見出し画像

『自分の時間』を読む

昨日は調子に乗って痛飲して酔っ払ってしまい、またまた、記事投稿を飛ばしてしまいました。用意していた2023年のWK7、如月の金曜日の随筆も未完となり、お休みすることになりました。気を取り直して本日は、今週の仕事終わりにBook-Offに立ち寄り、200円+税で買った本、アーノルド・ベネット著、渡部昇一訳『自分の時間』(三笠書房2016)の読書感想文です。これは想像以上に良い本で、大変価値のある本でした。

本の値段と価値は比例しない

最近痛感するのは、本の値段と内容の価値は比例しないということです。これまで、本の買い惜しみはしない主義を貫いてきましたが、読書に費やせる時間とコストを考え、中古本を買う機会が増えています。話題のベストセラーは、余程読みたい本を除いて新刊では買わず、2〜3年経って中古本で手に入るタイミングで目を通すようにしています。自分は知識や情報を商売道具とする一線のビジネスマンではなくなったので、実用書やビジネス書を読み漁るニーズもなく、この程度で問題はないと考えています。

100円、200円で買った本ならば、たとえ内容がハズレでも後悔がありません。逆に掘り出し物にあたると物凄く得した気分になります。本書は、間違いなく掘り出し物でした。今後何度も読み返すことになりそうです

時間の捉え方を考え直す

著者のアーノルド・ベネット(1867/5/27-1931/5/27)は、英国の成功した小説家、劇作家、評論家です。その生涯で多くの著作を残し、優れた作品も多くある一方で、虚栄心の強さと傲慢さによって悪評が立っており、英国本国や日本での人気は今一つだと言われています。ただ、訳者の渡部昇一氏(1830/10/15-2017/4/17)は、好意的な評価を下しています。

人生にさらに多くを求めるのは常に、人生をすでに味わっている人たちである。
P19

世の中には時間術を説く本が無数にあり、私もより良き人生を目指して、数々の時間術本に手を出してきました。ここに書かれていた内容は、私の考えと似ていました。週末の金曜日(本書では土曜日)の夜から月曜日の朝までの自由に設計できる時間を重視する点は同感です。1週間を6日として計画し、朝の30分(3時間)と週3回の夜90分(4.5時間)を確保して、生産性の高い活動に充てることを意識せよという提案は、合理的と感じます。たった7.5時間でも人生はより良いものに変えられるが、継続・実行は簡単ではない、本気で変化に挑み、習慣化するという決意が必要だと戒める点にも好感を持ちました。

人生は時間の利用の仕方次第

人生のすべては、この時間の利用の仕方次第で決まるのだ。幸福ー誰もが到達しようとしてなかなか到達できないあの目標ーも、ここにかかっている。
P32

ベネットは、こう言い切っています。確かに、裕福な人にも、貧しい人にも、寛大で温厚な人にも、狭量で陰険な人にも、平等に与えらる時間をどう過ごしたか、時間の使い方の習慣によって人生の豊かさが変化するのは、肌感覚として理解できます。目の前の時間に真摯に向き合うことは、ついつい忘れてしまいがちです。自分の人生を真剣に考えるならば、本書の投げ掛けてくる内容は傾聴に値すると思います。

この記事が参加している募集

サポートして頂けると大変励みになります。自分の綴る文章が少しでも読んでいただける方の日々の潤いになれば嬉しいです。