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しっかり考えてみる①:政治

今回『しっかり考えてみる』というテーマで、普段イメージだけで漠然と避けていることに飛び込んで自分の頭で考える時間を持つことにします。普段意識付けしないと、サボりがちな頭の訓練です。第1回目は、『政治』を考えてみようと思います。

ある政党の政治綱領より

あなたに降りかかる不条理に対して、
全力でその最前に立つ。
生きているだけで価値がある社会を、
何度でもやり直せる社会を構築する
ために。

20年のデフレで困窮する人々、
ロスジェネを含む人々の生活を根底から底上げ。
中卒、高卒、非正規や無職、障がいや難病を抱えていても、
将来に不安を抱えることなく暮らせる社会
を実現する。

これは、元参議院議員・山本太郎氏(1974/11/24-)が代表を務める「れいわ新選組」の綱領から抜粋したものです。太字の部分は、目指すべき社会として私には異存のない内容です。本当に実現できるのならば、素晴らしいことだと思います。

れいわ新選組は、国民一人当たり10万円を毎月配るコロナ給付金を提言しています。一年間に必要な金額 ~10万円x12x1.26億人≒144兆円=参議院調査情報担当室試算(単純計算の151.2兆円と7.2兆円合わない…)~ は、全額新規の国債発行で賄い、追加増税はなし、これによるインフレ懸念はない、と主張しています。

もしこの政策が実現すると、我が家の場合、家族3人分で毎月30万円が政府から支給されることになり、生活の下支えができるので、こんなにありがたいことはありません。

一方で、デフレで困窮する人々とその困窮の原因をデフレに結びつけて捉える考え方には「果たしてそうなのかなあ…」という印象を持ちます。

反競争、巨大な政府…

れいわ新選組の政策を確認すると、消費税ゼロ、最低賃金引上げ、公務員の増員(保育、介護、障害者介助、事故原発作業員などの公務員化)など、庶民の日々の生活に寄り添うような内容が並んでいます。

どこから予算を引っ張ってくるのか…… という素朴な疑問があります。そういう疑問を持つのは私一人ではないと思うので、おそらく答えは用意されているのでしょう。日本の貧困化が進んでいるという基本認識があり、インフレ誘導型の施策こそ有効な処方箋と考えているようにお見受けします。

一方で、自由競争によって生じる経済的優劣や格差は、政府が介入して徹底的に是正するという内容にも見えます。途轍もなく巨大な権力を持つ政府が資金分配を差配し、雇用も生み出すことで理想社会を実現できる、とイメージしているように映ります。

政策には、抽象的で大きな施策と具体的すぎる施策とが並立されているように見えます。是々非々の吟味が必要でしょう。反対意見に持ち堪えられないと思われる施策もあります。

例えば、~沖縄・辺野古基地建設は中止。普天間即時の運用停止~ という施策は、混乱させた元首相の二の舞をいく、現実を無視した実現可能性が低い政策に見えます。相手(アメリカ)の意向、法改正を伴う大掛かりな話に大風呂敷を広げるのは?です。実際の政治を担う可能性は多分ないから、心地好いが、具体性を欠く公約を混ぜておこうというのは姑息な姿勢です。

誰が言っているのか、のバイアス

山本太郎氏は、元人気タレントです。政治家に転身した当初は、過激で頓珍漢な発言があったり、感情を露わにした独り善がりのパフォーマンスと受け取られかねない突飛な行動を取ったり、危うさを感じさせる存在でした。

私は、山本氏の相手に挑みかかるような前がかりの演説スタイルは好きではありません。山本氏やれいわ新選組に対しては、胡散臭いイメージを抱いています。これまで偏見や色眼鏡を持って眺めてきたことは否定できませんし、今も払拭できていません。

この自主企画で、短時間ではありますが、党の綱領や政策を眺めたことで、山本氏が政治活動を通じて何をやろうとしているのか、何を訴えようとしているのかは感じ取ることはできました。日々必死に勉強と行動を重ねておられることは理解します。

政党の綱領は、英語で"party platform"というようです。党の存在意義のようなものだと理解します。れいわ新選組の綱領では、日本が

生きているだけで価値がある社会

には共感します。「生きているだけでOKなんだ」と思える社会のために、セーフィティ・ネットを張る活動であれば、賛同致します。

それを推進するのが、国や政治家でなくてもいいと私は思います。そう願う人の思いや活動を阻害したり、絶望させたりするような政策の実現を阻止することに自身の政治力を使って貰えれば、と期待します。



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