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『腐る』を考えてみる

本日は、私のnoteに「スキ」を贈って下さる おじゅん@残り801日 さんが書かれたnote『人生山あり谷ありの谷で、”腐らない”ことが、幸せにつながると思う話』の感想文(♯note感想文)です。私の『腐る』を深掘りしてみたいと思います。

『腐る』とは?

くさる【腐る】
① 食べ物が細菌の作用によって変質し、食べられなくなる。腐敗する。いたむ。 
② 動植物の組織が細菌の作用で破壊され、悪臭を発したり、形が崩れたりする。また、うみただれることもいう。 
③ 物が変質してだめになる。木や金属などが、ぼろぼろになる。 
④ 使わないでいるうちに、役立たなくなってしまう。なまる。にぶる。 
⑤ 人の精神などが堕落する。 
⑥ 気分がめいって元気を失う。がっかりして気が沈む。 
⑦ 他の動詞の連用形に付いて、他人の動作をののしっていうのに用いる。 
⑧ 博打(ばくち)で負ける。 
⑨ 水でぬれる。
ー 三省堂大辞林第三版より抜粋 

思った以上に多くの意味がありました。おじゅん@残り801日 さんがこのnoteで言われている「腐る」は、⑤や⑥、別用語だと「不貞腐れる」に近いイメージかな? と想像しながら読みました。

ふてくされる【不貞腐れる】
不平・不満から反抗的になったり、投げやりになったりする。
ー 三省堂大辞林第三版より抜粋 

『腐る』との私の向き合い方

私は人一倍腐りやすい気質の持ち主だったので、克服する方法についてはこれまで色々と考え、試してきました。

『腐る』のがよくないのは、本人が否定しても、周囲には気付かれている場合が多いからです。自分ではどんなに隠していても、嫌な匂いを発していて、表情や態度や行動に現れています。腐っている心は隠せないのです。

こういう時、見かねた先輩や上司が「嫌なこと、辛いことがあっても、腐っちゃいけない」というアドバイスをくれます。『腐る』人間は扱いにくいし、面倒臭いし、不快です。いつまでも態度を改めないなら、そういうヤツとは距離を置こう、となってしまう… 先輩や上司の立場から眺めれば理解できます。

だから、『腐らない自分になる!』と強く決意したのですが、そこに落とし穴があったと後に気付きました。

なぜ『腐る』のか?

私が『腐る』に陥り易いシチュエーションは、

● 同じことを言ったり、やったりしているのに、あの人は周囲から尊敬・評価・注目されるのに、自分は無視される。
● 自分より実力が下の人間が、目立つ役割に抜擢される。
● 自分が精一杯やってきたことに見合う称賛と見返りが貰えなかった。

でした。ここで沸き起こる「悔しい」「不当だ」という感情は、評価軸を他人に置いていることに原因があるとわかってはいるのですが、湧き上がる負の感情を完全に制御するのは非常に難しいです。

『腐る』のは、物理現象の腐食や腐敗と同じで、瞬間的に起こるものではなく、不快な出来事が徐々に積み重なっていった結果として露見する現象だと思うのです。表面的には綺麗に拭き取った筈の腐りに繋がる因子が心深くに潜り込んで隠れていることが殆どなのです。

『腐り感情』への対処法

『腐る』は自然現象で、決して逃れられないものだと思うのです。自分を腐らせる因子が世の中に無数に飛んでいます。そう考え始めた時、自然現象に抗って「腐らない」というアプローチは私にはしんどいと感じました。「腐りを認めて、『腐り感情』を制御する」方向に転換しました。

腐りに繋がる因子をはじく防腐剤、耐蝕剤を塗って予防対策はします。その一方で、全ての因子を遮断することも、炙り出すこともできないと観念し、できてしまった『腐り感情』の効果的な治癒方法を探ります。今は、「過去に腐っていた傷痕を記憶と記録両方に残しておこう」と思っています。

『腐り感情』をとことんこじらせて、パリパリ状態まで干からびさせてから握り潰す方法、小さな『腐り感情』をより大きな『腐り感情』に繋がらないよう味方に引き入れて飼い馴らす方法、『腐り感情』をぶちまける格好悪い自分を客観視して相対的に緩和する方法、と色々試してきました。過去に存在した『腐り感情』の傷痕は、私の内外の至る所に残っています。

過去に腐っていた自分が他人に見えてもいい

生きていく中で、嫌な事、辛い事、不都合な現実、理不尽な出来事を避け続けることは不可能です。自分の実力不足という現実を受け容れなければならない状況も避けられないことの一つです。何か高みに挑戦するならば、乗り越えないといけないと思うのですが、乗り越えられない自分も受け容れざるを得ない時はあります。

私は、過去に腐っていたこと、腐るタイプであることを隠さなくていいや、と思っています。今でも『腐る』因子を体内に飼っている自覚があります。私の持つ他者承認願望や、自意識過剰や、嫉妬や、羨望が、周囲の方々へ不快な形で表面化しないように適度に制御することを心掛けるだけです。

腐っていることを売りにする『腐り芸人』という分野があることを最近知りました。代表的な芸人として、平成ノブシコブシの徳井健太さん、インパルスの板倉俊之さん、ハライチの岩井勇気さん、が紹介されていました。彼らの漂わせている屈折感は嫌いではありません。

おじゅん@残り801日 さん、ありがとうございました。

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