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サムスンが進めるデータインフラビジネスと異業種への参入の秘策とは?

テーマ毎に海外企業の事例シリーズの第8弾!

今回は、

「他業種からブロックチェーンを活用した金融分野への参入事例」

をテーマに紹介します。

ブロックチェーンを活用して生まれる将来のビジネスコラボレーションに期待です。

今回取り上げるのは韓国のコングロマリットサムスングループの話。

サムスングループとは

サムスンは1938年にイ・ビョンチョル氏によって設立されました。

設立当初は貿易取引を中心に行っており、乾燥した魚や食料品、麺類などの取り扱いを行なっていました。

1950年代に入り朝鮮戦争が始まるとソウルから場所を釜山に移し、当時最も需要が高かった砂糖を生産する第一製糖と衣服を提供する第一毛織を設立します。

ここから様々な業種に幅広く事業の拡大を行い、社会全体が成長していく上で必要な事業を手がけていく事になります。

(出典:History of SAMSUNG | Since 1938 | 4K)

1960年代に入ると電機製品関連の需要が拡大するに合わせて、サムスン電子やサムスン電機、セミコンダクター、通信などにも進出していきます。

1987年に創業者のイ・ビョンチョル氏が亡くなってからはグループ全体が大きく4つに別れていく事になります。

サムスングループ、新世界百貨店、第一製糖、ハンソルグループへとそれぞれが独立して分岐していきます。

サムスン電子は研究開発、製造への投資を拡大していくようになり、80年代にはポルトガル、ニューヨーク、東京、イングラインドへと進出を加速していきます。

1990年代に入るとインテルに次ぐチップメーカーとして世界でも優れた生産を誇るなど数多くの事業で拡大を見せてきました。

1997年に起きたアジア経済危機の際には他の財閥系企業と比較すると被害は少なかったものの数多くの既存ビジネスを売り払う事になります。

(出典:[4 Angles] 20 Years After IMF Crisis)

一方でこれを期にグローバル経済と連動した新たな成長の機会として数多くの取り組みをスタートしていく事になります。

2000年代にはデジタルTVやスマートフォンの展開を推し進め、2012年には世界最大のモバイルメーカーとして君臨するようになります。

モバイルだけでなく、スマート家電やIoT分野などでも次世代の技術として様々な角度からの開発を進めています。

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(出典:[Infographic] History of Samsung Things)

2015年のCESではサムスンのBK Yoon氏からIoTデバイスを中心とした新しい経済圏を拡大していくと発表され、これまでの家電の歴史に新しい展開を提供すると計画されています。

サムスンが進めるデジタル戦略

5Gなどの外部環境が変化していく中でモノのデジタル化はさらに加速していきます。

サムスンSDSではサムスングループで提供する様々な分野でのデジタル化の推進を行なっています。

(出典:Introducing Samsung SDS - Realize your vision)

IT分野の開発がグローバルで広がっていく中で、特定の分野だけでなく産業全体がデジタル化を推進していく際のビジネスソリューションの提供を行っています。

サプライチェーンやロジスティックス分野、小売やスマートファクトリーに至るまで様々な分野へとデジタル技術導入を促進していくことがミッションです。

例えば、スマートシティ分野では都市向けの街灯ソリューションなどを展開するTelenaと連携して、SDSが提供するBrightics IoTプラットフォーム内と連携したエネルギー効率化プログラムをスタートするなどオープン戦略も広げています。

(出典:SAMSUNG SDS Brightics IoT - Discover critical business insights)

人工知能やIoT分野向けのソリューションのみならず、サムスンSDSではブロックチェーン技術の開発も現在進めており様々な分野との連携を進めています。

ブロックチェーンを活用した異業種への参入

サムスンSDSは様々なテクノロジーの導入を促進している中で、金融関連の技術開発も進めています。

独自のブロックチェーン技術であるNexledger技術に加えて、Nexfianceという統合型のソリューションサービスの展開を行っています。

(出典:How Blockchain Is Changing Finance - Samsung SDS Nexfinance)

ブロックチェーン技術をベースとして実装されたアプリケーションを通じて支払いの認証が自動で行われる設計になっており、個人のIDに紐づいて様々な金融サービスにアクセスすることができるようになります。

これまでユーザーは金融サービスにアクセスするためにそれぞれのIDを作成して認証、契約を行う必要がありました。

サムスンSDSが提供するソリューションを活用することで、作成した個人のIDに各金融サービスが紐づく事になりユーザーはシームレスにサービス利用が可能になります。

(出典:How to apply blockchain technology to your business - Nexledger demo)

これまではIoTなどのセンシング関連の技術を中心にソフトウェアでも展開してきましたが、ブロックチェーンデータ基盤を中心にビジネスモデルを構築する事によって金融事業への展開も進めています。

ブロックチェーンを活用する理由

サムスングループの戦略としてはブロックチェーン単体としてビジネスを展開するのではなく、共有のデータ基盤と捉えて様々なアプリケーションを開発する事で異分野へのビジネスを可能にしています。

サムスン自体の精神が産業の成長と共に発展してきたこともあり、データ産業は次の大きな成長の軸として捉えていることが大きなポイントです。

共有のデータ基盤として分散型ネットワークを活用する
個人がIDを管理する仕組みを提供することで個人を中心としたビジネスモデル設計を実現する

以上の点が大きなポイントになると考えられます。

さらに銀行間向けの認証の仕組みを提供するなどこれまで金融機関ごとに垂直型で統合されていたサービスが水平型に利用できるようなソリューションの展開も進めています。

重要なポイントとしては時代に合わせてビジネスモデルを変化させていくことが重要な中で分散型のデータインフラを抑えるという事が将来どれだけのビジネスインパクトがあるのかというポイントです。

モバイル分野で一つの領域のNo.1を取ったサムスンが新たな分野でもインフラを狙いながら戦略を進めているというのは非常に大きな変化ではないかと考えられます。

新規事業で参考にしてほしいポイント

今回のケースでは以下のような事業を展開している企業の方にも応用ができると考えています。

モノづくりからデータを通じた新しいビジネス領域への参入
データインフラを通じてプラットフォームビジネスを検討

この他にも様々な分野で応用できる分野はあると思うので、是非事業を考える上で参考にして頂けると幸いです。

最後まで読んで頂きありがとうございます!次回をお楽しみに!

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