名称未設定のノート-4

マネジメントは「知識と経験のハイブリッド」であるべきだ、と思った件

今回のテーマは「組織行動論」
このテーマは個人的に人生のテーマになってる領域なので、真面目に取り組みたいと思います(いつも真面目DEATH)

今回の課題図書はこちら

●HIGH OUTPUT MANAGEMENT~人を育て、成果を最大にするマネジメント

●【新版】動機づける力―モチベーションの理論と実践

●自律とモチベーションの教科書~大手企業がこぞって導入する新しい人材育成メソッド~ (改訂版) 

僕は26歳のときに当時勤務してた会社でトップマネジメント層に仲間入りし、「マネジメントとはなんぞや?」というのを、カーネギーの「人を動かす」や、稲盛和夫さん、永守重信さんらの経営者たちの書籍を読み、自分なりにがんばってやってた「つもり」だったんですが、思い起こすと若気の至りなのか、なかなかのパワーマネジメントをかまし、マネージャーのくせに自分が社長から評価がほしいがためにプレイヤー領域もたくさんやってた結果、僕が信頼してた(と思ってた)メンバーから「貴方にはついていけません」と言われたり、いろんなことをやらかし、マネジメントに大失敗しました。

そこから「マネジメント恐怖症」になり、部下を仕切るよりは自分がプレイアブルに仕事するほうが向いてると思い、30代後半までマネジメントを避けてきました。

でも今の会社、トライバルメディアハウスは、人格的に素晴らしい社長(笑)のもと、ほんとに素晴らしいメンバーが揃っており、「この会社をもっと成長させたい」という想いから、恐怖でしかなかったマネジメントに立ち向かおうと思い立ち、今は未熟ながらもチームリーダーやプロジェクトマネージャーをやらせてもらってます。感謝。
(でもやっぱり要所要所で過去のやらかしを思い出して怖くなりますけどw)

そして今回TPAで書籍を読み、マネジメントは「知識と経験のハイブリッド」であることの重要性をより強く感じた次第。


今回の本は3冊ありますが、

HIGH OUTPUT~ → 動機づける力 → 自律とモチベーションの教科書

の順番で読むとより理解が深まるなぁ、という印象です。

●マネジメントするということの本質を考える

HIGH OUTPUT~は、ミドルマネジメント層=マネージャーが、「HIGH OUTPUT=部下から高い業績を引き出す」こと、マネージャーの役割、マネジメントの目的を整理するのに非常に有効です。

生産性に基準を置いたマネジメント的な話ばかりと思いきや、

「マネージャーの重要な仕事は部下の教育である。」
「マネジャーが決定をしない事は、ネガテイブな決定をするのと同じ」

などなど、読後感としては「マネジメントする上での心構え」がしっかり構築されるたなぁ、という感じ。

●「モチベーション」の正体を知る

モチベーション=動機づけ、動機→欲動、欲動がモチベーションの源泉、という考え方に基づき、モチベーションに関する研究成果が色々と勉強になります。

僕は個人的に、MBOを「失敗」としてるところが興味深く、

「いかに詳細に職務を規定しても、概してスタティック(静的)なものばかりであり、結局のところ項目の羅列でしかない」
「個人の裁量に委ねられる領域は勘案できない」

というのにすごく共感しました。

結局、情報として整理したところでなんの中身も無いんですよね。
動機なんてものは結局、人と人、心と心です。

●「自律型」という理想郷を目指す

「自律型人材」は、弊社も含めどこも今テーマになってると思います。
市場動向がどんどん変化し、テンプレ的・画一的な「仕事」のやり方では「持続可能な競争優位」を築けなくなってきている昨今、「自律型人材」が重要、ということなんですが、このテーマってそんな簡単に結論でないんですよね。

ここでもものすごく共感を得た言葉があり、

「世間で言われている自律型人材とは自律的に行動しているかという視点だけではなく、それが生産的な行動において発揮されているかという視点」

要は「価値を生み出す自律行動ができてるか」なんですよね。会社でいうと、利益(数字面以外も含む)に貢献できてないとそもそも「自律」じゃないということです。
「定時に来て定時に帰れば仕事してる事になって給料もらえる」というサラリーマン的思考は「自律型人材」ではない、とも取れます。僕はそう思います。

