君の今だけの言葉で。
1歳9ヶ月を迎えた息子。色々できることも増えてきて成長を感じる日々だけれど、一つ気になっていることがある。
全然喋らないのだ。かろうじて1、2語言っているかどうかという感じで、ほとんど言葉らしい言葉を聞いたことがない。育児の本とかでは、そろそろ2語を繋げて会話に近いことを話すようになるというのも見るけれど、そんな様子は見られない。
支援センターに遊びに行くと、息子より月齢の低いお友達が「ワンワン」とか「おいしい」とか色んな言葉を発しているのを見て、(すごい…!)と内心驚きと少しの焦りを感じたり。
もともと息子は自分から何かを伝えたいという思いはあまりない方だったから、喋り出すのはゆっくりかもしれないね、というのは夫と話していた。だからのんびり構えているつもりだったけれど、やっぱり少し心配になってくる。
それにイヤイヤ期も重なり、私に言いたいことが伝わらなくて号泣する時もあって、(じゃあ、何か話してよ…!)と思ってしまうこともあった。
でも最近、ご機嫌な時に高い声で「あちゃちゃちゃ〜」みたいなことを言うようになった。私はあまり気に留めていなかったのだけれど、これを夫や支援センターの先生は「何か話しているね。」と言っていた。
そうか、これが今の息子の言葉なのか。私は喋るというと、どうしても意味のある単語ばかりを想像していたので、全然話してくれないと勝手に焦っていた。でも実はもう、息子は話をしてくれていたのかもしれない。
自分の中で何かを思って、考えて、それを声にして、外に発してみる。それって、言葉を話す大きな一歩だと思う。そんな大きな一歩を息子はすでに踏み出していたのだ。
毎日一緒にいるのに気づかなかった。私の頭の硬さを反省しつつ、それからは息子の今の言葉に耳を傾けるようになった。
「あちゃちゃちゃ〜」、「ふぅ〜ふぅ〜」確かに息子は何かをお喋りしていた。お気に入りの車を動かしながら、絵本を眺めながら、楽しそうに声を出していた。
そうか、君はもうたくさんお喋りしてくれていたんだね。お母さん全然気づけなかったよ。これからはお話聞くから、もっとたくさんお喋りしてくれると嬉しいな。そんなことを息子に伝えてみた。
「あちゃ〜」と、返事か分からないような言葉を受け取り、また嬉しくなった。これはきっと今しか聞けない、息子のレアな言葉なんだろうなぁ。そう遠くないうちに、息子が意味のある言葉を当たり前に話す日がきっと来る。そう思うと、今だけのこの言葉をちゃんと耳に残しておきたいと思った。
だからどうぞこれからも、たくさんたくさんお喋りしてね。君の今だけの言葉を聞けるのを、お母さんは毎日楽しみにしています。