見出し画像

アイドルも人間、先生も人間、お客様も人間:ihminen

ihminen:人間

*今回はべらぼうに長いので小見出しをつけました。あとヘッダーの写真は今日作ったカレー焼きそば。「映える写真撮れたぞ!」と思ったけど、ヘッダーに挿入したらそうでもなかった。

アイドルも人間:ゆきりんさんの動画を見て思うこと

ちょっと前にAKB48の今や最年長・柏木由紀(ゆきりん)さんのYoutubeを見た。最新の動画では、ゆきりんさんが視聴者からの質問に回答している。数ある質問のうちの一つが、「(自分が応援しているアイドルの)理想のアイドル像から相反してきてしまった推しに対して、ファンはどうあるべき?」だった。それに対する、ゆきりんさんの回答はこちら。

「本人の理想のアイドル像と、自分のやりたい事が相反してる 王道アイドルやりたいって言ってるのに、なんか髪の毛金にしたり茶色にしたり 奇抜なカラコン入れたりメイクしたりって事でしょ? いいじゃん!!」

(動画をクリックすると、ゆきりんさんの回答を全部見られます)

アイドルも人間だから、自分が良かれと思ってやったことを「それは(自分が推しに対して抱いている)イメージと違う」みたいなことを安易に言われると、自分が否定されたような気分になる。それにそんなに(質問者さんが)王道アイドルが好きなら、いっそ推し変してしまえば(好きなアイドルを変えてしまえば)いいんじゃない?アイドル達が願っていることは、私達(アイドル)によって、ファンの皆さんが元気になることなんだから、自分が見ていて元気になるな、という人を推したらいいじゃないの…と、ゆきりんさんは仰っている。

私もそう思う。一方で、一般的な人間同士の付き合い(友達付き合いとか)だったら簡単にそう思えるのに、どうしてアイドルとファンの関係だとそう一筋縄でいかないんだろう…とも思ってしまった(もちろんすべてのアイドルファンがゆきりんさんへの質問者みたいではないとも思うけれど)。アイドルの人間としての姿というより、「アイドルとはこうあるべき!」みたいな、アイドルの理想像が(世の中や熱心な一部のアイドルオタクの間で)先行しすぎているのだろうか。

先生も人間: 日本の学校の長時間労働について思うこと

似たような思いを、(世の中の・一部の熱心な親たちの)「理想の教師像」に対しても抱く。今日、ある方のインスタライブを見ていて特にそう思った。

フィンランドに半年留学した後、日本で教員をしながらフィンランド(式)教育をベースにより良い教育を考える団体を立ち上げたりしている。

この方のストーリーから、インスタライブの要約をみることができる。(ので、興味のある方は急いで!)

このインスタライブの中盤で、「フィンランドの教員は定時退勤が当たり前」、なぜなら「プライベートを(教員自身が・学校全体で・おそらくフィンランド社会全体が)とても大切にしているから」というようなことを話していた。日本の教員の長時間労働が解決しないのは、「(日本の労働文化における)長時間労働は美徳という価値観のせい」、そして、「『長時間労働は美徳』という価値観を信じ込んでいる管理職(校長先生や教頭先生等)のせい」、とも。

この「長時間労働は美徳」の価値観は、日本の学校という職場環境においては「教員なんだからプライベートを犠牲にして当たり前、身を粉にして子どもたちに尽くすべき」という風にとらえられているのかな、と思った。それがもしかすると(一部の)親たちの教員に対する期待でもあるのかな、とも。自身のかなり限られた体験に基づいた意見だけど。

そりゃ、親としては大切な子どもを預ける相手なのだから、先生に対していろいろと必要以上に期待してしまうこともあるだろう。また、学校の先生たちもそういった親たちの思いに共感して(あるいは先生自身も親だったりして、自身の体験と重ねて)時に自分のキャパ以上に頑張りすぎてしまうこともあろう。そのような働き方を他の教員に押し付けることもあるのかもしれない。子どもたちは担任の先生をアイドルみたいに簡単に「推し変」…というわけにいかないからだ。

親や先生たちの、時に行き過ぎた子どもへの心配の気持ち…それが彼らを担当する先生たちへの行き過ぎた心配への気持ちに変わる…この心境はわからないではない。

だが先生も人間である。先生も、先生たちが担当している子どもたちやその親のように、自分の生活がある。先生も人間なので、ちゃんと眠ってご飯を食べて、家族と団らんして…という時間がないと、大事な時に正確な判断を下せなくなる。先生たちの疲れすぎた頭で下された、誤った判断で振り回されるのは結局子どもたち、ひいては親たちや管理職の先生たち、なのだ。

---

私はたった1カ月ちょいの教育実習でしか、教壇に立つという経験をしなかった。そんなぐうたら教員免許保持者の私の言うことはきっとそんなに説得力はないだろう。でも、それでも、たった一カ月ちょいの実習でも、「先生ってこんなにたくさん考えなきゃいけないことがあるんだな…」ということは、感じた。

たった45~50分の、たかが小学生・中学生に対する授業をするだけでしょう?と侮るなかれ。その間、先生たちの頭はフル回転だ。(あ、今この子ちょっとわからない顔してるな)(この子にはこの問題は簡単すぎてちょっと持て余しているみたいだ)(あ、あの子隣の子にちょっかい出しとるな)(あ、あの子ふざけだしたな…)(次は…次はこの問題についてみんなに質問しなくては)(あ、あの子手を挙げてる)(あと時間はこれくらい余ってるな…だからここまでは授業でやってここから先は宿題かなー)…みたいなことを、授業中の10分くらいの間に同時に考えている。