「イメージできるかどうかが自律と依存の分岐点」

イメージ力ってとっても大切です。僕は理論的な「勉強」だけではイメージ力は身につかないと思ってます。言い切ります。これには物を作り、その過程を経て、完成させた経験学習、つまり「クリエイター思考」が必要なんです。

これは単に「右脳型」とかではなく、学習の質がそもそも違ってるんですが、クリエイター思考をテーマにしてる「映像研に手を出すな!」という漫画がありまして、ここで言及されている「完成形を想像する回路が未発達」というキーワードがまさに「イメージ力」への言及なんです。

イメージ力はスポーツの技術と同じで、「トレーニングしないと身につかない」んです。クリエイターとしてのトレーニングを受けてないと、その回路が発達しない。でもスポーツと違うのは、脳内で起こってることなので外部から一切見えないため、成果を可視化できず、評価のしようもない。

だからクリエイティブ能力が無い人でも安易に考えられてしまうんですが、これは勉強やスポーツと同じで、芸大とかでクリエイター教育受けてない限り、天然で出来る人は少ないです。だからこそ「できていない前提」で課題とし、「イメージ力をトレーニング」し、「完成形を想像する回路を発達」させることをテーマに教育と行わないと、「イメージ力に優れた人=優秀なマネージャー」は育たない、ということなんじゃないかと。

自発的に完成形をイメージできる能力がある人は、無いゴールを仮設で作り上げることができ、そこに向けて動くことができるので、「自律型人材」たるんだと思います。

「いずれにしても部下ひとりひとりに関心を持つことが大前提」

これもまさにそう。好奇心が薄い人、他人に関心の薄い・自分大好き人間、は、マネジメントに向いてないと思います。
メンバーが何が好きで、どこ出身で、どんな人生を歩んで、何が得意で、みたいなことを「知らない」「知ろうとしない」「わからない」人は、今すぐマネジメントする立場から降りたほうがいいと思います。


また、コミュニケーションの量→心理的安全性の担保ということにも繋がり、この本が「マネジメントにおける肝」をたくさん学べるなあ、と思いました。

あと、どの本にも出てくるのですが、

・部下の「タスク習熟度」に合わせてマネジメントを変える
・画一的な指導ではなくひとりひとりに合わせる

いろんな言い方はありますが、タイプに合わせて変化するマネジメントは重要で、これらの考え方は、「一分間リーダーシップ」も合わせて読むとより理解が深まりますね。

これだけ本を読んで自分が思った結論は、マネジメントにおいて最も重要なことは「マネージャーとして高い知能(知識じゃない)を持つこと」と「コミュニケーション量」に尽きます。

あと、自分もやっちゃいがちだけど、学びの欲求がない人間に「本を読め」って言っても読まない、「良い本があるからみんな読め」ってのは違う、というように、相手の欲求を把握した上での上意下達は、大変だし難しいけどひとりひとりにやらないとダメだなと。

だからこそ、フレームワーク的知識はマネージャーの「知能」として身につける必要はありますが、それをそのまま部下に押し付けるのではなく、自分の言葉としてコントロールできるようになり、人との対話に重点を置き、それは謙虚に受け入れ、PDCAを回しながら経験学習として意識的に実践しないとダメですね。座学や書籍の知識だけじゃグッドマネージャーにはなれない。

「言ってるんだからちゃんとやれよ」は、UIの悪いWEBサービスの如く、「使われない理由」を受け手に全部押し付け、受け手の目線で考えてないことと同じだなと。

本で得た専門用語並べて話しても、同じ本読んで無い人には1mmも伝わらないです。それは結局「他人の言葉」であり、魂が入ってない。それをマネージャーは自覚し、向き合うのことはとても大事です。

あと文中に出てきた「映像研に手を出すな!」は、湯浅政明監督(四畳半神話大系など)の元、アニメ化するので、原作と合わせてぜひ読んでください。登場人物の「金森さん」の振る舞いは、マネジメントの本質も勉強できますよ。

以上~(・ω・)ノシ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?