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私の好きだった曲⑥:憧れられたい

『私の好きだった曲』シリーズの第六弾は、ストーン・ローゼズ(The Stone Roses)の『憧れられたい(アイ・ウォナ・ビー・アドアード) I Wanna Be Adored』です。

パーフェクト・ソング!

この曲は、イギリスのロックバンド、ストーン・ローゼズが1989年に発売したデビューアルバム『ザ・ストーン・ローゼズ』(当初の日本盤には『薔薇と石』という邦題がついていて、後に改称)のオープニングを飾っている曲です。「ストーン・ローゼズ見参! どうだ!」といわんばかりの見事な楽曲であり、私にとってはパーフェクト・ソングです。

初めて聴いた時、大変な衝撃を受け、数日間は中毒のように聴きまくりました。そんな経験はこれまで殆どありません。それくらい思い入れのある一曲です。今回改めて聴き直してみて、やはりゾクゾクしました。

ストーン・ローゼズとは?

ストーン・ローゼズは、1983年にイギリスのマンチェスターで、幼馴染のイアン・ブラウンとジョン・スクワイヤによって結成されています。黄金期のメンバーは

イアン・ブラウン(Vo/Ian George Brown  1963/2/20-)
ジョン・スクワイア(G/Jonathan Thomas Squire 1962/11/24)
マニ(B/Gary Michael Mounfield 1962/11/16-)
レニ(Ds/Alan John Wren 1964/4/10-)

です。ストーン・ローゼズのデビューアルバムは、商業的な成功を収めた以上に、音楽業界関係者から絶賛を受け、名盤として輝いています。彼らの音楽に影響を受けたマンチェスター出身のアーティストがその後の音楽シーンで活躍する下地を作ったと言われます。

その影響の大きさは、雑誌『CROSSBEAT』が2006年に実施した「ミュージシャンが選ぶ人生を変えた名盤100枚」で、ビートルズを抑えて最多得票を集めていることからも伺えます。

ストーン・ローゼズは、活動期間中のトラブルも多く、スタジオ・アルバムは2枚しか残していません。メンバーの脱退が相次ぎ、1996年に解散。2011年には再結成が発表されたものの、2019年にはジョン・スクワイヤがインタビューでバンドが既に解散状態であることを認めています。

ストーン・ローゼズとの邂逅

この曲を絶賛しておきながら、実は私は彼らのファースト・アルバムを1989年のオンタイムでは聴いていません。順番的には、難産の末に産み出されたセカンドアルバム(現時点でのラストアルバム)『セカンド・カミング Second Coming』(1994)の方と先に出会い、その後にファーストアルバムを聴いてはまったというわけです。

『セカンド・カミング』が発表された1994年は、オアシスなどのブリティッシュ・ロック・バンドが次々と登場して、音楽シーンを席巻していました。そのブームに感化され、色々聴いていく内に彼らに到達したというわけです。

ストーン・ローゼズの二枚のアルバムはお気に入りで、クルマに搭載した五連装のCDチャージャーに常置して運転する際に聴きまくっていました。

その後しばらくあって、ストーン・ローゼズ熱が再燃したのは、2017年の来日公演直前です。黄金時代のメンバー四人が揃い、2017年4月に日本武道館で行われたライブを味わえたことは、貴重な思い出になっています。マニとレニの強力リズム隊が生み出していたあの時のグルーブ感はたまりませんでした。

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2017年4月 筆者撮影

新発見に感謝!

私は、これまでタイトルの I wanna be adored(憧れられたい、崇拝されたい)とは、「俺は最高のロックスターになりたい」という意味だと解釈して、この曲を聴き続けてきました。

本記事を書くにあたって参考にさせていただいた「りりっくりすと」さんの、自分=神に擬した表現、音楽(ドラッグ?)で飛んで全能感を味わう、というニュアンスが込められているという解釈は初耳で、全く思い至っていませんでした。

確かに、ストーン・ローゼズの音楽はクスリを連想させる、という評は以前からあります。また、『アイ・アム・ザ・レザレクション  I Am The Resurrection』というタイトル自体が、聖書にあるイエス・キリストのことばですから、その解釈は的を得ていると感じました。

『ストーン・ローゼズ』のアルバムジャケット写真が1968年のフランス五月革命からインスピレーションを受けたもので、レモンが「催眠ガスの中和効果をもたらすもの」として描かれているという話も知りませんでした。

「りりっくりすと」さんの歌詞解説サイトhttps://lyriclist.mrshll129.com/stoneroses-iwanna-be-adored/




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