この同時に考える手間を省くために先生たちは教材の有効活用法を考えたり、教室内のシステムを考えたりする。教室内の仕組み、教材の活用法等が考えられていれば、恐らく(あ、今この子ちょっとわからない顔してるな)(この子にはこの問題は簡単すぎてちょっと持て余しているみたいだ)(次は…次はこの問題についてみんなに質問しなくては)(あと時間はこれくらい余ってるな…だからここまでは授業でやってここから先は宿題かなー)に関して、先生は授業中考えなくて済む。それらに費やしていた思考を、(あ、あの子隣の子にちょっかい出しとるな)(あ、あの子ふざけだしたな…)に対して費やすことができるし、多分それ以外の子どもたちの様子にも目を配ることができるだろう。

でも教材の活用法や教室の仕組みを考える時間は子どもと接する間にはない。先生たちがそれらを考えるのは例えば放課後だったりするのだが、この放課後に会議やその他の書類仕事、部活等があった場合…きっと土日に考えるのだろう。でもその土日に部活指導等があるもんなら、もう先生の頭は思考停止寸前だ。

---

先生たちが費やす多くの思考をなるべくその時々の子どもたちの様子に対して行えるように、できる箇所はICT活用等で効率化を図ったり、あるいは(子どもにとって)意味のない活動は思いきって廃止する必要があるのかななどと、ぐうたら元教員養成課程の学生は日本の学校に対して思うのであった。先生はAIやスーパーコンピューターじゃないのだから、少ない休息時間で複数の思考を毎日行うなんて不可能だ。それに疲れすぎた先生たちによる、めちゃくちゃな判断等によって一番不幸な思いをするのは子どもたちだ。長時間労働は先生も子どもたちも、誰のことも幸せにしない。

お客様も人間:「お客様は神様」について思うこと

「アイドルも人間、先生も人間」という話だった。

今度は日本における一般的な「サービス・商品を提供する人」と「顧客」の関係について考えてみる。日本では「お客様は神様」なんていわれていたりするが、昨今、お客様は必要以上に崇め奉られている気がする。つまりお客様の横柄な態度・無茶で高度すぎる要求に、サービス・商品を提供する側の人たちは毎度振り回されざるを得なくなっている。(しかもそれが日本の『おもてなしの心だ、美徳だ!』なんて言われていたりもするみたいだしねえ…)

お客様は大切にしなくてはならない。でもそれはあくまで「人間」として、である。私たちは家族や友人や恋人など、自分にとって大切な人たちは大切にする。そういう人がいない場合は、自分自身を大切にする。私たちが大切にしている人々を大切にするように、お客様のことも大切にしなければならない。

そして、「商品・サービスを提供する人」たちも人間で、お客様に仕える奴隷ではない。これらの言説をもってなお、「お客様は神様だもん!」とふんぞり返るならば、神様はもっと崇高な価値観をもった(あるいはそれを体現する)存在であるということを強調したい。私はある特定の宗教に傾倒しているというわけではないが、私が今まで聞いてきた様々な信仰崇拝者たちが口をそろえて言うのは、神様とは遍くすべての生きとし生けるものたちを尊び大切にする存在であるということだ。『神様』は自分のステータスにあぐらをかいたりなんかしない。

---

私達はあなたたちと同じ人間である。あなたたちも、私達と同じ人間である。

そんな当たり前のことをついうっかり忘れてしまいがちだ。私たちがどのような場所で会おうとも、立場を超えた人間同士の関係性を築く…ということができれば、世の中の多くの問題は解決するかもしれないのにな…と思う、ぐうたら大学院生なのであった。

おまけ:Buono!は超かっこいい

Buono!という、解散してしまったハロプロのアイドルユニットが現在、5月末までその解散ラストライブをYoutubeで配信している。ぜひご覧いただきたい。「所詮アイドルのライブでしょ…」と思っている方にこそご覧いただきたい。

私は「うらはら」という曲がいいと思いました。(上記動画をクリックしたらすぐ聴けます。)

もうぜひ目に焼き付けていただきたい。「ももち」こと嗣永桃子さんがちゃんとリーダーしている姿とか、夏焼雅さん(画像中央)の麗しいお姿とか、鈴木愛理さん(画像左)の美しい歌声とか。見どころ満載。

あと、鈴木さんが当時所属・活動していた℃-uteさんの「kiss me 愛してる」もこの動画の序盤くらいで見られるので、ぜひ。私は岡井千聖さんが好きだったの…歌声がめちゃくちゃかっこよかったし、ショートカットでちょっとハンサムだし、バラエティではめちゃくちゃ抜けてて面白いし…。

---

今日も#30dryc を続けることができた。

今日#WordoftheDay する必要あるか?と思ったが、まあ、人間のことをihminenってフィン語ではいうんだなーってことをついでに覚えていただけたら幸いである。

夜、外で学生たちが複数でバーベキューをしていた。そんな一日の終わり。私は一日中眠たかった。なんでだよ。


そんな、皆様からサポートをいただけるような文章は一つも書いておりませんでして…