほどコンテンツに対する意識が高まっていくと考えられるので、法律をきっかけに整備を行っていく時期に差しかかりつつあります。

子供のプライバシーに対するYoutubeの対応策

今年の6日にGoogleはYoutubeは予定していた子供向けコンテンツに関する新ルールをグローバルに展開始めました。

昨年の12月10日には先駆けて利用規約の更新を行っており、規約によるとクリエイターは自分のコンテンツが子ども向けかどうかを指定する必要があります。

クリエイターが指定しない場合にも、機械学習を通じてコンテンツの精査をシステムが行い設定を変更する可能性があります。

子供向けのコンテンツかどうかの判断基準に関しては、Googleがヘルプページで公表しています。

最も影響が大きいと考えられるのがYoutubeでの広告に関する変更点で主に以下の内容に集約されるだろうと考えられます。

コンテンツはYoutube Kidsアプリに集約

米国では2015年から子供向けのコンテンツに特化したアプリを展開してきました。

今後はコンテンツ自体を集約し、全ての子ども向けコンテンツにYouTube Kidsのプロモーションが表示される計画で進んでいます。

ターゲティング広告表示の停止

広告自体は引き続き提供されますが、特定の個人ではなくコンテンツを基準とした広告配信へと変更が行われる事になります。

考えられる影響としては、これまで視聴者の趣向に合わせて配信されていた広告がマス広告同様にコンテンツに合わせて表示される事になります。

個人を特定するサービスの停止

チャットやコメント、通知など個人を特定することができる機能に関しては停止する予定です。

子供向けチャンネルの機能削減

チャンネル全体が子供向けの場合はこれまで実装されていたストーリーなどの機能も停止されます。

要約すると個人を特定する可能性のある機能を停止し、ユーザーを特定しない形での広告運用を行っていく計画です。

今までターゲット広告を中心に子供向けコンテンツで収益を上げていたクリエイターに対しては非常に大きな影響が考えられるため、コンテンツの見直しとチャンネル登録の精査が必要になります。

多くのクリエイターが子供向けのコンテンツ視聴をターゲットに行なっていると考えると今回の変更は数多くの個人、企業に影響を与える事になります。

今後のYoutubeの対応とその他の業界の動き

YoutubeのCEOスーザン・ウォシッキー氏はCOPPAのルールに準拠していく上でクリエイターにとって非常に厳しい状況になっていく可能性があると発表しています。

多くのクリエイターは法的に自身のコンテンツが子供向けなのかどうかの確認やレビューを行う必要性もあり収益性にも多大な影響を及ぼす可能性があります。

Youtubeは公式ブログを通じて "個人を特定するデータの取得は限定的になる "とも発表しており、ターゲティングを始めとする広告モデルが変化していくだろうと予測されます。

FTCの発表によるとクリエイターは新しいシステムに対応せず法的に違反を行なった場合に民事罰として最大違反ごと4万2530ドル(約460万円)の罰金を課される事になるとしています。

コンテンツ業界からはディズニーなど各社が対応を始めており、新しいプライバシー規約に沿った形での取り組みを進めつつあります。

今回の発表はあくまで初期段階の対応に限られるので引き続き動きをウォッチしていく必要があります。

子供のプライバシーに関するその他の変化

子供のプライバシーに関する議論はCOPPA以外でも数多くの分野で行われています。

1月に始まったCCPAではカリフォルニア州司法長官ザビエル・べセラ氏が施行後初期の6ヶ月に渡りコンプライアンスに関するレビューを行い、特に13歳以下の子供向けの親の同意、及び13〜16歳のプライバシーの取り扱いに注視していくと発表しています。

またイギリスでは情報コミッショナーオフィス(ICO)が2018年より "the Age Appropriate Design Code" と呼ばれるデータ保護の法律でオンライン上での子供のプライバシーに関するルールメイキングに動いています。

ここでは15の標準規則を明示し、システムを設計する際のデフォルトとして定義する検討が進んでいます。

特に個人での同意が難しい子供のプライバシーに関して取り扱いがより一層厳しくなる動きは世界中で進んでいくだろうと考えられます。

Youtubeをビジネス活用するためのプライバシールールで気をつける事

以前のブログで取得データによって同意の定義が異なるという内容の投稿を行なったと思います。

広告データに関しても同意を明確に取ることが難しい子供のプライバシーに関しては、親の同意やターゲティング廃止など新しい動きが始まってきています。

これは広告業界だけでなく、子供、ファミリー向けにビジネスを展開する企業にとっては非常に大きな影響を与える可能性があります。

日本国内では現時点で大きな動きになっていませんが、特にグローバルプラットフォームを活用してコンテンツビジネスを行なっている企業はアップデートに注視が必要です。

※一部法的な解釈を紹介していますが、個人の意見として書いているため法的なアドバイス、助言ではありません。

引き続きCOMEMO記事を読んで頂けると嬉しいです。

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