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聖餐式はフェアトレードワインで:ehtoollinen

ehtoollinen: (holy) communion
(holy)communion: 聖餐式
聖餐式(せいさんしき)
イエス=キリストが最後の晩餐でパンとぶどう酒を弟子たちに与え「パンは私のからだであり、杯は私の血による契約である」と言った言葉を記念して、パンとぶどう酒を会衆に分けるキリスト教の儀式。主の晩餐。聖餐。(デジタル大辞泉より)

今日は半日程度、フェアトレードコーディネーターの仕事に明け暮れていた。フィンランドフェアトレード協会から年次報告書の書き方とか、次回イベントのお知らせとか、いろんな情報が一気に今日の午前中送られてきたため。メール3通程度(すべてフィンランド語で書かれている)をgoogle 翻訳や自身のフィン語スキルを駆使してどうにか読み取り、然るべき人々にメールが来たことを報告し、その内容について相談したい旨連絡を取るなどした。疲れた。


もう私はどうやってもどうしてもフォーマルなメール送信や会議での発言に慣れることはないだろう。私は重要なメールを送るたびに緊張し、HPをすり減らしている。多分考えすぎなんだと思うけど。

それでも、傍から見ると私は「会議で堂々と何の問題もなく英語で発言している」ように見えているらしい。実際は緊張しっぱなし、脂汗かきまくり、手のひら汗びっしょり、なのにね。

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さて、一週間ほど前の出来事であるが、ユバスキュラルター派教会組合(Jyväskylän Seurakunta)のフェアトレード担当者と1時間弱程度お話しする機会があった。


といっても話した内容は自己紹介や先述した年次報告書の書き方や過去に行われたイベントについての話などで、本当に長めのご挨拶をする程度のものではあったのだが。それでも一度会ってお話したほうが後々メールやSNS等でも質問しやすくなるし、フォーマルなメール送信が大の苦手な私にとってはそれでも十分実り多き時間だったんじゃないかなあと思っている。

「ユバスキュラ大学ではフェアトレードに関するイベントが活発に行われていていいですね」教会の方はそう仰ってくださった。「ユバスキュラルター派教会組合はユバスキュラ市街地とその周辺地域の教会を幅広く網羅する組織なので、教会全体をあげて何かをするというのがとても難しいのです」

それでも、フェアトレード製品と概念の普及に向けて、教会組合ならではの興味深い取り組みも行われていた。例えば「私たちはehtoollinenの際に、フェアトレードワインを使うようにしています」(言い忘れていたけどこの会話の殆どがフィンランド語で行われていた)

「ehtoollinen?」首をかしげる私に、教会の方は「英語でなんて言うかわからないのだけど」と同じように首をかしげながら、簡単なフィンランド語でこう説明してくださった。「毎回礼拝の後に信者の方にワインとパンを与える儀式のことで、そのワインにフェアトレードのものを選ぶようにしているのです」

これでehtoollinenが何のことだかはっきりわかった。私もehtoollinenの様子は友人たちに昔誘われていった教会の礼拝で見たことがあったから(私はクリスチャンでないので傍から眺めるだけ。クリスチャンでない人はehtoollinenの際にパンとワインをいただいてはならないらしい)。だけどその時点では英語でも、なんなら日本語でもehtoollinenってなんていうのか私はさっぱりわからなかった。

しばらくしてから「キリスト教 儀式 パン ワイン」だったか、とにかく思いつくキーワードをならべてネットで検索してみた。そして、「毎回礼拝の後に信者の方にワインとパンを与える儀式」のことを日本語で聖餐式、英語で(holy) communionということがわかった。そこから英フィン辞書でcommunionの意味を調べ、うろ覚えだった発音の記憶を頼りにehtoollinen=(holy)communion=聖餐式 であることを探し当てたのである。

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 ところで、どうして教会組合がフェアトレード製品・概念の普及に携わっているのか尋ねてみたところ、教会の方はこのようなことを仰っていた。

「キリスト教の教えとして、全ての人を幸福にするというものがある。フェアトレード製品の購入は、不当な搾取に会う途上国地域の人々を救えるという点で、この教えを全うできる比較的簡単な方法の一つであると思う」

まだまだフェアトレードについて勉強中の私、だけど教会組合の方とのお話は、これまで私の頭の中でつながらなかった「教会」と「フェアトレード」という点を強固につないでくれたと思う。



そんな、皆様からサポートをいただけるような文章は一つも書いておりませんでして…