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カクテル作りと組織作りの類似性

本日のテーマは、朝のWalking中にVoicyを聴きながら、浮かんだ考えです。『カクテル作りと組織作り』には類似性がありそうだという思い付き、まだ発展途上ですが、メモ代わりに残します。


身体を動かす爽快感

梅雨に入り、雨模様の天気を隠れ蓑にして、先月くらいから朝のWalkingをサボり気味に過ごしてきました。ここ数日は、本を読んだり、音声を聴いたり、動画を観たりと夜更かしを繰り返し、朝寝坊をし、自宅に巣籠する日が増えていました。何となく体調に微かな違和感がありました。不規則で不健康な生活をしていれば当然の結果です。

これではいけない! と本日は意を決して家を飛び出しました。約1時間、Walkingで汗を流したら、一気にすっきりしました。汗と一緒に、体内に沈澱していた嫌なものも排出されたような感じがします。

音声情報も、家で漫然と聴いている時より、内容がクリアに届いてきました。身体を動かすことで脳の動きも活発化して、ことばや文脈に敏感に反応できているようです。

カクテル好きの理由が腑に落ちた瞬間

Walking中に聴く定番になっているのが、荒木博行氏のbook cafeです。その読者コメントに、『チーム型の出汁に、スキル型のエキスを加えたダブルスープ』という面白い比喩表現があり、そこから妄想が膨らみました。

その表現を耳にした時に、浮かんだ自問自答が、
「問:なぜ、私は数多いお酒の中で、カクテルが好きなんだろう?」
「答:色々と混ぜるからだ!」
というものでした。これでは全く意味不明なので、以下解説していきます。

混ぜ合わせて高みを目指すのがカクテル

カクテルとは、複数の要素を混ぜ合わせて作られるお酒です。ウイスキーを水で割った水割り(1対1ならば、トゥワイス・アップという飲み方)も、広義のカクテルにあたります。

単独(ソロ)で超絶な味を醸し出せる酒もあれば、混ぜ合わせられることで真価を発揮する酒もあります。単独で飲んでよし、混ぜてよし、のオールラウンダーもいます。ソロで飲むとパンチ不足でも、カクテルでは実に味わい深く真価を発揮する酒もあります。

ソロで飲んで美味い酒ばかり寄せ集めても、美味いカクテルはできません。それぞれの持つ素材のよさを打ち消しあって台無しにしてしまい、混ぜることがマイナスになってしまうことも少なくありません。持ち味の異なる素材を適材適所に集め、適切な役割を与えてワークさせるからこそ、最高のカクテルが仕上がるのです。

カクテル作りは組織作りに似ている

私がカクテルを好きなのは、この「混ぜ合わせる」ことで生まれる妙味を面白いと感じるからです。

ソロ商品として成立しているお酒の素材をそのまま味わうのがいいのだ、という価値観も理解します。ウイスキーを堪能し尽くしたい時もあります。ただ、ウイスキーとてソロ商品に仕上がり、世に出る過程で、人知と技術が介在している工業製品です。私は、磨き上げられたソロ商品が要素となって、コーディネートする人知と技術が介在し、組み合わせで可能性を切り拓かれていく方により興味を惹かれます。

美味いカクテルを作り出すためのノウハウは、組織作りにも通用する話かもしれません。組織のリーダーには、ソロでも輝きを発揮する突出した人材(お酒)の能力を、魅せ方(グラスや雰囲気など)で成果をあげさせることに長けた人もいれば、多種多様な人材を組織(カクテル)に組み込んで化学反応を起こすことこそ、経営者冥利に尽きると考える人もいそうです。

カクテルを構成するもの

カクテルを構成するものは、以下の三つに分類できるかな、と思います。

● 骨格を作る(メイン)……ジン、ウォッカ、ラム、テキーラなど
● アクセントを加える(サブ)……リキュール、シロップ、クリームなど
● 全体を整える(サポート)……ソーダ、トニック、柑橘果汁など

カクテルによっては、メインとサブの区別がないもの、メインだけで構成されているものもあります。サブが、エースを際立たせるシャドーではなく、ダブルエース、トリプルエースとして使われているレシピです。

ただ、ダブルエース、トリプルエース型のカクテルは難しいと言われます。混ぜ合わせただけの”チャンポン”は不味いものです。エース同士の相性と混合のバランスが抜群であることが不可欠であり、操るバーテンダーの知識と卓越した技能が欠かせません。

なので、世の殆どのカクテルが、メイン・サブ・サポートの構成になっているように思います。

自分のカラー

オーソドックスな組織は、メイン・サブ・サポートで構成される場合が多そうです。カクテルを組織やチームに見立てた場合、自分はどの要素だろう、と考えました。

真っ先に思ったのは、自分はカクテルの屋台骨を背負うメインのスピリッツ類ではない、ということです。チームリーダーが、私にその役割を与えないであろうことは容易に想像がつきます。

カクテルの味を整える潤滑油的な役割を担うサポートでもないだろうと思います。炭酸や果汁が全体調整を担うことで、カクテルの長所はより際立ち、欠点は補われます。しかし私の特性では、そのような縁の下の力持ち役は務まらない気がします。

となると、私の立ち位置はサブです。しかも、癖の強いリキュール、パルフェタムールとかマラスキーノのイメージです。知る人ぞ知る、個性のきつい、好き嫌いがある存在です。これらが使われるカクテルは、個性的な味となり、劇薬に近いアクセントを放ちます。従って、メインとの相性が非常に重要で、かついい具合に個性を殺してくれるサポートも不可欠になります。

レモンピールになる

そんなことをつらつらと考えていて、ふと、いいカクテル作りには、上記三つのカテゴリーには属さない地味な脇役もいることに気付きました。

例えば、サーブする直前に香り付けの為に絞られ、その後はゴミ箱に捨てられるレモンピールです。カクテルに香りや芳醇さや気高さを付与するという絶妙の仕事を担います。バーテンダーによっては、捨てずにグラスの縁のデコレーションとして飾られたり、カクテルに浮かべられたり、沈められたりもします。

いつも私に美味いカクテルを作ってくれるバーテンダーたちは、レモンピールの役割と効果的な使い方を知っていて、決して蔑ろには扱いません。優れた経営者やリーダーもそうなのではないでしょうか。

人生後半戦、もしもこの先組織に属する機会がきたら、自分はカクテルを引き締めるレモンピールのような役割を目指そう…… と思った次第です。

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