親譲りの頑固さで、子供の時から損ばかりしている:itsepäinen
itsepäinen:stubborn,頑固な
*夏目漱石「坊ちゃん」の冒頭は、「親譲りの無鉄砲で、子供の時から損ばかりしている。」私自身は、頑固さで損はしているが損「ばかり」ということはない。
朝、何気なくFacebookのニュースフィードを見た。とあるマスメディアのFacebookページが、日本が今後いかに不景気になるかを報じていた。2020年4月~6月度の実質GDP成長率が、リーマンショックを超える戦後最低の数値になる見通しだという。
「あのリーマンショックを超えるのか…」私は不安になった。リーマンショックは2009年のことだ。その時も「戦後最悪の不景気」と言われていた。私は中学3年生だった。ちょっとずつ景気が好転しつつある中で起きた。はずだ。あまりちゃんと覚えてないけれど。周りの同級生たちはなんとか学費のかからない公立高校に進学しようとしていた。
その2年後に東日本大震災が起きた。どうにか不況を克服しようとしている矢先だった。
その後も台風や集中豪雨などの天災が相次いだ。私たちが頑張って頑張って積み上げていったものは、自然災害によって無残に壊されていった。
それでもなんとか持ち直そうと粘っていた中、今度は新型コロナウイルスが、私たちの努力をじわじわとなきものにしていった。
頑張って築いたものが理不尽に水の泡になってしまう。積み上げた努力は理不尽に「なかったこと」にされてしまう。わたし(たち)の10代から20代前半はその連続だった。わたし(たち)はあまりにも、自然や人間の理不尽な所業を目の当たりにしすぎた。
またゼロからやり直しだ。
ぐうたら寝てばかりの私ですら、何かをする前から気持ちが燃え尽きてしまいそうだ。
Facebookを閉じた。早く自分の将来のことを何とかしないと私も秋から無職になるに違いないのに、私の体は低気圧に抗えなかった。眠くてたまらない。
何やら外からばらばら音がするなと思ったら、雨が降っているらしかった。空の鈍色は頭痛を引き起こさせる。トイレに行ったらトイレットペーパーを切らす直前だった。今日買いに行かないとまずい。なんでこんな日になくなるんだよ。
仕方なく買い物に行くことにした。雨が止むのをだらだら支度しながら待った。空から晴れ間がさしたのを見計らって、外に出た。スーパーに行ったら、スモモが1キロ1.8ユーロと安かった。トイレットペーパーのほかに果物や野菜も少し買った。
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遅めの昼食をとったあと、学生組合の開発協力系セクターの今年度最後の会議に参加してきた。今学期をセクターの仲間と振り返った。コロナ禍でもフェアトレード・コーヒーブレイクができたことを、他の仲間も喜んでいた。とても嬉しかった。最後に仲間たちにちゃんとお礼が言えてよかった。
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眠たいなあと思いつつ、#30dryc をきょうも継続した。
ainokainen(一人っ子)など、忘れていた語彙を作成過程で復習することができた。
父親のことを「頑固(itsepäinen)だけど正直な人」と紹介している。私も父親に似ているところがある。私は変なところバカ正直で、人の言うことをあまり聞かない。
インスタグラムのフィードでたまたま見つけたこの犬に、だからちょっと共感してしまった。
フィンランド公営放送のインスタグラム。番組自体はノルウェーのものであるらしい。だから、番組ではみんなノルウェー語で話していると思われる。
(ダメ犬だなあ…図体ばっかりでかくって…)私は笑ってしまった。私も年ばっかり食ってベッドでごろごろするだけで、人のこと言えないけど(犬のことか)。フィン語字幕によると、どうもこのデカ犬はお店がある方向には行くが、それ以外の方向には行きたくなくて道のど真ん中でしゃがみ込んでしまうらしい。
そんなデカ犬や、そのほかの様々な問題を抱えた犬たちを訓練する、ドキュメンタリー番組。トレーナーさん(画像の女性)はこのデカ犬について「tavattoman itsepäinen」(unusually stubborn:尋常じゃないくらい頑固)と感想を述べていた。
番組後半で、噛みつき癖がある犬の飼い主が涙ぐんでいるのを見て、私も悲しくなってしまった。
他の犬たちがちゃんとしているのに、噛みつき癖がある犬(Theaという名前)はなかなか飼い主やトレーナーの言うことを聞かない。番組終盤で、他の犬たちは大人しくしているのに、途中でTheaはどこかへ行こうとしてしまう。「犬にとっても新しい場所で、ストレスが溜まっているのかもしれませんね。大丈夫、徐々によくなっていきますから」というような主旨のことをトレーナーさんはTheaの飼い主に言っていた。飼い主さんは泣いていた。今後のトレーニングでTheaと飼い主さんはどう変わっていくかな。
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修論に追われてしばらく見ていなかった、Madventureという番組を見た。男性二人組が、フィンランド国内の珍スポットを巡る旅行ドキュメンタリーだ。以下、閲覧注意。
今回は二日酔いを解消できる、一風変わったサウナや健康法?について。番組の序盤、ヒルと思われる虫を背中に載せられ、男性二人組のうち一人は悶絶。「en mene! (I don’t go!)」と叫ぶも虚しく、男性の背中に乗せられたヒルは男性の血を吸うのだった。これじゃ、Madventure じゃなくてMatoventureじゃないか(matoはフィンランド語でworm,ミミズのような虫の意味)。
番組の終盤ではavanto (寒中水泳。本来は氷の張った湖に穴をあけ、そこで泳ぐもの)も登場する。「en mene! en!(I don't go! I don't!)」 と叫ぶも虚しく、水温3度の中avantoすることになった男性二人組のうちの一人。でも結果、体があったまって気持ちよくなった様子。avantoは私も一回しかしたことがないが、湖水浴は何度か経験したことがある。気持ちいいです。
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夕食のデザートである今日買ったスモモが、オキーフの桃みたいだった。
オキーフはアメリカ出身の画家だ。桃の絵が有名。本家はこちら。
ちゃんと本家に倣ってコップをそばにおいて撮影したらよかった。しかし伝わらない写真だ。実物はもっとオキーフっぽかった。
オキーフの桃は、江國香織氏のエッセイ「日の当たる白い壁」で初めて知った。「日の当たる白い壁」、おすすめです。自由に絵画鑑賞していいんだな、と思わされる。
ヘッダーの写真は今日の昼頃の空。
そんな、皆様からサポートをいただけるような文章は一つも書いておりませんでして…