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読書日記*まとめて4冊。イタい小説の中のじぶん

小説の中にイタいじぶんをたくさん見つけてしまって、身悶えしながら読み進める。ネットと妄想と嘘と真実と。
この世界のあちこちで生まれてる感情を、見事に言葉にしてくれて、わたしは悶絶し、体感しながら、現実と向き合う。
羞恥心やマウントしたいこころとか、そんなじぶんに気がついて、本を読み終えて、また次のイタいじぶんが笑ってる。
……イタいからこそ、理解できる気持ちがあるってことを笑ってる、わたしの読書記録。

『何者』朝井リョウ(著)

直木賞受賞作。
ネット上のじぶんと、リアル世界でのじぶん。
ネット上のじぶんは仮の姿?、人に見せる姿で、本音は隠して見えないところで吐き出して、がんじがらめになってしまう。
「ああー、イタい」と思わず言ってしまった。

ほんとうに訴えたいことは、そんなところで発信して返信をもらって、それで満足するようなことではない。だけど、そういうところで見せている顔というものは常に存在しているように感じるから、いつしか、現実とのギャップが生まれていってしまう。ツイッターではそんなそぶり見せてなかったのに、なんて、勝手にそんなことを言われてしまうようになる。自分のアイコンだけが、元気な姿で、ずっとそこにあり続ける。

『何者』P174

身分を隠して、誰かの批判や指摘をして、吐いた自分の本音。まわりまわって、それはじぶんのイタいところだと感付いて、でもそれを受け入れた時に、はじめてじぶんで歩いていけるんだと思った。

『白ゆき姫殺人事件』湊かなえ(著)

この作品もまたネット上の情報と、人々の話を盛りたいという気もちがイタかった。
巻末の資料と本編の2つに、しおりを挟んで読んだ。
何が真実で、嘘で、誰が正解か?
きっとだれもが被害者で加害者なのかな。

『酒に溺れた人魚姫、海の仲間を食い散らかす』酒村ゆっけ、(著)

短編集。
妄想って人を豊かにするんだなあと思った酔っ払い。
いろんな妄想がビールの泡のように、はじけてました。

『総選挙ホテル』桂 望実 (著)

元気になれる感動のお仕事小説、企業再生物語。
ホテルの従業員を総選挙し、落選したら解雇…その中でどう仕事と向き合うのか。
仕事は「やりたい仕事」じゃないと続かない?
そんな思いはもしかして思い込みなのかと考えてしまった。
社会心理学者の社長がいちばん、おもしろい。
そしてイタいかも笑


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